データセンター市民反発 
  AI普及 各地で建設計画具体化 地元への情報開示不可欠
  原発稼働の理由付けにも

 生成人工知能(AI)の急速な普及などを背景に、大規模な情報処
を行う「データセンター(DC)」の建設計画が各地で具体化している。
DCは、情報の蓄積や解析を24時間体制で繰り返す性質上、大量の電力
消費や二酸化炭素(CO2)排出などを伴う。政府は原発稼働の理由付け
に使おうとしているが、建設を巡り、地元住民らに十分な説明がなされ
ているだろうか。(中根政人)

 「巨大なDCを住宅地の隣に造るのは異常事態だ。私たちの不安や
問に答えないまま、建設を強行しようとしている。住民との合意がない
計画に反対する」
 3月24日、不動産大手の「三井不動産」がDCの整備を計画する東京
都日野市で、市民団体「巨大データセンターから住民の暮らしと環境を
守る市民の会」のメンバーら約60人が抗議集会を開催し、建設予定地の
日野自動車工場跡地周辺をデモ行進した。
 計画中のDCは、約11万4000平方メートルの敷地にDC3棟などを建
てる内容。建物の高さは最高で72メートル。2026年11月に着工予定で、
2031年2月の完成を目指す。市民の会が訴える通り、一戸建ての住宅が
並ぶ区画と目と鼻の先だ。

 三井不動産は昨年5月と10月に住民説明会を実施。この間の7月
整備計画を発表したが、市民の会によると、DCの稼働による電力
費量やCO2排出量、サーバーの冷却で生じる空調機器からの排熱量など
周辺地域への影響については「情報の秘匿性」を理由に一切説明し
いないという
。 (後略)
     (4月5日「東京新聞」16面「こちら特捜部」より抜粋)
  Webの題   「データセンター」がゴミ処理場と同類の「迷惑施設」
と化している 「建設強行」に住民が反発…その理由とは
        https://www.tokyo-np.co.jp/article/396439?rct=tokuhou

※参考
AIの需要には原発増やし対応…コストは国民に払わせる? 
 はびこる「電源を原子力しか考えない『原発脳』」

    (2024年11月22日 配信「こちら特報部」)

 原発の新増設の費用を電気料金に上乗せして回収する―。そんな政
の構想が浮上していることを巡り、環境団体などは21日、導入に反対
する署名を経済産業省に提出した。政府や電力業界は今後、人工知
(AI)の普及で電力需要が激増するとの見通しを、原発新増設のため
の「大義」としている。しかし、その前提には異論も出ている。
◇学者らが問題視しているのは…
 「原発新増設のコストを国民から徴収するような新制度はやめても
いたい」。21日午後、衆院第1議員会館で、学者や市民団体のメンバー
ら有志が経産省の担当者と向かい合い、オンラインで集めた約2万5000筆
の署名を手渡した。

 有志が問題視しているのは、経産省が原子力事業者への支援策とし
検討しているとされる、英国の「規制資産ベース(RAB)モデル」とい
う制度だ。国が認可した原発の新設にあたり、建設開始時から電力小売
会社が建設費や維持費を電気料金に上乗せし、消費者から回収する
組み。発電コストと利潤から電気料金を決める「総括原価方式」に近い。
 政府がRABモデルに関心を寄せる背景にあるのが、電力会社側が抱える
原発の建設・維持にかかる巨額のコストだ。東京電力福島第1原発事故
後、既存原発の再稼働には事故対策費などの負担が増大した。工期
長期化も含め、計画通りに進みにくくなっている事情がある。(中略)

◇原子力政策を進めるための意図みえみえ
 この日参加した有志の一人で、原子力資料情報室の松久保肇事務局
は、RABモデルの事例報告がされた経産相の諮問機関「総合資源エネル
ギー調査会」の原子力小委員会で委員を務める。松久保氏が「原発
支援がないと建たないという方向性になっている」とただすと、経産省
側は「建設にはいろいろな課題がある。民間事業者の投資判断だけでは
難しい現実があり、対応できる対策があるかどうかを議論している」と
しつつ、「脱炭素電源へ投資がしやすい環境整備が必要だ」と強調した。

 経産省が原子力小委でRABモデルを持ち出した狙いは何か。「こちら
特報部」は改めて松久保氏に聞くと、これまでの委員会で、電力事業者
団体が出席して巨額のコストを訴えたことを振り返り、「経産省側があ
えて事業者に陳情させ、原子力政策を進めるために新増設に向けた支援
を正当化する意図があったのは明白」と断じた。   (後略)
               https://www.tokyo-np.co.jp/article/36858

 

 

「たんぽぽ舎です。【TMM:No5177】
2025年4月5日(土)地震と原発事故情報-
              4つの情報をお知らせします」より