休暇を終え、しばらくミーティング等のために
カブールに滞在しておりましたが、先日マザリシャリフに
戻ってきました。

韓国人拉致事件をうけて、色々な方からご心配の声を頂きました。
お陰さまで、ピースウィンズ・ジャパンのスタッフは
無事でおります。また通常通り事業も実施しております。

休暇を頂いている間にも、事件に関する報道を追っており、
早期の事件の解決を願っておりましたが、残念ながら長期化しているようです。

当たり前ではありますが、政治目的での一般市民の誘拐・拉致
は国際人道法に違反する行為であり、今回の韓国人ボランティアの
拉致は、いかなる状況だっただろうと、許されざることであります。

残念なことに、外国人の誘拐・拉致は、政治的目的、金銭的目的
で、世界各地の紛争地域で有効なテロ手段として利用されて
しまっています。外国人の誘拐・拉致は、拉致が行なわれた
国の政府、拉致された人の出身国政府、関係者等を巻き込み多くの時間や
リソースを消耗させる手段です。また、メディアにも大きく取り上げられ、
恰好の「PR」手段ともなっています。また、誘拐・拉致に対する
国際援助コミュニティの警戒感を高めることにより、国際援助コミュニティの
行動範囲を狭め、結果として支援が行き届かなくなるという影響もあります。
悲しいことながら、まさにテロリストにとっては、
敵対する政府にダメージを与える手段であり、
国際援助コミュニティに対する不満の上昇を煽る有効な手段であります。

このような環境で活動する以上、誘拐・拉致をはじめ、治安事件に
巻き込まれないようにするのが継続的な支援を実施するのに不可欠です。
アフガニスタンの治安情勢が全般的に悪化しているのは否めません。

今回の拉致事件は、隣国の韓国人が、大人数拉致されたということで
日本のメディアでも大きく取り上げられているようですが、
残念なことに、アフガニスタンでの拉致事件はそれほど
珍しい事件ではありません。例えば、今回拉致事件が起きたガズニ州
では、6月にも18名の地雷除去関係者が拉致されて
います。(その後無事に解放)

アフガニスタンの治安情勢は地域によって大きく
異なります。ほとんど治安事件が発生していない地域もあれば、
爆弾テロ、誘拐・拉致、武装勢力と治安維持部隊の衝突が毎日の
ように起きている地域もあります。

幸い、ピースウィンズ・ジャパンが活動している北西部の治安は、
比較的安定しています。同時に、治安情勢の悪化への警戒は常に
必要なため、日々に治安情報の収集に努め、治安リスク軽減の
ための対策を実施しております。

今後も、治安情勢に細心の注意を払い、
必要な治安対策を実施しながら、事業を継続したいと思っております。