墾田永年私財法?? | NGOピースウィンズ・ジャパン スーダン駐在スタッフのブログ ナイルでまいる!南スーダン“こにょこにょ”レポート

墾田永年私財法??

突然ですが、墾田永年私財法という昔の法律をを御存知でしょうか?奈良時代に発布された、自分で新しく開墾した土地はそれ以後ずっと自分のものとなるという法律です。日本史でこれを習った時には、面白い法律だなぁ、と感じた覚えがあります。
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PWJ遠隔地事務所


南スーダンのかなり僻地、アユッドというところにPWJの遠隔地事務所があります。去年までは町(村)の外れの原っぱにポツンと建っていた事務所ですが、最近その原っぱにぽつぽつとイバラで柵を作って家を建て始める人達が出てきました。その辺りのイバラを切ってきて、ただ並べているだけです。家はこちらの伝統的な草ぶき屋根に泥壁の「トゥクル」です。
$NGOピースウィンズ・ジャパン スーダン駐在スタッフのブログ ナイルでまいる!南スーダン“こにょこにょ”レポート-作りかけのトゥクル 
伝統的な家「トゥクル」

見ていると、どうも適当に柵を作っているだけのように見えるので、気になって尋ねてみると正にその通り。この辺りは「先に取ったもん勝ち」だそうです。この辺がいいかな、と決めてそこを囲ってしまえばそこが自分の土地になってしまうとは、日本史で習った「墾田永年私財法」のようでロマンがあります。子供の頃に自分たちの基地を作ったようなイメージで、なんと面白いではないですか。

南スーダンでは首都や他の大きな町以外では、土地の所有が明確になっておらず、なんとなく勝手に住み始めた集落が村になり、町になっているようです。といっても、こういう途上国ですから政府がいきなり「ここは政府の土地だ」と言いだして一晩のうちに強制退去されることもよくあります。我々が働くジョングレイ州の州都ボーは、そこそこ大きな町なのですが、そういう町でも、住宅(ほとんどトゥクルですが)が立ち並らぶ地域に、ある日突然六車線分くらいの直線の空白地(道)が現れて、そこにあった家々が消えてしまっていることが何度かありました。突然前触れ無しにブルドーザーが急に来て、全部壊していったそうです。

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ある日いきなりブルドーザーで壊された家々(ボータウン)

ですので、このアユッドの新しい家もいつか取り壊されてしまうのかもしれません。でも、壊されてもイバラの柵とほとんど自分の手造りのトゥクルですから、きっと逞しい南スーダンの人々は、すぐ他の場所に移ってまた新しい家を作ることでしょう。

ジャスト・ギビングでチャレンジ「南スーダン共和国をもっと多くの人に知って
ほしい!」を始めま
した。
http://justgiving.jp/c/8412

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