たんぽぽ舎です。【TMM:No5032】
2024年6月8日(土)地震と原発事故情報-

 

東電福島第一原発で発生した電源ケーブル損傷は感電死もありえた重大な事故だった 
 

 6900ボルトの電源ケーブルをドリルで損傷
  

 今井孝司(地震がよくわかる会)

○初めに
 4月24日午前10時43分ごろ、ALPS処理水を海水と混ぜるために送り出すポンプが停電により停止しました。同じ時間帯に700m離れた場所で、新たなケーブルを敷設するために、コンクリート舗装面を削岩機で剥がしている工事の最中でした。その工事の際に、電源ケーブルを損傷してしまい、停電に至ったもようです。
 作業員が一人、医療機関に緊急搬送されました。「右頬部・右前腕2度熱傷」と診断され、入院はせず、帰宅しました。(4/24、4/25記事のまとめ)
 私は、当初、素人考えで、損傷したケーブルはおそらく、200V前後だろうと、もし高圧線なら、既存の電源を落として、作業しているだろうと考えていたので、作業員の命は大丈夫だろうと、考えていたのですが…。
まさのあつこさんの報告はいろんな意味で、想像を絶するものでした。

 関連記事(6件)の紹介と事故を受けた4月26日規制委の検討会の議事録とYoutuube動画の頭出しを当会のHP( http://jishinga.com/ )にアップしました。皆さんの考察に役立てれば幸いです。
 HPから特集コーナーの「6900Vケーブル-ドリルで損傷」のアイコンクリック、もしくは以下のURLから読むことが出来ます。
http://jishinga.com/tokushuu/FUKU_CAB_CUT/main.html
 以下は内容の抜粋です。

(7) まさのあつこ 5/3 高圧線をドリルで損傷、作業員は感電、ALPS水放出は停止、東京電力の指示通り
 

○2次請作業員が手順書で指示されたのは、埋設管路の補修のために、「コンクリート舗装を剥がして」ということ。指示通りにコンクリートをドリルで掘削していたころ、管路を突き抜け、中の高圧線(6900ボルト)を傷つけた。
 

○なぜ工事前に電気を止めなかったか?(東電の思い込み)
・東電は高圧線の損傷のリスクは認識していたが、高圧線までは十分な離隔距離があると「思っていた」。
・「だから」施工の前に電気を止めなかった。
○管路も突き抜けるようなものとは「思っていなかった」
東電は、コンクリート舗装は10センチぐらいの厚さで、その下に砕石、その下に高圧電線が入っている管があると「思っていた」。しかし、実際には東電が思い込んでいたように砕石はなかった。
 

図面はなかったのか?(元の施工者も関電工)


・今回の工事を行う場所の「図面はなかった」


・元々の高圧線の敷設を行ったのはいつか?との私の質問ははぐらかされたが、「事故の前か事故の後か」という他の記者質問に
「事故後」だと回答


・当時、施工を請け負ったのは関電工で、今回も関電工。
・図面もなく「コンクリート舗装を剥がせ」という指示で、作業員を働かせた。

(10) まさのあつこ

 

 5/13 

 

山中委員長
  「感電によるものなのかどうかというのは判断できない」

○伴信彦原子力規制委員会委員

 昨年、体表面汚染の事案が起きて、HTIで汚染水の漏洩が起きた
 そこまでは「またこういうことが起きてしまったのか」という感覚だったんですが、この増設雑個体が起きたときには、「何やってんだろう」というのが正直な感想。
 そして、
一昨日、電源が落ちて負傷者出ました。正直、頭抱えました。
「どうしたらいいんだろう」。

だって、ケーブル損傷して電源落ちましたって、皆さん、どれぐらい深刻で、馬鹿らしくて深刻かという感覚をお持ちですか。ほんと馬鹿らしい事案だと思いますよ、これ。
 人間の手術で言ったら、えらい皮下脂肪の厚い患者さんだと漫然と切り進めていったら動脈切ってました。出血多量で死んじゃいました。そんな話ですよ。(略)手順書に沿ってやった結果、こういうことが起きてしまいました。全部一緒ですよ。