トランプ再選で「3つの悪」が暴走
問われる日本の民主主義
【金子勝の天下の逆襲】
金子 勝(淑徳大学客員教授)
トランプが次期米国大統領になった。これから3つの悪が暴走する
1つは米国内外の分断、2つ目はSNSを通じたフェイクファシズ
1つ目の「分断」を巡ってトランプは、移民や人種、ジェンダーで
さらに、関税を拡大することによって国外の分断の壁を高くして
恐らくイスラエルを支援して、ガザやレバノンでの虐殺行為を陰
米国はホロコーストを救い出すことで戦後民主主義の象徴となり得
米国は第2次大戦の戦勝者としての遺産を完全に食い潰すことになるだろう。
もう1つは、米国の巨大IT企業の保守化だ。
生成AIとSNSの短文のコミュニケーションが大量のフェイク情
3つ目は、仮想金融資本主義の暴走だ。
巨大化するIT企業の要求は暗号資産の規制緩和。暗号資産やブロ
しかも、金融市場では、先物取引をコンピューターで高頻度、大量
為替や株を投げ売りしたり、逆にバブルで急激に引き上げたりする
トランプによって、この3つの悪が暴走する中で、われわれ日本人
野党はいま、17の常任委員会の委員長のポストのうち8つを確保
予算委員会をはじめ野党側に配分されたので、強行採決や閣議決定
だとすれば、野党は政権交代に向けて政策形成能力を磨きながら、
トランプの圧力の中、それができれば、国際社会で日本の地位を再浮上させるきっかけになるはずだ。
(2024年11月12日発行「日刊ゲンダイ」5面より)