転載記事

[hinokimi-staff:5323] 明けない夜はない(326)<若者を再び戦場に送るな!(76 )軍国少女への道>

<転送歓迎>(重複ご容赦)
・「新芽ML」・「ひのきみ全国ネット」

・「戦争をさせない杉並1000人委員会」・「杉並コモンズ」
の渡部です。
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「7・20『日の丸・君が代』問題等全国学習・交流集会」の翌日、

東京・大田区で、「元軍国少女北村小夜さんに会いにいく」という集会が開かれました。

主催したのは、なんと大阪の<ガッツせんべい応援団>でした。

 

<ガッツせんべい>とは、前日の「全国学習・交流集会」で発言した

大阪市立小学校の元校長・久保敬さんのあだ名である。

久保さんは、 2021年5月に大阪の松井元市長と教育長に、

<大阪市教育行政への提言 豊かな学校文化を取り戻し、

学び合う学校にするた めに>という文書を出したために、

「文書訓告」を受け、その取り消しを求め現在闘っています。

 

また、この集会には、前日の「全国学習・交流集会」で講師を

やってくれた大阪公立大学の辻野けんまさんも参加され、

北村さんを囲んで3人で話す形の集会となりました(添付写真参照)。

参加者は60名前後。

 

この集会で、今年11月に100歳となられる北村さんは、

<軍国少女への道>(その1)(その2・心)(その3・体)と、

<治安維持法公布の年に生まれ 旗(日の丸)と歌(君が代)に

 唆されて「軍国少女に」に育った・北村小夜>という資料に

もとづいて、はっきりした声で話されました。

 

ここでは、その中からまず<軍国少女への道>(その1)を全文紹介します。

これを読むと、まさに現在同じことが起きつつあることがよくわかるからです。

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 戦争には「嘘と監視」がつきものです。

真実を教えてくれる人がいなければ子どもは従っていきます。

上の絵(添付資料参照)をご覧ください。

正義の旗を掲げる日本にロシアが立ち向かおうとしています。

中国は青龍刀を振りかざし、アメリカはピストルを構えて向かってきそうです。

これを見た幼い私は、なぜだかわかりませんが、

正義の日本が狙われていると理解しました。

 小学校就学以前でしたが1932年、第一次上海事件で爆弾三勇士が戦死しました。

三勇士が、私が住んでいた久留米市にある工兵隊から出征したというので、

その功を讃える旗行列が行われました。

事前に回覧板で承知していましたが我が家では参加するつもりはありませんでした。

ところが当日になると町内の世話役のおじさんが束にした日の丸の小旗を抱えて回ってきました。

勝手口でおじさんの誘いに母が適当なことを言って断ると

おじさんはそばの私を見て「お嬢ちゃんだけでもいいですよ」と言って

旗を一本持たせてくれました。

旗を持った私は成り行きでおじさんについて旗行列に参加してしまいました。

旗は人の心を唆します。まして行列です。

おじさんは時々私を高く抱えて旗の波を上から見せてくれます。

上から見る旗の波は美しく私の心がそそられます。

すっかり日の丸に魅せられてしまいました。

軍国少女の始まりです。

 年始に、ふと宮中参賀のニュースを見て、この大きな旗の波、

上からはどうみえるのだろうと考えます。

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最初にある、<戦争には「嘘と監視」がつきものです。

真実を教えてくれる人がいなければ子どもは従っていきます。>という言葉は、

まさに現在によく当てはまるのではないでしょうか。

参政党などは<スパイ防止法>を主張しています。

 

(その2・心)には次のようなことが述べられていました。

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 戦争をするためには国民の逆らわない心と丈夫な体が必要です。

・・・戦局に応じた情報や行事がなだれ込んできました。

どこの学校にも奉安殿が出来、御真影・教育勅語への

敬意の表明を厳しくしつけられました。

修身の時間は天皇の赤子として生まれたことのありがたさを教えられました。

・・綴り方の時間には満州の兵隊さんへ慰問文を書き、

図工では戦車や飛行機を描いたり模型を作ったりしました。

・・・そして「天皇陛下の為に命を投げ出すこと」こそ

最高の善だと思うようになりました。・・・

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これも、教育基本法改悪で<愛国心>を導入(2006年)、

<特別の教科・道徳」>の開始(2018年~)などに現れ、

最近では「<教育勅語>が露骨に持ちだされるまでになりました

(広島市長、参政党など)。

 

(その3・体)には次のようなことが述べられていました。

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 戦争準備は国民の体力づくりからです。

1928年昭和天皇の大典の記念事業としてラジオ体操が始まり、

1930年には「日本一健康優良児」表彰制度がスタートします。

・・・

1938年には厚生省が出来ます。同年にできた国家総動員法はいざと言う時

国家は物的人的資源を自由に調達できるというものですが、

厚生省はその人的資源を担当しました。

1939年には「産めよ増やせよ国のため」という標語が出来ました。

そして1940年の「国民体力法」です。

1条に「政府は国民の体力の向上を図るため、国民の体力を管理する」とある・・

(現在の)健康増進法は十分その機能を持っています。

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現在でも、学校現場では生徒の体力などもデータとして収集されつつあり、

また、毎日子どもたちに「心の天気」(晴れ・雨・曇りなど?)を

入力させるようなことも起きつつあります。まさに体と心の管理です。

 

その後、北村さんは戦後の「障害児を普通学校へ」の闘いなどに

ついて話されましたが、

これは子どもたちを能力で選別するものであると述べられました。

この傾向も現在ではさらに強まっています。

 

北村さんの話を聞き、改めて、

私たちはまさに戦前と同じ道を歩みつつある、

気づいたものが声を上げ、その危険性を人々に伝え、

連帯して闘わなければならない、と強く思いました。

 

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