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2024年6月28日 20時26分 朝日新聞

 

大阪・夢洲にヒアリ550匹 万博会場の付近、定着防止へ国が調査


見つかったヒアリ=大阪市提供

 環境省と大阪市は28日、大阪・関西万博が開かれる人工島・夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)で、強い毒をもつ特定外来生物ヒアリ約550匹が見つかったと発表した。ヒアリの定着を防ぐため、環境省が今後、発見場所やその周辺を調査する。

 市によると、ヒアリは万博会場から道路を挟んで東側に位置する「コンテナターミナル」で見つかった。環境省の大阪港での定期調査をきっかけに、ターミナル内の舗装の継ぎ目から出入りしていることを確認した。発見場所の周辺には殺虫餌を設置したという。

 ヒアリに刺されると激しい痛みを感じ、かゆみやウミといった症状が出る。市は素手で触らないや刺激をしない、などと注意を呼びかけている。

 

 

 

 

 

2017年6月、日本でヒアリが初めて確認されました。 ヒアリは、本来、南米中部に生息するアリです。

しかし、船や飛行機に積まれたコンテナや貨物にまぎれ込んで、1940年代頃からアメリカ合衆国やカリブ諸島に次々と侵入し、2000年代には原産地から遠く離れたオーストラリア、ニュージーランド、中国、台湾でも発見されるようになりました。

日本へも、同じような経路で海外からやってきています。

 

 

いったん繁殖してしまうと、根絶はきわめて困難です!
ヒアリが定着した国々では、莫大な費用をかけて駆除を行っていますが、ニュージーランドを除いて根絶には至っていません。ニュージーランドは、定着初期に徹底した対処を行ったため、唯一根絶に成功しています。また、根絶後も再び侵入定着しないよう警戒を続けています。
日本では、国が関係機関と連携して主要港湾等で定期的に侵入状況の調査を実施し、発見された際には緊急駆除とモニタリング(継続的な監視調査)を行っています。侵入を減らし、定着を阻止することが大切です。
 

 

人やペットへの健康被害
刺されると強い痛みが生じ、体質等によっては強いアレルギー反応(アナフィラキシーショック)を起こすおそれがあります。犬や猫などのペットも、刺されると人と同じように、重い症状を起こすことがあります。
◆電気設備・インフラ被害
電気設備(配電盤や変圧器、機械の内部)に巣をつくり、信号機や空港の着陸灯を故障させたりします。また、電線をかじって停電を引き起こしたり、ショートさせて火災の原因となることもあります。
◆生活への影響
お花見やピクニック、BBQ、花火大会など、公園や河川敷でのレジャーを安心して楽しむことができなくなるかもしれません。ガーデニング、家庭菜園にも支障が出ます。
◆農業被害・産業への影響
農作物をかじって品質や収量を低下させたり、家畜を襲ったりします。また農作業をする人が頻繁に刺されるため、海外では耕作放棄や離農者が増えるなどの影響が出ています。輸入された商品などにヒアリが混入すると、物流にも大きな支障が出ます。
◆生態系被害
日本の在来アリを駆逐したり、小動物を捕食して減少させ、生態系のバランスを壊してしまいます。海外では希少種にも影響が出ています。