京都府内9市町しか北陸新幹線環境影響評価(アセスメント)の対象とせず延伸しようとしているのは市議会議員?
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高3が市議会に「異例」の請願 北陸新幹線延伸に反対 京都・向日 | 毎日新聞
延伸は人のためになるのか――。
北陸新幹線の延伸反対を訴え、京都市の男子高校生が11日、京都府向日市議会に請願書を提出した。市議会の建設環境常任委員会は3対2の反対多数で非採択としたが、男子生徒は「徐々にこの問題に関心をもつ人を増やしていきたい」としている。
請願したのは、京都市内の高校3年生の男子生徒(17)。市議会事務局によると、高校生による請願は珍しいという。
男子生徒は請願で、成熟社会に合わないこと▽環境などへの影響▽安全性への懸念――の三つを延伸反対の主な理由に挙げた。そのうえで、向日市議会で延伸に反対する決議を行うこと、国に対して延伸を白紙撤回するよう求める要望書を提出することを求めた。
幼い頃から乗り物好きで、趣味でバスに乗るなどしていたが、田舎の路線は廃止されてしまうこともあった。困っている利用者の存在を知り「交通はひとのためにあることが段々と分かってきた」という。
そうした中、昨年秋に北陸新幹線の延伸問題に関するイベントを偶然訪れたことで、関心を持ち始めた。乗り物は好きだが、この膨大な建設費は他のところに回すべきではないか、などの考えが浮かんだ。そして、調べるうちに「この新幹線は人のためなのか」。そんな疑問がわき、請願に至った。
計画を巡り、環境影響評価(アセスメント)の対象となっているのは府内9市町で、向日市も含まれている。ただ、男子生徒が向日市議会に請願したのは、「委員会で自ら発言できる場があったから」という。当日は放課後に、駆けつけた委員会の場で、請願書を読み上げ、市議からの質疑にも答えた。自分の言葉で説明したい、という強い思いがあった。
向日市議会では非採択となったが、京都市会にも請願する予定だ。男子生徒は「今の高校生にとって延伸計画は人ごと。少しずつ身近な人に伝えられたら」と考えている。【日高沙妃】