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長野県内の1人暮らしの世帯 2050年には全体の37%余
1人暮らしをする人の割合が全国的に増加するなか、長野県内の1人暮らしの世帯は2050年には全体の37%余りに上り、なかでも65歳以上の世帯が20%余りを占めるという推計を国の研究所がまとめました。
「国立社会保障・人口問題研究所」は5年に1度、国勢調査をもとに将来の世帯数などを推計していて、このほど2050年までの30年間の推計をまとめました。
それによりますと、今後、すべての都道府県で1世帯あたりの平均人数が減少し、長野県内では2020年の2.41人から2050年には2.04人まで減少します。
背景には1人暮らしをする人の割合が増えていることがあり、長野県の全世帯に占める1人暮らしの世帯の割合は、2020年の31%から2050年には37.3%まで上昇する見通しです。
なかでも、65歳以上の1人暮らしの世帯の割合が大きく増加し、2020年の12.6%から2050年には20.4%まで増える見通しです。
1人暮らしの世帯が増加する背景には未婚率の上昇や出生率の低下などがあるとみられ、同居家族のいない高齢者などの生活や安全を、どう支えていくかが大きな課題となります。
こうした課題も踏まえ、長野県は、少子化や人口減少対策に県全体で取り組むための戦略案をまとめることにしています。
1人暮らしの高齢者の問題に詳しい日本福祉大学教授で、みずほリサーチ&テクノロジーズの藤森克彦主席研究員は、「日本はこれまで、家族依存型福祉国家とも呼ばれるように、家族の役割が非常に大きな社会だと言われてきた。1人暮らしが増え、これまで家族が行ってきた支え合いを社会全体で担う、いわば『家族機能の社会化』が必要になってきている。介護保険など公的な支援制度の強化を進めるとともに、近所の人など地域の支え合いも強化していくことが重要だ」と指摘しています。
その上で、「社会が成熟すれば、1人暮らしや結婚しないことを選択する人が増えることもありうる。単身の高齢者が増えることを悲観するのではなく、家族以外の人にも助けてと言えるような支え合いの関係を地域で築き、豊かな社会へ変わるべきだ」と話していました。