ー・-・-・-・-ー・-・-・-・- (2025年10月2日「BBC」より抜粋)

イスラエル海軍、ガザ向け支援船団を拿捕 トゥーンベリ氏ら活動家を拘束

 イスラエル海軍は1日、パレスチナ・ガザ地区へ人道支援物資を運ぼうとしていた船団を拿捕(だほ)し、乗船していた活動家らを拘束した。拘束された中には、スウェーデンの気候活動家グレタ・トゥーンベリ氏も含まれている。

 イスラエル外務省は、グローバル・スムード船団(GSF)に属する複数の船を「安全に停止させた」と発表。乗船者らをイスラエルの港へ移送しているとした。
 海軍は、船団が「戦闘中の海域に接近している」と通告し、針路変更を求めていた。

 GSFは2日早朝、まだ30隻が「ガザに向けて力強く航行中」で、目的地まで残り46カイリだと発表した。
 GSFは、イスラエル軍による拿捕は「違法」で、「防衛行為ではなく、あからさまに必死な行動」だと非難。船団の一部が「意図的に海上で衝突された」と主張し、他の船も放水砲による攻撃を受けたと述べた。

 「ガザが確実に飢え続け孤立し続ける状態を確保するため、占領者がどれほど極端な手段を取るのか、露呈させる行為だ」とGSFはソーシャルメディアに投稿。
 「人道支援の成功は自分たちの包囲の失敗を意味するため、彼らは平和的な民間ミッションを攻撃するのだ」と主張した。

 イスラエル外務省は、船団が「ガザ沖の合法的な海上封鎖に違反している」と通告していたと主張しているが、船が封鎖区域に入っていたかは不明。 (中略)

 

 GSFによると、主力船のアルマ号のほか、スリウス号、アダラ号など複数の船が拿捕・乗船された。
 GSFはこれに先立ち、イスラエル軍が「救難信号の発信や、違法な乗船のライブ映像を遮断するため、船舶の通信をわざと妨害した」とも主張している。
 GSFは、拿捕時には船団はガザ沖から70カイリの地点にいたと説明。
2日朝にはガザに到着すると期待していたという。

 ギリシャ、イタリア、ドイツ、チュニジア、トルコでは、イスラエルによる拿捕に抗議する集会が開かれた。
 イタリアの労働組合は、「船団と憲法的価値とガザを守るため」として、3日のゼネスト実施を呼びかけた。
 トルコ外務省は拿捕を「テロ行為」と非難し、「この攻撃の責任者」を追及すべきだと主張した。
 コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領は、国内に残るイスラエルの外交官全員を国外追放し、拿捕を「ネタニヤフによる国際犯罪」と非難した。(中略)

 国連が支援する世界的な食料安全保障の専門家グループは7月、ガザで飢饉が発生していると確認。
 国連のトム・フレッチャー事務次長(人道問題担当)はこの飢饉は、ガザ地区に援助物資が入らないようにするイスラエルによる「阻止的な妨害」が直接の原因だと言明した。 (後略)