地域鉄道で街づくり
  ふるさと納税を廃止して『ふるさと乗ろう税』を導入する

                                      三木義一(青学大名誉教授)

「ご隠居、前にこの欄で取り上げた津軽鉄道さんが、ネーミングライツを実施し、4駅に副名がついたようですぜ」
「全部の駅についてほしいの。地方の鉄道まで都市部の鉄道とおなじように民間経営で、赤字になったら廃止という発想がそもそもおかしい」
「確かに」
「それに固定資産税じゃ。鉄道の有無は街の基盤と言うべき公益性の高いものだ。こんなものに固定資産税を課されたら鉄道会社はやっていけない。街に鉄道がなくなったら、それだけで寂しい街になり、さらに人ロが減るぞ」
「だったら、まず、鉄道に対する固定資産税を廃止し、赤字でも街のために維持していくことを基本にしたらどうです」
「そうじゃ、しかし、その財源がの~」
「外国ではどうなっているんで?」
「EU諸国では、鉄道は道路と同じだ、という発想で、ローカル鉄道を維持しているようだ」
「てえことは?」
「税金を使えってことだ。藻谷浩介さんが赤字ローカル線をガソリン税で維持しろ、と主張されているのもこのような発想だろうの~」
「で、可能性は?」
「既得権益の塊みたいな今のメタボ税制では無理だろうの~。そ、そうだ、ふるさと納税を廃止して『ふるさと乗ろう税』を導入するってのはどうだ!」    (6月20日「東京新聞」朝刊19面「本音のコラム」)