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水戸市中心部 下水道管破損し歩道など一部陥没 老朽が原因か
9日、水戸市の中心部で下水道管が破損し、歩道や車道の一部が陥没しました。
破損した下水道管は少なくとも50年以上前に設置されたとみられ、水戸市上下水道局は復旧作業を急いでいます。
9日午前8時ごろ、水戸市大工町で歩道と車道が陥没しているのを、通勤中の水戸市の職員が見つけました。
水戸市上下水道局によりますと、道路は幅2メートル、長さ5メートルにわたり、およそ5メートルの深さで陥没したということです。
現場はマンションやホテルが建ち並ぶ水戸市の中心部で、けがをした人はいないということです。
現場周辺は9日から通行止めが続いていて、10日もおよそ20人の作業員らが復旧工事にあたっていました。
市上下水道局によりますと、道路の陥没は現場周辺の地下に埋められている下水道管が破損して地中に空洞ができたため起きたということです。
この周辺では昭和28年以降に下水道管の設置が進んでいき、破損した下水道管は設置から少なくとも50年以上が経過しているとみられるということです。
市上下水道局は老朽化が原因だとみていて、現場の復旧には1週間程度かかる見通しだとしています。
水戸市上下水道局によりますと、市内の下水道管は1300キロ余りあり、このうち50年の耐用年数を超えているのは75.8キロ、率にして5.8%になるということです。
市では新しい下水道管に替える工事を進めているものの、そのペースは年に1キロ程度にとどまっていて、むしろ耐用年数を超える下水道管の割合が年々増加してしまう状況だといいます。
市によりますと、耐用年数を超えても直ちに破損につながるわけではありませんが、今回のように老朽化などが原因の破損は年に10件程度起きているということです。
水戸市上下水道局下水道総務課の大谷俊課長は「下水道事業をめぐる財政状況は厳しく、さらに最近は物価高騰の影響で維持管理に必要な費用も上がっている。財源を確保しないと改修工事は進められず、喫緊の課題だ」とし、下水道使用料の検討や国からの支援などが必要だとしました。
その上で「老朽化が進んでいる下水道管の調査を進め、劣化の激しいものから工事を行うなど優先順位をつけて対応をしていきたい」と話し、限られた予算や人員の中で効率的な対策を講じていく考えを示しました。