人民が12年の安倍政治に鉄槌加えた衆院選 「自民・公明」が敗れた!


  原発政策も含め、

国の在り方を徹底議論すべき時だ
 

 石破政権を打倒し、

反核反戦の人民統治政治を
  軍事費削減・消費税廃止・脱原発の

統一戦線を
 

  「メディア改革」連載第163回
 

 

 浅野健一(アカデミックジャーナリスト)

◎ 27日開票の衆議院選挙(465議席)の小選挙区と比例代表をあわせた465議席の配分が10月28日午前6時ごろ確定した。
 政権党の「自民」・「公明」両党は、自民党が191議席、公明党が24議席の215議席で、過半数の233議席を下回った。政権党の過半数割れは、民主党政権が誕生した15年前の2009年以来だ。

 自民党の裏金疑獄に関わった46人の候補者は、18人が当選し、28人が落選した。
 「立民」は選挙前の98議席から50議席伸ばし148議席。「維新」は、6議席減の38。「国民」は、選挙前の4倍の議席の28。「れいわ」は選挙前の3倍の9議席。「共産」は、2議席減で8。「参政」は、2議席増の3。「保守」は、初めて議席を確保し3となった。
 9月の党大会で就任したばかりの石井代表が落選した。
 四半世紀も金権腐敗、対米隷従の自民党と組んだことへの仏罰だろう。
 人権・平和を唱える支持団体の創価学会はしばらく政治活動を控えるべきだ。

◎ 27日午後8時開始のNHK選挙速報での当確の“ゼロうち”トップは菅義偉元首相、野田佳彦立憲民主党代表だった。
 丸川珠代前参議院議員(元五輪相)は早々と落選確実になった。愚か者が国会から消える。甘利明、下村博文、高木毅、武田良太各氏らも落選した。
 「立民」が大幅に議席を増やした。政権反対党が乱立した多くの選挙区で「立民」候補者が、早々と当確になった。
 
気になるのは、玉木雄一郎氏が代表の「国民」の“大躍進”だ。連合(電力労連ら御用組合)がバックアップした。原発政策では自民党以上に推進派だ。過半数割れの自民は“第二自民党”の「国民」、「維新」に協力を求めると思われる。

◎ 海外に住む元学生は「いまだに自公に投票する人がいる事が不思議で仕方がない」という感想を伝えてきた。「自民」が今回も比較第一党の地位を保持したことが異常なことだ。

◎ 半世紀にわたり統一協会=国際勝共連合と癒着し、20数年も裏金疑獄の自民党は、政党として存続できない。
自民党の石破総裁は解散届けを総務相に提出すべきだ。
 岸田総裁で解散・総選挙しておけば、自民党がこれ程、負けることはなかったと思う。石破氏への交代、最短での解散が完全に裏目に出た。
 「自・公」が過半数割れの場合、首班指名で石破氏と野田氏が争う形になるか、政権反対党がそれぞれの党首の名前を書くのかが焦点になるはずだが、テレビ各局もコメンテーターもそれには触れない。
 石破氏は28日午後、党本部で平河クラブ(自民党記者クラブ)相手に約30分会見し、選挙結果を受けて、自身の責任問題について、「国政は一時たりとも停滞が許されない」「現下の厳しい課題に取り組み、国民生活を守る、日本国を守ることで職責を果たしていく」と述べ、辞任を否定した。

◎ 政治とカネの問題で、「身内の論理」が有権者に通用しなかったと指摘し、原点に返り、厳しい党内改革を進め、政治とカネについての国民の声にこたえるため「政策活動費の廃止など抜本的な改革を行う」と述べた。また憲法改革を進め、日本創生の先頭に立つと言い放った

◎ 
有権者は憲法改悪を求めていない。憲法を守らない犯罪集団の自民党に憲法を変える資格はない。
 石破氏は、会見前に公明党との党首会談を行い、連立政権の維持を確認したと明らかにし、他党との連立を否定した。
 
過半数を18議席下回っている中、「自・公」だけで政権をとれるのか。御用記者からそんな問いはなかった。
 石破総裁は選挙の最後の演説で「日本の独立を守れるのは自公政権
野党はばらばらだ」と訴えた。公明党の石井代表は「立憲民主党はどういう政党と政権をつくるかを言っていない。無責任だ」という批判を繰り返した。
 公明党が「自・公」を初めて組む前の衆院選で、公明党は自民党と連立を組むとは一言も言っていない。数字合わせの野合だった。

◎ 民主主義国では、国政選挙の後に、第一党、第二党が軸になって、政策協議を重ねて他党と話し合って政権をつくるのが普通だ。日本でも過去にあったことだ。
 「自・公」ほど、政策、綱領が水と油の関係の党はない。自民党の議員のほとんどは神社本庁・靖国派、日本会議系だ。公明党支持の創価学会は天皇制・国家神道を認めていない。日本国憲法に対する姿勢もまったく違う。
 
「自・公」が四半世紀も連立を組んでいることが異様なのではないか。

◎ 総選挙は、人民が今後の日本の針路を決める選挙だった。
 カルト宗教と癒着し、裏金を続けた自民党政治への審判、国会に諮らず、米国の対中戦争に備えて、閣議決定で大軍拡に突き進む自公政治を引きずり下ろす大事な選挙だった。
 そこで、「自・公」が敗れた。

 

 原発政策も含め、国の在り方を徹底議論すべき時だ。