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気象予報士・森田正光さん「肺腺がん疑い」で手術 症状やなりやすい人の特徴を医師が解説

気象予報士・森田正光さん「肺腺がん疑い」で手術 症状やなりやすい人の特徴を医師が解説

 

TBSテレビなどのJNN系列各局で放送されている「Nスタ」でもお馴染みの気象予報士・森田正光さん(74)が、自身のXにて肺腺がんの疑いのために、4月18日に胸腔鏡手術を受けたことを報告しました。また、術後の回復は順調で、「肺機能の10%くらいに影響が出そうですが、リハビリで軽減させられる」と現在の状況と今後の見通しも説明しました。

 

 そんな肺腺がんですが、これは肺がんの一種です。初期症状はほとんどなく、女性やたばこを吸っていない方、比較的若い方に発症するケースも多くみられます。ここでは肺腺がんとはどのような病気なのか、その症状・原因・治療方法から生存率まで詳しく解説します。

 

 ※この記事はMedical DOCにて【「肺腺がん」を発症すると現れる症状・発症しやすい人の特徴はご存知ですか?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

 

[この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]

肺腺がんとは

Q.肺腺がんとはどのような病気でしょうか? A.肺腺がんとは肺がんの一種で、肺の腺組織から生じるがんです。肺がんには、非小細胞肺がん・小細胞肺がんがあり、非小細胞肺がんはさらに腺がん(肺腺がん)・扁平上皮がん・大細胞がんの3タイプに分けられます。 肺腺がんは、肺がんの中でも最も多いタイプです。そのステージ(病期)は、Ⅰ期・Ⅱ期・Ⅲ期・Ⅳ期にわかれており、ステージが進むにつれてよりがんがより進行していることを表します。 肺腺がんは初期には症状がない場合も多く、進行して症状が出て気づいたり、健康診断で初めてわかったりすることが多い病気です。

 

 Q.症状を教えてください。 

 

A.肺腺がんは、初期にはほとんど症状がありません。肺腺がんが進行するとみられる症状は、長引く咳・痰・息切れ・息苦しさです。そして、胸の痛み・圧迫感なども出現し、徐々に疲れやすさ・食欲不振・体重減少をきたすようになります。手足・顔がむくんだり、血痰が出たりする場合もあるので注意が必要です。

 

 肺腺がんができやすい肺野は、肺の中心部から遠い場所に位置しているため、症状はゆっくりと進行します。

検診で初めて気づく場合も多く、症状が出たときには進行しているケースも少なくありません。

これらの症状の中でも、最も多いのは痰・咳です。

「原因がわからない咳・痰が2週間以上続く」・「血痰が出る」などの症状が現れた場合は、早めに専門医を受診することが重要です。

 

 Q.肺腺がんの発症の原因を教えてください。 

A.肺がんの原因として最も重大なのは「喫煙」です。

肺腺がんは、他のタイプのがんに比べると喫煙とがん発症の関係性は比較的低いことがわかっていますが、喫煙が肺腺がんの原因の1つであることに違いはありません。

また、喫煙以外では、アスベスト(石綿)・大気汚染・慢性閉塞性肺疾患(COPD)・間質性肺炎なども原因として挙げられます。

 

加えて、家族歴などの遺伝的要因なども肺腺がんのリスクを高めるため、注意が必要です。

 

 Q.どのような方がなりやすいのでしょうか?

 

 A.肺腺がんは、アスベスト(石綿)・大気汚染などの影響を長期間受けていたり、喫煙の習慣があったりする方により多く発症する傾向があります。

一方で、喫煙の習慣がなくても特定の遺伝子変異を持っていたり、肺結核・慢性閉塞性肺疾患(COPD)・間質性肺炎などの肺疾患の既往があったりすると発症リスクが高くなります。 

 

そして、一般的に年齢が上がるにつれて肺がんの発症率が高まりますが、肺腺がんに関しては20代位の若い方の発症も増えているのが現状です。これらに当てはまる場合は、定期的な検診・適切な検査・生活習慣の改善が必要となります。

 

 Q.肺腺がんは喫煙習慣とは関係がないのですね。

 

 A.肺腺がんは、非喫煙者の発症も多い疾患です。

しかし、肺腺がんは肺がんの1つのため、その発症に喫煙習慣が関係ないとはいえません。

 

 国立がん研究センターの調べによると、肺腺がんは他のタイプの肺がんと比べて、喫煙の影響が比較的少ないと報告されています。

扁平上皮がん・小細胞がんを合わせて検討すると、たばこを吸う方は吸わない方に比べて、男性12.7倍・女性17.5倍ががんに罹りやすい結果です。

それに対して肺腺がんでは、たばこを吸う方は吸わない方に比べて、男性2.8倍・女性2.0倍ががんに罹りやすい結果となっています

 

 この結果をみると、確かに肺腺がんにおける喫煙の影響は小さいです。

しかし、たばこを吸う方と吸わない方で考えた場合、肺腺がん発症の確率が高いことには変わりありません。また、受動喫煙(周囲のたばこの煙を吸うこと)の影響を受けている方も、発症の危険性を高めてしまうので注意が必要です