■はじめに〜フランス国民議会選挙の第1ラウンド終了! ウクライナ紛争への加担で前のめり、グローバルな気候変動重視で農業を圧迫など、国民国家の国益より、EU、NATOなど超国家的機構の全体主義に従順な「グローバリスト」マクロン大統領への「審判」が下る! マクロン氏が率いる中道連合は歴史的な惨敗で、たった2議席しか獲得できず! トップが右派の国民連合で37議席、2位が左派の新人民戦線で35議席、7月7日の決選投票もマクロン大統領の惨敗は明らか!

 

 おはようございます。IWJ編集部です。

 

 フランスで行われた国民議会(下院)選挙の、第1ラウンドの結果が出ました。結果は、衝撃的なものでした。

 

 フランス内務省が発表した「2024年国民議会(下院)選挙の立候補者と結果の公表(初回選挙)」によると、右派の国民連合(RN)がトップで、得票率29.25%、得票総数937万7185票、獲得議席が37議席でした。

 

※Publication des candidatures et des resultats aux elections Legislatives 2024 30 juin et 7 juillet 2024 Resultats tour 1 France entiere(フランス内務省、2024年7月1日閲覧)

https://www.resultats-elections.interieur.gouv.fr/legislatives2024/ensemble_geographique/index.html

 

 第2位が、左派の新人民戦線(左派連合)で、得票率27.99%、得票総数897万4548票、獲得議席は32議席した。

 

 第3位が、マクロン大統領率いる中道連合(ENSアンサンブル大統領の多数派)で、得票率20.04%、得票総数642万5571票、獲得議席は、たったの2議席です。現職大統領の与党が、大敗を喫しました。

 

 フランスの国民議会選挙の方式は、第1ラウンド(6月30日)と第2ラウンド(7月7日)に分かれています。

 

 第1ラウンドでは、各選挙区で50%以上の得票を得た候補者がその選挙区の議席を即座に獲得します。候補者が過半数の得票を獲得できない場合、第2ラウンドに進むことになります。

 

 第2ラウンドでは、第1ラウンドで過半数を得られなかった選挙区で決選投票を行い、最も多くの票を獲得した候補者が議席を獲得します。第1ラウンドで上位に入った(通常は上位2人または場合によっては上位3人の)候補者が参加します。このため、第2ラウンドはより激しい競争となります。

 

 国民議会の総議席数は、577議席ですが、第1ラウンドでは、76議席しか決まっていません。全体の約13%しか決まっていません。

 

 しかし、第1ラウンドで決まった議席を見ると、先述した通り、国民連合が37議席、新人民戦線が32議席に対して、マクロン大統領の中道連合はたったの2議席しか獲得できていません。

 

 中道連合は、各選挙区で50%以上の得票を得た候補者がたったの2人だけだった、ということです。中道連合には、過半数に届く得票の勢いがまったくなかったことを意味します。

 

 歴史的な惨敗というべきでしょう。

 

 7月7日の第2ラウンドにおいても、この傾向は続くと見て間違いないと思われます。中道連合が、この短期間のうちに、巻き返せる要因が、何も見出せないからです。

 

 IWJとしては、マクロン大統領の中道連合にとって、厳しい選挙結果になると予想はしていましたが、その負け方がここまでの惨敗になるとは予想していませんでした。

 

 マクロン大統領の政治姿勢、とりわけ、フランス軍の地上部隊もウクライナに直接派兵すると発言し、ロシアとの直接対決をも辞さない、この戦争への前のめりの加担や、グローバルな気候変動を重視し、自国の農業を圧迫するなど、国民国家としての国益より、EU、NATOなど超国家的機構の全体主義に従順だった「グローバリスト」としての姿勢が、国民から強く批判されたのだと思われます。

 

 国民連合と新人民戦線、中道連合の得票率の差だけに注目すると、一部の世論調査の事前予想よりも、その差は小さくなっていますが、獲得議席を見ると、マクロン大統領の中道連合にまったく勢いがなく、国民議会での勢力図は、完全に塗り替わることが予想されます。

 

 現在の改選前の国民議会の議席は、マクロン大統領の所属する多数派の中道連合が249議席、左派連合(新人民戦線)が149議席、国民連合が89議席、共和党(LR)が54議席となっています。

 

※2024 French legislative election(ウィキペディア、2024年7月1日閲覧)

https://en.wikipedia.org/wiki/2024_French_legislative_election

 

 ENSの249議席は、国民連合と新人民戦線が分け合う形になるのは、ほぼ間違いないと思われます。

 

 フランス国民の怒りの激しさが、想像を超えているということでしょう。

 

 この第1ラウンドの選挙結果を踏まえて、国民連合の現党首、ジョルダン・バルデラ氏は、Xへのポストで、次のように述べています。

 

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