こんにちは。山元です。

現在、ピースウィンズは
サリプル川流域で、水資源調査事業 を
実施しています。

アフガニスタンでは、
多くの人びとが
水不足や干ばつに苦しんでいます。

水不足の深刻さ、と言ったら、
日本でよくあるような、

「水不足のため、当店では
しばらく冷やし中華を取りやめますラーメン

とか

「水不足のため、しばらくプールを閉鎖します波

とかいったようなレベルではなく、

ひどい水不足になると、
少しでも水を手に入れることができる場所を求め、
家族全員が、今住んでいる家や村を離れて
国内避難民にならざるを得ないほど
深刻なのです。

水のない今の生活を続けるか
不安定な生活になっても命の水を得るか・・・


決して簡単な選択ではないはずです。


そのような人を少しでも減らすべく、
2003年から、ピースウィンズは
限りある水資源をどうしたら有効活用できるか、
ということを模索しようと、
サリプル州で、水資源調査を実施してきました。

まずは、有効活用するための「水資源」自体を
知らなくてはならない。

そこで、数年にわたり、
降雨量や降雪量、河川の水量や井戸の水量、
気温、湿度、風の向きや強さ、太陽熱の放射
などなど、
水と水を取り巻く様々な環境に関するデータを
収集、解析しています。

スタッフは、データを収集するために
文字通り、山へ霧川へ波
計器を設置した場所へと日々でかけていきます。

時には山中の村で宿泊し、
車では進むことのできない山の道では、
村人から借りた馬に乗って移動するほどです。馬


しかし、ここ2日間は
スタッフも事務所での仕事です。

雪が積もっているため、事業地までの道が
閉ざされている、というのもありますし、
なにより、道の状況が悪いのです。

一部の道を除いては、
舗装された道などありません。
雪が積もっているせいで、
雪の下には何があるかわかりません。
溝や穴にはまり込んでしまう可能性だって
否めません。

が、なんといっても、
雪の次の日にいいお天気、
雪がほんの~りと溶け、
そして、夜は冷え込み・・・

そう、道の雪は凍り、氷のようにつるつるで
とても危険な状況なのです。

もちろん、定期的なデータ収集は
調査の精度を高める上で重要ですが、
やはり、スタッフの安全が第一。
事業地への移動を禁止しました。

ですので、スタッフは
事務所内に設置してある計器のデータ収集や
収集したデータのグラフ作成や
レポートの作成などに勤しんでいたわけです。


私なんぞは、外のトイレに行くだけでも、
部屋に戻る度に、
寒い寒い・・・
と言っているのに、
スタッフは、寒いにもかかわらず
野外でデータ収集作業をし、
そして、なにより、わざわざ
冷た~い水や雪に触れに行くのです。

事務所近くの川の水も、一部凍っているぐらいの
寒さです。

仕事だから、
お給料をもらってるんだから、
と言えば、それまでですが、
それでもやはり頭が下がります。

事業地に行けないことを
残念そうにしているスタッフを見ていると、
彼らの仕事に対する責任感と熱意を
垣間見たようで、頼もしい限りです。


水資源調査事業というのは、
「支援物資配給」や「学校や病院の建設」

などという、目に見える支援とは異なり、
地味~な事業かもしれません。

しかし、長い戦争のために
アフガニスタン政府ですら
水資源に関する有効なデータを
持ち合わせていない現状において、
調査の成果が
いつの日か、少しでも
水不足に苦しむ多くの人びとの助けに
なることを願っています。


この事業を支えてくださっている
支援者の皆さまに感謝しています。
ご理解、本当にありがとうございます。

そして、この「地味」な事業は
スタッフの日々の地道な努力によっても
支えられているのだな、ということを実感します。



それにしても
雪とお日様のコンビネーション、
強敵だなぁ。。。

雪晴れ