以前、質問募集をした際に、カイザキ さんからこのようなご質問を頂きました。

「難民キャンプや、水資源へのアクセスができない町では、排泄物をどのように処理するのですか?」

今日はこのご質問にお答えしたいと思います。

まずは、サリプル事務所のトイレのご紹介から始めます。

サリプル事務所のトイレは♪VIP♪トイレ。

VIPトイレに一歩踏み入れると...

ラブラブゴージャスラブラブな内装に囲まれ...

ブーケ1ローズブーケ1が香り...

音譜クラシック音楽音譜が流れ...

セレブな気分が味わえる...


ワンピース帽子くつサンダルリボンプレゼントカバン宝石赤宝石赤口紅指輪ネイルいちごリンゴ

というのは全くのウソで、 VIPとはVery Important PersonのVIPではなく、

Ventilation ImProved Latrine(換気改良ピット式トイレ)
のことなのです。


ピットに(いわゆるボットン)に、換気用のパイプがついているものをVIP式と呼びます。


トイレ トイレ2
(↑サリプル事務所のトイレ。セレブではないこと間違いなし。)

水道が整備されていなかったり、配管が怪しいアフガニスタンのようなところでは、水洗トイレのトラブルが多いのです。(水がなくて流せなかったり、最悪の場合は逆流したり、と。)

最初は慣れるまでちょっと時間がかかりましたが、現地の事情を考えると、水洗トイレよりもトラブルが少なく、清潔です。

また、ご質問にありました、難民キャンプでの排泄物処理方法ですが、
私達が使用しているVIP式トイレは、難民キャンプなどで広く用いられている、一般的なデザインです。

難民キャンプを始め、多くの途上国の広い地域では、上下水道が整備されていません。
昔の日本には汲み取り式トイレがありましたが、汲み取りサービスもありませんし、汲み取った排泄物を処理する施設もありません。

このような所にトイレを作る場合は、ピット式(地中の穴)トイレが採用される場合が多いです。ピットに溜まる排泄物の水分は土中に吸収され、または分解され、容積が減っていくため、使用する世帯数や人数が多すぎなければ、すぐに一杯になることもありません。

もちろん、作るトイレの種類は、地元の人々が元々慣れていた形態や、地元のトイレ習慣などを考慮して決定されます。

また、近くの水源や井戸の水が汚染されないように、「水源や井戸から30m離して建設するように。」というようなガイドラインもあります。

もっと詳しく知りたい!という方には、 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の「緊急対応ハンドブック」をオススメします。 第17章にどのような基準でトイレの設計が行われ、どのような基準を満たさなければならないかのガイドラインが載っています。ここから、PDFをご覧になれます。→ UNHCR「緊急対応ハンドブック」