「ハラスメント」ではなく女性差別であり女性差別は犯罪です!

 

今年秋ジュネーブで、日本政府は元旦から6回目の人権理事国として女性差別撤廃条約第9回日本政府報告書審査を受けます。❕❕❕❕❕❕❕

 

女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約

採択: 1979年12月18日
発効: 1981年9月3日
訳者: 日本政府

 

→English

 

 この条約の締約国は、国際連合憲章が基本的人権、人間の尊厳及び価値並びに男女の権利の平等に関する信念を改めて確認していることに留意し、世界人権宣言が、差別は容認することができないものであるとの原則を確認していること、並びにすべての人間は生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳及び権利について平等であること並びにすべての人は性による差別その他のいかなる差別もなしに同宣言に掲げるすべての権利及び自由を享有することができることを宣明していることに留意し、人権に関する国際規約の締約国がすべての経済的、社会的、文化的、市民的及び政治的権利の享有について男女に平等の権利を確保する義務を負つていることに留意し、国際連合及び専門機関の主催の下に各国が締結した男女の権利の平等を促進するための国際条約を考慮し、 更に、国際連合及び専門機関が採択した男女の権利の平等を促進するための決議、宣言及び勧告に留意し、しかしながら、これらの種々の文書にもかかわらず女子に対する差別が依然として広範に存在していることを憂慮し、女子に対する差別は、権利の平等の原則及び人間の尊厳の尊重の原則に反するものであり、女子が男子と平等の条件で自国の政治的、社会的、経済的及び文化的活動に参加する上で障害となるものであり、社会及び家族の繁栄の増進を阻害するものであり、また、女子の潜在能力を自国及び人類に役立てるために完全に開発することを一層困難にするものであることを想起し、窮乏の状況においては、女子が食糧、健康、教育、雇用のための訓練及び機会並びに他の必要とするものを享受する機会が最も少ないことを憂慮し、衡平及び正義に基づく新たな国際経済秩序の確立が男女の平等の促進に大きく貢献することを確信し、アパルトヘイト、あらゆる形態の人種主義、人種差別、植民地主義、新植民地主義、侵略、外国による占領及び支配並びに内政干渉の根絶が男女の権利の完全な享有に不可欠であることを強調し、国際の平和及び安全を強化し、国際緊張を緩和し、すべての国(社会体制及び経済体制のいかんを問わない。)の間で相互に協力し、全面的かつ完全な軍備縮小を達成し、特に厳重かつ効果的な国際管理の下での核軍備の縮小を達成し、諸国間の関係における正義、平等及び互恵の原則を確認し、外国の支配の下、植民地支配の下又は外国の占領の下にある人民の自決の権利及び人民の独立の権利を実現し並びに国の主権及び領土保全を尊重することが、社会の進歩及び発展を促進し、ひいては、男女の完全な平等の達成に貢献することを確認し、国の完全な発展、世界の福祉及び理想とする平和は、あらゆる分野において女子が男子と平等の条件で最大限に参加することを必要としていることを確信し、家族の福祉及び社会の発展に対する従来完全には認められていなかつた女子の大きな貢献、母性の社会的重要性並びに家庭及び子の養育における両親の役割に留意し、また、出産における女子の役割が差別の根拠となるべきではなく、子の養育には男女及び社会全体が共に責任を負うことが必要であることを認識し、社会及び家庭における男子の伝統的役割を女子の役割とともに変更することが男女の完全な平等の達成に必要であることを認識し、 女子に対する差別の撤廃に関する宣言に掲げられている諸原則を実施すること及びこのために女子に対するあらゆる形態の差別を撤廃するための必要な措置をとることを決意して、次のとおり協定した。

 

 

《日弁連Hp》

第9回政府報告書審査

第9回政府報告書に対する日弁連報告書~会期前作業部会によって作成される質問表に盛り込まれるべき事項とその背景事情について~(2020年1月)

女性差別撤廃委員会の事前質問リスト(LOIPR)(2020年3月)

icon_page.png英語版 ※国連ウェブサイトへリンク

 

女子差別撤廃委員会からの事前質問票への政府回答(2021年9月)

 

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 ニュース深掘り

ハラスメントで辞職へ 町長2人がそれぞれ会見で謝罪

 

岐阜県池田町の岡崎和夫町長(76)は、第三者委員会の調査で女性職員など15人に対するセクハラがあったと認定されたことを受けて、25日午前に辞職願を提出しました。
愛知県東郷町の井俣憲治町長(57)は、町の職員に複数のハラスメント行為を行っていたと第三者委員会から認定され、24日に辞職願を提出しています。

2人の町長は25日、それぞれ会見を開いて職員や町民に謝罪しました。

これまでの経緯や認定されたハラスメント行為、2人の町長が会見で語った内容をまとめました。

<池田町 岡崎和夫町長>

 

これまでの経緯


2023年7月、池田町の職員と元職員が町長からセクハラ行為を受けたと会見で訴えました。

会見の翌日、池田町は第三者委員会を設置して調査を進めることを決定。

10月には弁護士3人が委員に就任して調査が始まりました。

そして今月24日、第三者委員会は調査報告書をまとめて町に提出しました。

調査報告書で認定されたセクハラ行為


調査報告書ではアンケートや聞き取り調査などの結果、職員と元職員の女性15人に対するセクハラがあったと認定しています。

特に深刻な被害として1人の女性に対し、服の上から腕や太ももなどを触るといった行為があり、去年5月に被害者と示談していたということです。

ほかの女性にもキスしようとしたり尻や胸を触ったりする行為があったとしています。

セクハラがあった場所は町長室や宿直室がほとんどで、被害者は入庁まもない若い女性職員が多かったということです。

一方、岡崎町長は第三者委員会の聞き取りに対し、告発した女性1人に激励の意味で握手をしたり、肩をたたいたりしたかもしれないがほかの女性へのセクハラや示談したことは否定したということです。

報告書では町長のセクハラに対する認識に問題があり、反省や改善の態度が見られず、町の懲戒処分の指針では免職が相当と考えられる事案だとして、「町長は辞職相当である」としています。

また、セクハラは10年以上続いていたということで、長期化した背景については岡崎町長が町職員としておよそ37年勤務し、町長も6期目で20年以上務めていることから影響力が強く、職員が逆らうことは困難だったと指摘しています。

岡崎町長「ひとりよがりの裸の王様だった」

第三者委員会の調査で女性職員など15人に対するセクハラがあったと認定されたことを受けて、池田町の岡崎和夫町長は25日午前、町議会議長に辞職願を提出し、受理されました。

その後、岡崎町長は記者会見し「関係職員には大変申し訳なく心から謝罪したい。池田町の名前を傷つけてしまい町民にも申し訳ない。ひとりよがりの裸の王様だった」などと述べました。

 

また、報告書で15人に対するセクハラがあったと認定されたことについては「はっきりと覚えているわけではないが、相手が言っているなら認めざるを得ない」と述べました。

一方で、このうち1人の女性に対し、服の上から腕や太ももなどを触るといった行為があり、被害者と示談したとされたことについては、腕を触ったことは覚えているもののそれ以外は記憶にないとし、示談したかについても「答えられない」と述べました。

 

池田町では26日、臨時の町議会が開かれ辞職願について同意されれば町長の辞職が決まります。

<東郷町 井俣憲治町長>

 

これまでの経緯


2023年10月に一部の職員が全職員にメールで非公式のアンケート調査を行い、町長からパワーハラスメントを受けたなどの回答が複数寄せられました。

その後、12月に第三者委員会が発足して弁護士3人による調査が始まります。

第三者委員会は今月22日、井俣町長が、1期目から継続的に複数の職員にパワハラやセクハラなどさまざまなハラスメントを行ってきたとする報告書を町に提出しました。

調査報告書で認定されたハラスメント行為


第三者委員会のメンバーは23日に町役場で記者会見を行い、弁護士の堀龍之委員長は「長い期間にわたり、『早く降格してくれ』など、明らかに違法と言えるものを含め、ハラスメント行為が繰り返されてきたことに非常に驚いた」と述べました。

また、複数のハラスメントが継続されてきた背景について「町役場が小さいというのが背景にある。同じ高校を卒業するなど、つながりの濃い関係だからこそ職員が声をあげにくかったという意味で悪質性が高い」と指摘しました。

その上で、職員が苦情を申し立てても副町長のところで止まってしまい、組織内部で改善策につながらなかったとして今後、外部の専門家による相談窓口など、第三者が関与した再発防止のための制度を検討する必要があるという見解を示しました。

井俣町長「自身が無知であった」


井俣町長は、25日、町議会の全員協議会に出席し「ハラスメント事案の対象となった職員の皆さんに心からおわび申し上げたい」と陳謝した上で、5月2日付けで辞職する考えを示しました。

続いて、井俣町長は記者会見し「去年11月の報道を受けて以来、反省をくり返し、ハラスメントに関する勉強をしたが、それまでの自身が無知であったことを改めて恥じる期間となった」と述べました。

その上で、辞職の理由について「町議会の先生と話す中で、町の未来と町民の幸せのため職員が静かに仕事ができる環境をつくっていくことの重要性で一致し、同じ方向に進もうという中で、辞職を決断した」と説明しました。

 

 

 

一方、第三者委員会の報告書について「すべてを理解、納得しているわけではなく、記憶がないところもあるが、それも含めて、自分の今後の行動や言動の指針になるし、役場としても大変重要なテキストになると思っている」と述べました。

また、記者団から、次の町長選挙に立候補する考えがあるか質問されたのに対し「自分のことを考えられる状況ではないので考えていなかったが、きょうの段階で、すべての可能性を否定するものではない」と述べ、明言を避けました。

東郷町によりますと、町議会議長は25日、町の選挙管理委員会に対し井俣町長の辞職を通知したということで、町長選挙は26日から50日以内に実施されることになります。

議長「反省しているようには見えない」


東郷町議会の石橋直季議長は記者団に対し「ハラスメントが起きた原因をただ自分の勉強が足りていないという話で終わらせるのは、職員や被害を受けた方がどう思うかあまりにも想像ができていないと思う。反省しているようには正直、見えない」と述べました。

その上で「この件をきっかけに、議会ももちろんハラスメント防止に取り組んでいくし、議会から行政に働きかけて、行政と連携しながら、ハラスメントをしてしまうことがないような環境づくりを引き続きやっていきたい」と述べました。

専門家に聞く ハラスメントの原因と対策


地方自治に詳しい、名城大学の昇秀樹教授は今回の問題の原因について「町長が人事権を握っている中で職員たちは町長にきついことを言うと左遷されてしまうのではないかと感じてしまい、結果的に『裸の王様』状態で、誰も止められない状況になる」と指摘しています。

その上で「人口規模が小さな自治体は、おのずと役場内で職員と首長との接触の機会が増え、どうしてもハラスメントの問題が起こりやすくなってしまう。町長自身がハラスメント防止の研修に参加する機会がなく、何がハラスメントにあたるかを知らないことも問題だ」としています。

求められる対策として、昇教授は、問題があった自治体だけでなく、ほかの自治体でも、第三者機関を設置してハラスメントの調査や認定にあたることや、ハラスメント防止条例を制定することが重要だとしています。

そして「政治家は住民以上に世の中の流れや時代の変化にセンシティブであることが求められている。自分が若いころにこうやってきたということが通用する世の中ではないので、きちんとハラスメントにも対応していく姿勢を示していかなければならない」と指摘しています。