ピースウィンズの井戸掘削事業について | NGOピースウィンズ・ジャパン スーダン駐在スタッフのブログ ナイルでまいる!南スーダン“こにょこにょ”レポート

ピースウィンズの井戸掘削事業について

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ここで改めて、、南スーダン共和国ジョングレイ州における水・衛生分野の活動
についてお話したいと思います。

約20年間にわたる内戦は、2005年1月の包括和平合意により、ようやく終わりを
迎えました。しかしながら、未だ地域によっては部族間の闘争 や、スーダン・
近隣諸国からの帰還民を受け入れるなど、多くの不安定化要素が存在しておりま
した。こうした状態を持続可能な和平へと結びつけるた めには、外部からの支
援が必要です。長期間にわたる紛争の結果、経済状況は非常に厳しく、多くの地
域で水、食糧、教育といった基礎的なニーズが満 たされていません。
ピースウィンズ・ジャパンは、こうした状況を鑑み、2006年にもっとも基本的な
ニーズに対処するため、水、衛生分野の支援を実施しました。対象 地域となる
ジョングレイ州出身の難民の人口は約6万5千人ともいわれており、同州は南スー
ダンの中で最も大きな州ですが、交通アクセスが非常に悪 いため、援助機関数
が他の地域に比べて少なく、人道的介入が必要とされていました。2006年時点で
は、水・衛生分野の支援を大規模に実施してい る団体はボー郡に存在しておら
ず、国連難民高等弁務官等の国連機関も、ボー郡におけるニーズの高さと、その
ニーズに対する支援の不足を指摘してお りました。また、PWJは、これまでシエ
ラレオネのコノ地区にて、帰還民支援の一環として井戸建設及び衛生施設建設を
実施してきた経験があり、南 スーダンではそれを応用できたことから、ジョン
グレイ州での支援を開始しました。

前事業期間である2012年3月までにはジョングレイ州北部のアユッド郡にて井戸
の掘削事業・公共トイレの設置を行いました。アユッド郡は州都の ボー郡より
より、ランドクルーザーでオフロードを7時間程度で、距離が離れており、ま
た、反政府活動による治安の悪化により、南スーダンの中でも 特に基本的社会
インフラが整備されていない地域になります。当然、浄水場などないために、井
戸水がない村では池の水を飲むことになります。写真 は、村人の飲み水です。

アセスメントを行う際に、飲み水を見せてもらうようにしているのですが、水を
すくったコップの底が見れない程濁った水を飲んだりしております。こ のスラ
イドに写っている写真が、村人が飲んでいる水です。当然、衛生的にも悪く、週
に一二度は下痢症に悩まされているという話を聞きます。

村人は洋服をフィルターにして飲むというのですが、安全な水が必要なことは明
白です。もし、調査が行われれば、安全な水がないことによる乳幼児死 亡率は
かなり高いのではないかと思われます。

また、トイレがないことによる衛生面の悪化も大きな問題です。トイレがないの
で、木の下で用を足すことになるのですが、雨期の間アユッドは一面が 洪水の
ようになり水が溢れます。すると、汚物などもその雨水みまざり、溢れている水
の中で細菌が繁殖してしまうようです。雨期に二、三週間アユッ ドに滞在して
いた同僚が、蚊に刺された傷口から菌がはいってしまい、足が腫れ上がってしま
うなんてこともありました。この様な状況を改善するべ く、アセスメントを行
い、契約を結んだ掘削会社と調整をし、井戸・トイレの維持に関するワーク
ショップを開催した後に、井戸・トイレを届けまし た。

ジャスト・ギビングでチャレンジ「南スーダン共和国をもっと多くの人に知って
ほしい!」を始めました。
http://justgiving.jp/c/8412

皆様から応援の頂けると嬉しいです!!

報告者;景山