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 東京都

石神井公園周辺の再開発 計画見直しの訴えを退ける 東京地裁

 

東京 練馬区の石神井公園駅周辺で進められている再開発事業には景観上の問題があるなどとして、一部の地権者などが東京都に対して計画の見直しを求めた裁判で、東京地方裁判所は「区の景観基準に違反していない」などとして訴えを退けました。

練馬区の西武池袋線 石神井公園駅周辺では、高さ100メートルのビルなどを建設する再開発事業が進められています

一部の地権者や周辺住民は「
区の景観基準に違反し、違法な手続きだ」などとして、事業を進める組合の設立を認めた東京都に対し見直しを求める訴えを起こし、東京都側は「適正な手続きだった」などと争っていました。

29日の判決で
東京地方裁判所の品田幸男裁判長は、石神井公園駅の周辺に高さ100メートル程度のマンションが2棟建っていることから「再開発事業で建設されるビルが突出した高さだとは言えず、区の景観基準に違反していない」と指摘しました。

また、区が住民への説明会を開き、区議会の議決なども経て事業を進めていることなどから、「手続きは適法だった」として訴えを退けました。

この裁判をめぐってはことし3月、組合が裁判中に進めていた土地の明け渡しについて、原告となっている地権者の申し立てに基づき、東京地裁が一時的に停止する決定をしました。

決定は高裁で取り消されましたが、
組合と地権者は対象の土地を10月まで明け渡しをしないことで合意しています

原告の地権者「とてもがっかり 失うものも大きい」

判決について、原告となっている地権者の岩田紀子さんは「裁判所はこれまで私たちの訴えを受け止め、土地の明け渡しを一時停止する決定を出してくれたと思っていたが、判決にはとてもがっかりした。90年間守ってきた土地も建物も奪われ、失うものも大きい」と話していました。

代理人の尾谷恒治弁護士は
「再開発を進める中で、建物の高さを50メートルまでとする制限が変更され、100メートルを超えるものも認められた。再開発を進めるためには高さの制限を変えていいと言っているのに等しい判決だ」と述べました。

再開発組合「地権者に配慮し事業進める」

東京都は「土地の明け渡しについては係争中のため、コメントは差し控える」としています。

事業を進める再開発組合は「引き続き地権者に配慮しながら事業を進める」とコメントしています。