.大軍拡・原発暴走の自民党の解体・解散を
  裏金疑獄解明せず政治資金“ザル法”継続
「四面楚歌ではない」「気力は十分」と強弁

 

人民の力で都知事選・衆院選で自民・公明に鉄槌を
  「メディア改革」連載第154回
  

 浅野健一(アカデミックジャーナリスト)

◎ 19日に行われた国会国家基本政策委員会合同審査会(根本匠委員長)での党首討論をNHKの中継で見た。党首討論は2021年6月以来、3年ぶりで岸田文雄内閣政権では初めて。
 討論時間は45分間と短く、立憲民主党の泉健太代表(26分)ら非政権党4党の党首が質問に立った。
 泉氏は「衆院を解散して国民の信を問おう」と首相に迫り、維新の馬場伸幸代表は内閣総辞職を求めた。
 国民民主の玉木雄一郎代表は「四面楚歌、八方ふさがり、なぜこういった事態に陥ったと思うのか」と質した。首相は「私は四面楚歌だと感じていない」と反論した。

◎ 岸田氏は泉氏に聞かれたことに答えず、長々と国会答弁と同じ話を繰り返した挙句、「安全保障やエネルギー分野についても責任ある態度を」と述べ、質問にはなかった憲法改正について、自ら突如言及した。
岸田氏の全発言の20%が憲法問題に当てられた。
 「衆院憲法審査会で自民、公明、維新、国民の4党が賛同し、緊急事態条項の条文案ができた。起案の議論に協力してほしい」。これに対し、泉氏は「我々はずっと審議に応じている。あなたに何か約束してやるものではない」などと反論した。

◎ 岸田氏が熱弁を続けたため、根本委員長から「簡潔にお願いします」と注意を受ける場面もあった。憲法尊重順守義務のある首相が憲法審の運営に口を出すのは不当だ。現行憲法に不満を持つ政治家はまず議員を辞職して、民間で改憲運動をやるべきだ。

◎ 党首討論前の19日午後、改正政治資金規正法が自民、公明の賛成多数で成立した。自民党は、パーティー券裏金疑獄を解明せず、地検特捜部の不十分な捜査で党幹部は免責された。
 裏金議員83人のうち80人が今も議員を続けている。改悪法は企業・団体献金を禁止せず、政治資金パーティーはほぼそのまま、政策活動費も10年後の領収書公開だ。

 岸田氏は21日、国会閉会に合わせて、記者会見(57分)を開いた。官邸クラブでの閉鎖的な会見で、8人が質問した。
 岸田氏は原発再稼働を進めると強調。最後に指名されたテレビ朝日の千々岩森生政治部デスクが「総理は非常に疲れていると感じる。今、総理はお疲れか」と聞いた。岸田氏は「決して疲れているなどということはない。気力は十分みなぎっている」と答えた。

◎ 自民党は各種の選挙で敗北が続き、党内でも岸田氏の退陣を求める声が公然化している。
 共同通信の世論調査(22・23日)で内閣支持率が22%となるなど各社調査で最低の数字が出た。自民党の支持率も20%を切った。
 菅義偉前首相は23日公開のネット番組で「9月総裁選で新リーダーを」と事実上の退任要求をした。

◎ しかし、三代目の世襲政治家で、何の苦労もせず、これまで生きてきたので、普通の神経ではない。自己中心的で回りが見えない。岸田氏が総裁選も乗り切り、そのうち民衆は裏金問題も忘れると高をくくっていると思われる。

◎ キシャクラブメディアは自民党に甘く、今後の焦点は総裁選だと報じている。毎日新聞電子版は22日、「ポスト岸田」候補が動きを活発化させ、<自民党総裁選の「号砲」が鳴ろうとしている>と書いた。

◎ 「号砲」は自民党の解体のために鳴らすべきではないか。
 岸信介元首相の時代から統一協会=国際勝共連合と癒着し、朝鮮侵略・占領などでまったく歴史観の異なる統一協会と一体だった。裏金疑獄の自民党は政党として存続してはならない。

◎ 「党の顔」をすげ替えて済むはずがない。自由と民主主主義を否定する統一協会と選挙運動、壊憲運動を続けてきた自民党は、政治資金規正法が規定する政党の要件を満たしていない。
 私は月刊「紙の爆弾」2022年11月号と24年2月号で、岸田総裁は党解散届を総務相に出すよう求めた。
 二つの記事は「独立言論フォーラム」で読める。

https://isfweb.org/post-10700/
https://isfweb.org/post-32871/

◎ 私は2月13日、元特捜検事の郷原信郎弁護士に自民党を解散させる法的根拠を聞いた。郷原氏は「政治資金規正法は政党、政治団体は届け出をすればいいだけで、党の綱領の提出も必要ない」と答えた。

◎ 日本の政治資金に関わる法律は、政治家が善人で、政治資金は浄財という前提で作られている。郷原氏は「政党交付金で国民の税金を投入するのだから、問題があると政党交付金が支給されなくなるような政党法が必要だ」と強調した。

◎ 
政党を規制する法律がない以上、有権者が政治倫理に反する政治家に投票しないことだ。人民は自民党に解散を求めよう。
 次期衆院選で自民・公明に鉄槌を加えたい。