こんにちは。山元です。

現在、「成人の日」は 1月の第2月曜日ですが、
1999年までは、1月15日 が
「成人の日」として制定されていました。

アフガニスタンでは
日本であるような
「成人の日」や「成人式」と同様の行事が
あるんだろうか?

そんな疑問をスタッフに投げかけてみると・・・


「ない。」

とのことでした。ありゃ。


アフガニスタンの法律によると、
「成人」というのは、
満18歳以上の人を指すようです。

家庭によっては、
この18歳のお誕生日を特別なものとして
お祝いする人もいるようですが、
多くの場合、通常のお祝いと変わらないとか。


成人になると
法的にどのような権利が与えられるか?
というと、主に、

(1)結婚ができる(男女とも)
(2)選挙権が与えられる(男女とも)
(3)車の運転ができる
(4)政府関係の職に就くことができる

だそうです。

ちなみに、イスラム教では
お酒もタバコも禁止されているので、
日本のように、「成人になったからOK!」
というものではありません。ビールタバコ
(タバコを吸っている人は結構いますケドね)

もちろん、このような権利は、「法律上」のことなので、
もっと年齢の低い子どもが結婚させられたり、
もっと年齢の低い子どもが無免許で運転していたり、
ということがよくあるのも現状です。


日本では、「成人式」という行事があったり、
20歳の誕生日を特別なものとして意識したりして、
「自分も大人の仲間入りをしたんだなぁ」と
考えさせられる機会があります。

しかし、
成人式のような特別な行事がない
アフガニスタンでは、
どのような時に「大人になった」ことを自覚するのでしょう。

もちろん、人にもよりますが、
スタッフ曰く、
だいたい16歳~18歳ぐらいで、
家族から、以前より大きな責任を持たされるようになったり、
周りの人の、自分に対する扱いが変わっていったり、
自分の意識の中でも、
今までの自分のままではいけないな、と思ったり、と
徐々に、「大人」になる自覚を強めていくようです。


このような話をしていたら、逆にスタッフに質問されました。

「じゃあ、どういう時に、自分が大人になったと感じるの?」


・・・


飲酒や喫煙が法律で認められるようになったから?
20歳を超えたから?
国民年金を納めるようになったから?
投票できるようになったから?
自分の収入で生活ができるようになったから?


自分を取り巻く環境や
与えられた権利などの事実関係から
自分は成人した、と思うのは難しくないかもしれません。
が、精神的に成人した、と思うのはどういう時でしょう。

自ら、スタッフに質問したものの、難しい質問です。


自分の言動に責任を持つ

与えられた権利には義務も伴うということを自覚する

誰かや何かに自分が守られるだけでなく、
自分が誰かや何かを守るようになる

やりたいこと、すべきこと、できること、できないこと、などを
自分に与えられた役割と立場からも判断する

自分を支えてくれている見えない尽力に感謝する


・・・少なくとも、
この日を境に、急に成人しました!
というものではなさそうですね。
成人として、というより、人として必要なことである気も
しますし。


なお、
国連人口基金(UNFPA)の
『世界人口白書2007』によると、
アフガニスタンにおける
5歳未満児死亡率は
1,000人中、男児234人、女児240人。

4~5人に1人が5歳になる前に
命を落としてしまうのです。

日本における
5歳未満児死亡率は
1,000人中、男児5人、女児4人。

アフガニスタンに比べて、圧倒的に低い数値ですし、
自分と同年代の友人が
若くして命を落とす、というのも
日常的にあるような身近な出来事ではありません。


「成人になる」ことはもちろん
おめでたいことですが、実は
20歳まで無事、生きてこられたこと自体も
ありがたいことですね。


何はともあれ、

本来の成人の日からはちょっと遅くなりましたが、

成人された皆さん、
おめでとうございます!チューリップピンクチューリップ黄チューリップ赤チューリップオレンジチューリップ紫