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2度の大雨特別警報、避難所で過ごした住民「これからの雨、不安」
避難所となった酒田市立一條小学校。テント式の間仕切りや段ボールベッドが設置された=2024年7月27日午前8時35分、山形県酒田市、山田暢史撮影
山形県と秋田県で降った記録的な大雨では、多くの住民が避難所で一夜を過ごした。2度の大雨特別警報が出された山形県酒田市では27日朝、自宅に戻れない住民から不安の声が相次いだ。
【写真】避難所となった酒田市立一條小学校。テント式の間仕切りや段ボールベッドが設置された=2024年7月27日午前8時26分、山形県酒田市、山田暢史撮影
避難所のひとつ、酒田市立一條小学校の体育館。テント式の間仕切りや段ボールベッドが設置され、一人暮らしの高齢者や家族連れら30人以上が寝泊まりする。 70代女性が住む大沢地区では荒瀬川が氾濫(はんらん)。集落を走る国道344号が陥没したり、橋が崩落したりした。「道路が壊れて自宅に戻れない。ここにもいつまでいられるかは分からない。どうすればいいのか」とため息を漏らした。 同じ地区に住む後藤悦子さん(65)は市街地の病院に出かけた帰りに道路が通行止めになり、家に戻れなくなったという。最初の避難所は大雨の影響で断水し、一條小に移動してきたという。高台にあった自宅は雨の被害は免れたが、電気は止まったままという。「これからもしばらく雨が続く予報になっている。どうなるか不安だ」と話した。 また、秋田県では24日夜に大仙市の会社員男性(42)が「道路が冠水していて、迂回(うかい)して帰る」と家族に連絡したまま行方不明になっていることが新たに分かった。今回判明した男性を含め、一連の大雨では、山形・秋田の両県で2人が死亡、3人が行方不明となっている。(山田暢史)
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気象 NHKNEWS
国連事務総長 「地球は一層暑くなり あらゆる場所が危険に」
世界各地で猛暑が続き影響が広がっていることについて、国連のグテーレス事務総長は、「地球は一層暑くなり、あらゆる場所が危険になっている」と危機感を示し、国際社会に気温上昇を防ぐ対策を急ぐよう改めて訴えました。
国連のグテーレス事務総長は25日、ニューヨークの国連本部で会見し、世界の平均気温はことし6月まで13か月連続で観測史上最高を更新し続けていることや、暑さに関連して世界で年間、推計で50万人が死亡していることを明らかにしました。
その上で「分断された世界を結び付けるものが1つあるとすれば、われわれ全員がますます暑さを感じているということだ。地球は一層暑くなり、あらゆる場所が危険になっている」と強い危機感を示しました。
また、「極端な暑さは経済をますます疲弊させ、不平等を拡大し、SDGsを弱体化させ、人々の命を奪っている」と述べた上で、「原因は、化石燃料の使用による人為的な気候変動だ」と強調しました。
そして、グテーレス事務総長は「世界は気温上昇の課題に立ち向かわなければならない」と述べ、国際社会に気温上昇を防ぐ対策を急ぐよう改めて訴えました。

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気象庁も雨量予測は“非常に困難”氾濫・土砂崩れ…記録的大雨で被害拡大 山形・秋田
気象庁も雨量予測は“非常に困難”氾濫・土砂崩れ…記録的大雨で被害拡大 山形・秋田
降り続いた大雨で甚大な被害を受けた山形県。新庄市では警察官1人の死亡が確認されました。ANNのまとめでは、これまでに行方不明は2人、安否不明は1人となっています。
■救助要請受け…警察官が死亡 1人不明
荒瀬川が氾濫した酒田市。流木やがれきが田んぼや住宅に押し寄せ、至る所で道路が陥没しています。流域に豊かな恵みをもたらしてきた川は、一変して脅威となりました。 阿部彩人さん 「流木はだいぶありますが、歩きでは渡れる状況です。ここは全部田んぼですが、泥が埋まっています」 新庄市では、住民からの救助要請を受けて現場に向かっていた、20代の警察官2人がパトカーごと増水した川に流されました。“住民の救助に行けなくなった”という通信が最後の連絡だったといいます。現場の田んぼの水中などを捜索し、警察官の1人を発見。死亡が確認されました。
■線状降水帯 気象庁“予測は困難”
山形県舟形町では裏山が崩れ、住宅が土砂に巻き込まれました。駐車場などがあった建物の1階部分は完全に潰れ、2階部分も大きく傾いています。80歳の女性が一時、身動きできなくなりました。当時、消防団の活動のため、家を空けていた息子は…。 救出された女性の息子 佐藤寿英さん(56) 「うちがまるっきり崩れてるので青くなって。『お母さーん!』と呼んだら『はーい』と言ったので、本当に良かったです。本当に」 48時間に降った雨量は、秋田と山形の各地で観測史上1位に。線状降水帯が発生するなど、これまでに経験したことのない記録的な大雨になりました。
気象庁 「線状降水帯が発生するような集中の仕方がするというところまでは予想ができていなかった」
■最上川が氾濫 2階まで水が…
最上川の氾濫により一帯が冠水した戸沢村蔵岡集落。集落ごと水没し、朝からヘリなどによる住民の救助が続きました。 救助された住民 「こんな経験ないな」 ここまで被害が拡大した背景には地理的な要因もあります。最上川は日本三大急流の一つとして知られ、狭さく部と盆地を交互に繰り返す地形が特徴です。集落はちょうど川が蛇行し、川幅が狭くなる場所に位置しています。増水した川の流れがせき止められるような形になって、氾濫が発生しやすい地域とされています。 のどかな風景は一夜にして変わり果てました。救助された住民は…。 救助された住民 「(救助を求めて)バスタオルで合図をした。なかなか上からは見えない。もう住めない」 2度の大雨特別警報が出された酒田市。濁流が住宅に押し寄せました。 浸水被害を受けた住民 「まさかあふれると思っていなかった」
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気象 NHK
【被害・影響】秋田と山形で記録的大雨 2人死亡 浸水被害も
記録的な大雨となった秋田県と山形県では、増水していた川で見つかった男性とパトカーで救助に向かっていた警察官とみられる男性の2人が死亡しました。
目次
【被害・影響】秋田と山形で記録的大雨(26日)
26日までの情報はこちらの記事をご覧ください
救助の警察官 工事現場の男性が行方不明に
NHKが秋田県と山形県の警察などを取材したところ、大雨の影響でこれまでに秋田県で1人、山形県で1人のあわせて2人が亡くなりました。
このうち、秋田市を流れる雄物川の堤防の近くでは25日、86歳の男性が行方不明になり、26日に遺体で見つかりました。警察は大雨で増水した川に転落したとみて当時の詳しい状況を調べています。
また、山形県新庄市の橋の近くでは25日、パトカーで救助に向かっていた警察官2人が流され行方不明となっていて26日、服装などが似ている男性1人が見つかり、死亡が確認されました。
警察は服装などから警察官の1人とみて確認を進めるとともに、27日朝から引き続き捜索を行っています。現場は男性1人が発見された26日の状態と比べると水がひいているように見え、隊員たちは、田んぼに棒を押しあてるなどして捜索を続けています。
このほか、秋田県湯沢市の道路工事の現場で土砂崩れが発生し、作業をしていた60代の男性1人が巻き込まれ、現在も行方がわからなくなっています。
住宅の浸水被害 山形で約750棟 秋田で116棟
記録的な大雨の影響で、山形県と秋田県では浸水の被害を受けた住宅がこれまでに山形県でおよそ750棟、秋田県では116棟となっていて各自治体ではさらに被害が増えるおそれがあるとして確認を進めています。
山形県内の各自治体によりますと、住宅の浸水被害は26日午後5時時点で、遊佐町でおよそ350棟、戸沢村で少なくとも300棟、酒田市で26棟などあわせて16の市町村でおよそ750棟に上っています。
また秋田県では、床上浸水が由利本荘市の29棟など合わせて39棟、床下浸水が横手市の32棟など合わせて77棟と、県内の116棟の住宅で浸水被害が確認されています。
山形県と秋田県の各自治体ではさらに被害が増えるおそれがあるとして確認を進めています。
交通にも大きな影響
記録的な大雨となった秋田県と山形県では、鉄道や道路などの交通にも大きな影響が出ています。
このうち山形県では日本海東北道の秋田側へ向かう下り線1車線が30メートルほどにわたって大きく陥没し、遊佐鳥海インターチェンジから遊佐菅里インターチェンジの間の上下線で通行止めとなっています。
また、JR東日本によりますと、大雨の影響で、山形新幹線は山形駅と新庄駅の間の上下線で運転を見合わせていて27日も、再開のめどは立っていないということです。
また、
▽奥羽本線は、山形県の村山駅と秋田県の湯沢駅の間の上下線、
▽羽越本線は、山形県の酒田駅と秋田県の羽後本荘駅の上下線、
▽陸羽東線は宮城県の鳴子温泉駅と山形県の新庄駅の間の上下線、
▽陸羽西線は新庄駅と酒田駅の上下線で、
運転再開のめどが立っていないということです。
海保のヘリコプターが住民を救助した際の映像
記録的な大雨により広い範囲で浸水被害が出ている山形県戸沢村で、海上保安庁のヘリコプターが住民を救助した際の映像です。
第二管区海上保安本部によりますと、26日午前11時ごろ、戸沢村で、80代の夫婦が取り残されているという情報が寄せられ、ヘリコプターで捜索したところ、夫婦を発見したということです。
映像には土砂で道路がふさがれる中、ヘリコプターから降り立った隊員が夫婦に声をかけながら、田んぼのあぜ道を通って安全な場所まで誘導し、ロープを使ってつり上げる様子が映っています。
夫婦は、ヘリコプターで山形県新庄市に移動しましたが、けがはないとみられるということです。
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All Nippon NewsNetwork(ANN)
大雨続く山形&秋田 2度の特別警報 爪痕は
記録的な大雨から一夜明け、山形や秋田で甚大な被害が明らかになってきました。
■パトカーの下流約1km 1人発見 懸命の救助活動は今も続いています。 豊かな田園地帯が広がっていた町の景色は一変しました。観光客でにぎわっていたであろう温泉街も土砂にのみ込まれました。 撮影者 「バケツをひっくり返したような断続的に続くような雨が数度」 26日にかけ、2度の大雨特別警報が出された山形。一夜明け、上空からのカメラが被害の大きさを伝えます。 山形県の北東に位置する人口3万2000ほどの新庄市。観測史上1位の雨が降った町を飛ぶヘリ。異変に気付きます。 ひっくり返った車が1台。周辺に救助隊が見えます。まだ現場は泥水が流れ、手立てがないようにも見えます。現場にカメラが着き、状況が分かってきました。 パトカーがひっくり返った状態で水に浸かっています。この現場では、20代の警察官2人が行方不明となっています。 何が起きたのか。状況が分かってきました。 周辺住民 「うちの田んぼの堤防が決壊していた。そこからきた水がやってきた。ここが決壊した」 パトカーが転落していた現場。地図で見ると一本道が走り、周囲は田畑が広がります。パトカーが転落していた現場の近くを最上川の支流である新田川が走っています。 普段は田畑を縫うように走る川の少なくとも2カ所が決壊したとみられます。 26日の映像を見ると、この決壊した場所から水が流れ込んでいるのが分かります。 周辺住民 「(Q.普段の川の様子と比べると?)見たことない。何十年も。60年くらいで初めて」 警察官2人は25日午後11時半すぎ、住民からの救助要請を受けて現場に向かっていたということです。午前0時すぎ、20代の男性警察官が「救助活動ができなくなった」と110番通報。それを最後に行方不明となっています。急きょ出動したため、ライフジャケットなどは持っていなかったそうです。 現場では少なくとも4台の車が流されましたが3人が救助され、2人の警察官の捜索が続いています。 消防団 「水の流れは最初現場に入った時より緩やかになっているが、この状態なので見つかっていない」 パトカーから約1キロ下流付近で1人が発見されました。心肺停止の状態で、服装などから行方不明の警察官とみられています。 ■戸沢村役場が浸水 高齢者救助も その新庄市から最上川を西に10キロほど下った戸沢村。役場が浸水し、水没した車の屋根だけが見えます。 戸沢村を映した映像では大きな川が流れているようにも見えますが、以前の様子を見てみると、周辺は田園地帯が広がっていたことが分かります。 氾濫した最上川。戸沢村に設置されたカメラを見ると、25日から雨が降り続き、みるみる水位が上がっています。 戸沢村役場がある中心部。川岸の歩道は全く見えなくなり、町を走る道路はほぼ冠水。救助隊がボートで捜索する様子が見えます。 災害派遣された自衛隊が高齢者を救助する様子も伝えられます。 ■酒田市で川氾濫 浸水激しく その戸沢村から最上川を北西に35キロほど下った酒田市。ここでも川が氾濫しました。 浸水の勢いを物語る映像を住民が撮影していました。木材工場の中は様々なものが水に浮いています。 ■住民が撮影“川氾濫で住宅浸水” 日向川が氾濫した酒田市。市内にある木材工場も扉の中ほどまで浸水。 中は様々なものが水に浮いています。2階建ての住宅と倉庫が並んだ場所。水は家の1階部分まで。さらに軽トラも荷台が見えないほどです。さらに雨が降り続けています。 近隣住民 「この辺まで水があったのでは」 被害のあった住宅。去年11月建てられ、まだ1年経っていない新築です。 住民 「全部、壁はいでペンキもやり直さないといけない。こればかりは仕方ない」 終の棲家であろう家も先は見えません。 住民 「この色が変わった所までうちは駄目だろうと」 ■土砂災害相次ぐ 作業員が不明 秋田県の北部に位置する北秋田市でも25日夜から26日朝にかけ、激しい雨が降り道路が冠水。市内各地で土砂災害も起きています。 道路には土砂が流れ込み、撤去作業が行われていました。別の場所では…。 住民 「まさか、こんなことになるとはびっくりです」 「(Q.どこまでが盛り土だったか?)その手前の所まであった」 元々、倉庫や土台がありましたが、斜面が崩落。建物の一部が宙に浮いた状態です。 住民 「雨の影響で75年住んでるけど、初めてって言ってました」 秋田県の湯沢市では深刻な事態が起きています。市内の国道で土砂崩れが発生。道路の工事をしていた60代の男性作業員が巻き込まれ、行方不明となっています。 消防隊員 「土砂崩れ継続中なので、今は様子を見ている」 現場では二次災害の危険性があるとして、捜索できない状況です。
テレビ朝日
山形県 NHK
山形 パトカー流された付近 1人心肺停止で発見 不明の警察官か
警察によりますと、山形県新庄市の橋の近くでパトカーで救助に向かっていて流され、行方が分からなくなっている警察官2人を捜索していたところ現場の田んぼ付近の水の中で男性1人を発見しました。
男性は心肺停止の状態で、警察は服装などから行方不明となっていた警察官の1人とみて確認を進めています。
25日午後11時40分すぎ、新庄市本合海の橋の近くで、パトカーで救助に向かっていた20代の男性巡査長から「車が流された」と警察に通報がありました。
パトカーには男性巡査長と20代の男性巡査部長の2人が乗っていて、その後連絡がとれず、行方が分からなくなりました。
警察などが捜索したところ、近くの田んぼの水たまりで、ひっくり返っているパトカーが見つかりましたが、2人の行方は今も分からず捜索が続いています。
付近では、水につかった一般の車両3台も見つかり、警察に救助を要請した男性を含む3人が救助されました。
現場の田んぼは、近くを流れる新田川から水が流れ込んでいました。
捜索活動に当たった新庄市消防団の信夫秀樹団長は「救助された3人は命に別状はないと聞いている。現在は安否が分からない警察官2人の行方を捜索しているが、広範囲の活動になりそうだ」と話していました。
新庄市では25日夜遅くまでの24時間の雨の量が361ミリと、統計を取り始めてから最も多くなり、一時、大雨の特別警報が出されていました。
パトカーと見られる車両 ひっくりかえって水につかり
パトカーが流された山形県新庄市本合海の現場の26日午前6時半ごろの映像です。
道路脇を流れる茶色く濁った水の中に車が数台つかっている様子が確認できます。
パトカーと見られる車両は完全にひっくりかえって車体の半分ほどが水につかっています。
その数メートル先には2台の乗用車がタイヤまで水につかり動けなくなっている様子が見て取れます。
午後7時ごろからは周辺の田んぼなどに消防の隊員20人以上が入って捜索を始めています。
現場はJR新庄駅から8キロほど南西の田んぼが広がる地域で、近くには最上川の支流の新田川が流れています。
県警本部長「痛恨の極み」
大雨で救助に向かっていた警察官2人の安否が不明になっていることについて、山形県警察本部の鈴木邦夫本部長は「痛恨の極みだ。行方不明になっている一般の人もいるとみられ、全力をあげて捜索をしている。発生して間もないので、細かい状況については現在確認中だ」と述べました。