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日刊IWJガイド・非会員版「プーチン大統領が北朝鮮を公式訪問! 金正恩総書記と『侵略に対する相互支援で合意』! 北朝鮮を『防人』として東アジアに楔を打った!?」2024.6.22号~No.4260

 

━【目次】━━━━

┠■はじめに〜プーチン大統領が北朝鮮を公式訪問! 金正恩氏と「侵略に対する相互支援で合意」! プーチン大統領は北朝鮮を「防人(さきもり)」として東アジアに楔を打った!? また北朝鮮は、米韓日と対抗する上で、ロシアという強力な「ケツモチ」を手に入れた! 軍事面ばかり強調されるロシアと北朝鮮だが、両国の「包括的戦略パートナーシップ」は、一帯一路に似た、経済・産業・文化など多岐にわたり、長期的な関係を築く内容! ロシアは幅広い分野の政府高官を送り込み、北朝鮮も盛大な式典でプーチン大統領と使節団を歓迎! いずれ北朝鮮がBRICSに加盟する道を開き、「米国に対抗する『新しい軸』の誕生」への扉となるか!?

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┠■【中継番組表】

┠■【本日のニュースの連撃! 3連弾!】

┠■【第1弾! AI半導体トップの台湾系米国メーカー エヌビディア(NVIDIA)の株価が、一時、マイクロソフトを抜いて世界一に! ハイテック企業に大変化到来!? GAFAの時代の終わり!? ネット関連企業の退場とAI半導体関連企業の興隆!】(『ブルームバーグ』2024年6月19日ほか)

┠■【第2弾!米クリーブランド・クリニック「ワクチンの接種回数が増えるほどコロナに罹患しやすくなる」! 日本のワクチン(追加)接種率と、100万人あたりの感染者数の両方が世界トップ!? 岩上安身のインタビューでもお馴染みの上昌広医師が代表理事を務める、 医療ガバナンス学会(MERIC)が、新型コロナワクチンへの総括を求め、レプリコンワクチンの緊急承認は、「私たちが大規模な人体実験台とされることに他なりません」と訴える!】(『医療ガバナンス学会(MERIC)メールマガジン』2024年6月21日号)ほか

┠■【第3弾! 経済制裁を受けているにもかかわらず、ロシアは現在、EUにとって米国に次ぐ第2位のLNG供給国であり、昨年の輸入総量の16%を占める! 5月には欧州のロシアからのガス輸入量は、ほぼ2年ぶりに米国からの供給量を上回った! しかし、この逆転は一過性!?】欧州がウクライナに長距離兵器を供与し、ロシアとの直接対決の可能性を高めれば、ロシアは、ウクライナとトルコを経由するパイプラインから欧州への天然ガスを完全に止め、ヤマルLNGプロジェクトから欧州への出荷を停止すれば、現時点で貯蔵量があっても、欧州はガス不足でお手上げ! (『フィナンシャル・タイムズ』2024年4月19日・6月16日ほか)

┠■<IWJ取材報告>坂本雅子氏(名古屋経済大学名誉教授)「この法律のわかり難さは、米国の戦略に追随し、それを隠したまま日本の法律を制定したことに起因する」〜6.20 重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律の問題点と今後の取組について考える院内学習会

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■はじめに〜プーチン大統領が北朝鮮を公式訪問! 金正恩氏と「侵略に対する相互支援で合意」! プーチン大統領は北朝鮮を「防人(さきもり)」として東アジアに楔を打った!? また北朝鮮は、米韓日と対抗する上で、ロシアという強力な「ケツモチ」を手に入れた! 軍事面ばかり強調されるロシアと北朝鮮だが、両国の「包括的戦略パートナーシップ」は、一帯一路に似た、経済・産業・文化など多岐にわたり、長期的な関係を築く内容! ロシアは幅広い分野の政府高官を送り込み、北朝鮮も盛大な式典でプーチン大統領と使節団を歓迎! いずれ北朝鮮がBRICSに加盟する道を開き、「米国に対抗する『新しい軸』の誕生」への扉となるか!?

 

 おはようございます。IWJ編集部です。

 

 プーチン大統領は19日、24年ぶりに北朝鮮の平壌を訪問し、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記と会談し、「包括的戦略パートナーシップ条約」に署名しました。20日付『ロイター』などが報じています。

 

 プーチン大統領は、「米国とその同盟国」を「覇権主義的・帝国主義的」だと、名指しで非難しました。

 

プーチン大統領「ウクライナ問題を含むロシアの政策に対する北朝鮮の皆さんの一貫した支持に深く感謝する。ロシアは、米国とその同盟国の覇権主義的・帝国主義的政策と何十年も闘っている」。

 

 金正恩総書記は、ロシアによるウクライナとの戦争に対する「全面的な支持と強固な同盟」を含む「ロシアの全政策」への「無条件の支持」を表明しました。

 

金正恩総書記「ロシアの全ての政策を、無条件で、揺るぎなく支持することを再確認したい」。

 

 プーチン大統領は、米国をはじめとする、北大西洋条約機構(NATO)加盟国が、ウクライナが西側から供与された武器で、ロシア領内の標的を攻撃することを容認すると表明したことに言及しました。

 

プーチン大統領「これは単なる発言ではなく、すでに起きていることであり、これは全て、西側諸国がさまざまな国際義務の枠組み内で受けている制限に対する重大な違反だ」。

 

 「包括的戦略パートナーシップ条約」には、「相互防衛条項」が盛り込まれており、「外部からの攻撃への撃退を相互に支援する」とされています。

 

 つまり、米軍や韓国軍、そして自衛隊などが北朝鮮に攻撃を仕掛ければ、ロシアからミサイルが飛んでくることもある、ということになります。

 

 北朝鮮は、米軍・韓国軍を中心とした連合軍を相手に、1950年から苛烈な朝鮮戦争を戦い、1953年に休戦となってからも、74年もの間、38度線を挟んで、戦火なき、睨み合いがずっと長く続いています。

 

 中国の人民解放軍は、実際に北朝鮮軍とともに血を流す地上戦を戦ってきた「友軍」です。米韓が北朝鮮と再び戦争を再開した時には、中国の人民解放軍が、北朝鮮をバックアップするだろうとは、予想はついてはいました。

 

 しかし、かつては共産主義国家の「盟主」だったにせよ、すでにソ連は崩壊してしまい、共産主義の看板も放棄したロシアが、果たして再びの「朝鮮有事」の際に、どう動くのか、未知数の時代が続きました。

 

 冷戦の終焉後、西側諸国が、ロシアを一時はG8のメンバーに包摂するまでに至っても、同時に、西側は、ゆっくり、緩慢に、ロシアをより弱体化させる方向へと駒を進めていることに、ロシア自身が決定的に気づいたのは、おそらく2014年のユーロマイダン・クーデターの時だったと思われます。

 

 その後のドンバス地方の内戦、そしてその延長線上に位置する2022年2月のウクライナへの侵攻によって、西側とロシアの平和的共存の夢が潰えた時、ロシアは東方へと顔を向け直し、結果、日本とも因縁浅からぬ北朝鮮とも、手を結び合ってしまったのです。今後、休戦状態の朝鮮戦争が再開されたら、ロシアが北朝鮮の側につくことは明確になってしまいました。

 

 西側が、ロシアを、「北風」で迎えるのではなく、「太陽」で迎えていたら、こんな事態にはなっていなかったでしょう。米国と欧州は、ロシアを東方へと追いやるという、実に余計なことをしてくれたものだと舌打ちをしたくなります。

 

 朝鮮半島を侵略し、植民地化した日本は、南の半分の韓国とは形の上では「和解」しましたが、北朝鮮とは、「和解」も何もできていません。近年の拉致問題よりもっと前から、歴史を遡って、日本が「被害者(拉致問題)」ではなく、「加害者(植民地支配)」であった時代の始末から、何もケリがついていないのです。

 

 実際、日本は、冷戦下で、米国の指示のもと、ケリをつけてこようともしてこなかった、というのが実情でしょう。

 

 北朝鮮は、いずれ自壊し、南に統一されるだろうから、植民地支配の補償は、それからしてもいいだろうし、統一コリアの核は米国が管理するだろうし、日本が気を揉むような、急ぐ話ではない、と楽観して、何もしないでいたのが、冷戦崩壊以降の30年あまりの現実でした。

 

 しかし、独裁と貧困の中、北朝鮮は自壊せず、生き延びるだけでなく、核弾頭と大陸間弾道弾まで開発してしまい、核保有国となって、さらには中国だけでなく、ロシアという「ケツモチ」も、このたび得たのですから、鬼に金棒となってしまいました。

 

 植民地支配の清算をしていないのは、日本の側の問題です。他人事ではありません。

 

 この500年間の、欧州帝国主義列強の植民地支配への異議申し立てや謝罪と補償の要求までが、ますます強くなるのは間違いない、と思われるグローバル・サウスの時代、北朝鮮は世界の中で孤立することなく、生き延びていくことでしょう。

 

 日本は、過去の歴史の清算という、古くて新しい問題に、再び、詰め寄られることになるに違いありません。最後の侵略者にして植民地主義者のシオニスト・イスラエルの残酷さを指弾しておいて、日本の過去の朝鮮半島に対する植民地化には、目をつぶり、耳を塞ぎ、口を閉じ、思考を停止する、ということは、許されません。

 

※ロ朝が包括戦略条約、有事に相互支援 プーチン氏24年ぶり訪朝(ロイター、2024年6月20日)

https://jp.reuters.com/world/security/SHCNLBXOGZNS5JGD7OZ2ZFKWTQ-2024-06-19/

 

 19日付『RT』によると、プーチン大統領は、北朝鮮との軍事協力発展にも言及しました。

 

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