30日には百条委で知事の証人尋問がインターネット中継を含めて全面公開されることが決まった!
「A氏のパソコンを押収したり、A氏と関係があった職員に“スマホを見せろ”と迫った人事当局の『通信の秘密を軽視した態度』も問われるべき問題です。
生前、A氏のために行われた送別会に参加した職員によれば、会場に来た人事当局から私用スマホの開示を任意で求められ、うち何人かは応じざるを得なかったそうです。
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「最高幹部、文具投げられた」職員が証言 パワハラ疑惑の兵庫知事
兵庫県職員アンケートの中間報告が公表されたことを受け、報道陣の取材に応じる斎藤元彦知事=神戸市中央区の兵庫県庁で2024年8月23日、山田麻未撮影
兵庫県の斎藤元彦知事がパワーハラスメントなどの疑惑を文書で告発された問題で、県議会の調査特別委員会(百条委)は23日、パワハラ疑惑を中心に職員6人の証人尋問を非公開で実施した。一連の問題で職員への尋問は初めて。
百条委の奥谷謙一委員長らは尋問後に県庁で記者会見し、知事が最高幹部に文具を投げつける場面を目撃したとする職員の証言があったことを明らかにした。奥谷氏は「知事から厳しくしっせきを受けたという方が結構いた。これから事実を評価し、パワハラにあたるのか判断したい」と語った。 一連の問題を巡っては、県西播磨県民局長だった男性が3月、知事のパワハラを含む複数の疑惑をまとめた告発文を一部の県議会議員や報道機関に配った。 元局長は県の公益通報窓口にも通報したが、県は通報者への不利益な扱いを禁じた公益通報保護法の対象外と判断。内部調査を進めた結果、「知事らを誹謗(ひぼう)中傷した」と認定し、元局長を停職3カ月の懲戒処分にした。元局長は7月、県内親族宅で亡くなっているのが見つかった。自殺とみられる。 知事は一貫して告発内容を否定しているが、百条委が実施した県職員アンケートの中間報告では約4割が「知事のパワハラを見聞きした」と回答。自由記述欄では、「知事が打ち合わせの際に『聞いていない』と発言し、ペンを机の上に投げつけてその場が凍りついた」などとする具体例も挙げられているという。 また、知事が視察先などでカニやカキなど多数の贈答品を受け取っていたとする新たな疑惑の証言が寄せられ、「知事はお土産がない遠足には行かない」との指摘もあった。 知事は23日午後に県庁で取材に応じ、パワハラ疑惑を巡るアンケート結果について「県政をより良くするために必要な指示や指導をしてきたが、これだけ多くの職員が回答している事実に接し、大変残念な思いだ」と説明。「職員の受け取りとの間にずれが生じていたことによって不快な思いやご負担をかけたことは重く受け止めなければならない」と語った。
30日には百条委で知事の証人尋問がインターネット中継を含めて全面公開されることが決まった。【大野航太郎】
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毎日新聞2024/8/23 05:01
「お土産がない遠足には行かない」 兵庫県知事巡る疑惑で新証言
兵庫県の斎藤元彦知事がパワーハラスメントなどの疑惑を文書で告発された問題を巡り、県議会の調査特別委員会(百条委)が県職員を対象に実施したアンケートには、疑惑の一つとされるプロ野球・阪神、オリックスのリーグ優勝記念パレード(2023年11月)に向けた資金集めに関する証言も多数寄せられた。「担当者から逮捕者が出る」。目標とする資金が集まった裏側で、担当者の一人はこう漏らしていたという。
元県西播磨県民局長の男性(7月に死亡)が作成した告発文には「(県内の)信用金庫への補助金を増額し、それを募金としてキックバックさせることで補った」と記されており、7月末に副知事を辞職した片山安孝氏が主導したとも指摘されている。
アンケートでは、直接事情を知るとされる職…
FRAIDAY
【電子機器を投げつけ】職員アンケートで暴かれた兵庫県・斎藤知事の「横暴言動」と「新たな大問題」
兵庫県の斎藤元彦知事(46)が、いよいよ窮地へと追い込まれている。 本日(8月23日)から開催される百条委員会では、自ら死を選んだ元幹部職員A氏(享年60)の告発文をもとに職員やOBなど10名に対し、パワハラの事実確認などの証人喚問が実施される。その作業に伴って、県職員など9700人を対象とし、そのうち約6700人から得られたアンケート回答の中身が明らかになりつつある。
百条委員会の委員の1人が明かす。 「約95%が知事に対して否定的です。8月5日までに回収できた4568件の回答のうち、職員が記名で書いたものが333件ある。そのうち、『本委員会での証言や聞き取りの調査等へ協力する』、つまり委員会への出廷も可能だと答えた職員の数は231件。無記名での回答も可能なのに、これだけの数の職員が協力すると答えてくれた。証言の中身も非常に具体的なものとなっています」 知事のパワハラ疑惑に関しては「知っている、人づてに見聞きした」という回答の合計が38.3%(1750人)に上ったことも明らかになっている。前出の委員によれば、「実際にパワハラを見聞きした、経験した」という職員の数も59人を数えているという。民間企業から知事への贈答品の受領疑惑については20.7%(946人)が「見聞きした」と回答。職員の約4割が知事のパワハラを認識しているという、異常な事態となっている。 斎藤知事のパワハラに関して、どんな回答が寄せられているのか。FRIDAYデジタルの取材で浮かび上がってきた具体的な中身は以下のようなものだった。
・30分間もエレベーターのボタンを押し続けさせられた
・理由の説明なく、個室の控室を用意させられる
・控室では姿見の用意が必須
・イベントでマスコミがいないと怒られる
・車中で座席を蹴られた
・電子機器を投げつけられた
・机を叩いて怒られた
4月下旬に丸尾牧県議が実施したアンケートに寄せられたパワハラ、A氏が告発文に記したパワハラ以外にも、多数のパワハラ疑惑があることが今回のアンケートで判明した。
前出の委員が補足する。
「特に『個室を取らないと怒られる』、『机を叩かれた』、『エレベーターで待たされると怒る』という回答が非常に多くみられた。
いずれも理由が不明で、知事自身の感情に左右される理不尽な行為という印象を職員が受けている。
管理職が知事のそうした気質を把握していて、部下の職員に指示を出していたという旨の記載が目立ちます」 当の斎藤知事は8月20日の記者会見で、「そういった認識はない」とパワハラ疑惑を完全否定。
「(百条委の)調査に対応し、県政を前に進めていく」と、一連の問題が発覚した当初から何度も繰り返している言葉を口にした。
当然、知事には冷ややかな目線が向けられている。
今回の調査に先立って職員へ独自にアンケートを実施した丸尾牧県議が述べる。
「アンケート結果を見て、“パワハラは日常的に行われていたのではないか”という印象を受けました。証人喚問に呼ばれる可能性もあるなか、少なくない数の職員が記名で委員会への協力を申し出ているという事実が職員の危機感、知事への不信感、命を絶ったA氏への想い、県政の健全化を願う職員の強い意思を表していると感じました」
今回のアンケート結果の一部は、30日に予定される知事の証人喚問でも争点となってくるだろう。
9月には、告発書にも書かれていた贈答品や優勝パレード、公益通報の嫌疑についても調査が進む。
「知事には他にも追及されるべき重大な問題がある」と明かすのは前出の委員だ。
「A氏のパソコンを押収したり、A氏と関係があった職員に“スマホを見せろ”と迫った人事当局の『通信の秘密を軽視した態度』も問われるべき問題です。
生前、A氏のために行われた送別会に参加した職員によれば、会場に来た人事当局から私用スマホの開示を任意で求められ、うち何人かは応じざるを得なかったそうです。
プライバシー保護を無視した、強引かつ高圧的な言動があったわけです。
職員たちは“協力を拒めば人事上での不利益を被る可能性もある”と感じたでしょう。
そんな職場でいったい誰が働きたいでしょうか」
次々とパワハラ疑惑が浮かび上がっている斎藤知事。
既に記者会見でパワハラに関する多数の質問が飛んでいるが、知事はそれらをのらりくらりとかわしてきた。
だが、8月30日から実施される証人喚問では曖昧な回答に終始することは許されない。 具体性に富んだ職員たちのアンケートが持つ意味は、それだけ重い。
FRIDAYデジタル