韓国人の残された19名全員が無事に解放されて何よりです。本当に良かったです。ドイツ人エンジニア1名も解放されればと願っています。

さて、皆さんにはご心配をおかけすると思って
ご報告していなかったのですが、
2007年3月8日に、私達が活動しているサリプル州で、
国際NGOで働く国際スタッフ(ドイツ人)が殺害される
事件が発生していました。

その日現場のモニタリングのために出かけていた
この国際NGOのコンサルタントの車列は、
武装した男2人に止められ、車から降りるように
命ぜられ、国際スタッフだけを残してアフガン人
スタッフは去るように言われました。その後、
残された国際スタッフはその場で処刑されてしまったのです。

その手口は強盗ではなく、明らかに外国人(西洋人)
であることを狙った犯行であり、反政府テロ活動として
行なわれた犯行だと言われていました。

アフガニスタンでも数少ない、非常に治安の安定して
いると思われたサリプル州でおきた残忍な事件だった
だけに、かなりショックを受けました。セキュリティ状況や
治安対策の見直し、事業の一時停止などに、その後
しばらくかなり神経をすり減らしたというのが正直なところです。

その後全く捜査に進展もみられなかったのですが、
数週間に逮捕者がでたという連絡を受けました。
逮捕されたのは首謀者1名、実行犯1名。

事件の首謀者と言われているのは、殺害現場となった
村のムッラー(聖職者)。直接手を下したのは、他の州から
派遣された人だったようです。アフガニスタン北部でも、
パキスタン等でイスラム原理主義の影響を受けた
ムッラー達が、反政府・反欧米活動を広げていると
言われているという流れの中での犯行だったようです。
実行犯は、首謀者と同じパキスタンのマドラサで
学んだとされるバダクシャン出身の人。この犯行には
被害者との個人的な問題という側面も絡んでいる、
という憶測もあるようですが、
現在はより詳細な情報を待っています。

殺された方は、短期派遣のコンサルタントだったため、
直接面識のない方だったのですが、サリプル州で活動する
数少ない国際NGOの仲間が殺されたというのは、
何とも言いがたく悔しいことでした。

また、自分にも起こりうる事件だった、
と改めてアフガニスタンの活動環境の厳しさ
を感じました。

今まで、誰がどのような理由でこのような犯行を行なったのか
全く不明な中、迷宮入りしてしまうのでは、と懸念を持っていた
ところ、首謀者と思われる容疑者が逮捕されたというニュース
を聞いて、正直複雑な気持ちでした。

何だか肩の荷が下りた気がとするのと同時に、
「なぜ?」というのが疑問に残ります。
少なくとも、関係者が逮捕されたということで、
より詳細な背景が判明すればと思っています。

実行犯となったもう1名の指名手配も行なわれるようです。
早く捕まって欲しいです。