明けない夜はない(243)

公教育を私物化するお粗末な業者スピーキングテスト

<転送歓迎>(重複ご容赦)
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の渡部です。
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このスピーキングテストは小池都知事の肝いりで導入されたものです。

本日(4月19日)それに反対する

「中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)の都立高校入試活用に反対する都民集会」が開かれました。(於:都議会第一会議室)

 

最初に「入試改革を考える会」代表の大内裕和・武蔵大学教授

2021年11月からこれまでの反対運動の経緯を紹介しました。

・2022年3月には「入試を考える会」が文科省記者クラブで(ESAT-J)の問題点を指摘しています。この際には英語教育学者の鳥飼 玖美子・立教大名誉教授も参加しています。

・2022年7月には、都立高校入試英語スピーキングテストに反対する保護者の会」が結成されました。

・ 同 9月には、立憲民主党などがスピーキングテストを入試に使わないことを提案しましたが、本会議で否決されました。

・ 同 10月には、都民ファーストの会の都議3人が会派方針に反し賛成票を投じ、党を除名されました。

  その方々はその後ミライ会議を結成されましたが、本日の集会に参加していました。

  また、都立高校入試への活用中止のため「英語スピーキング議連」(42名)が発足しました。

  その方々の何名かも本日の集会に参加されていました。

・ 同 11月には、「入試改革を考える会」の大内裕和・吉田弘之さんらが

  小池都知事らに対し「住民訴訟」を提訴しました。

  また11月27日、中学校英語スピーキングテストが強行されましたが、

  試験時間中の「音漏れ」が多数発生しました。

  それを受けて「英語スピーキング議連」、「中止を求める会」「保護者の会」「入試改革を考える会」など4団体は実施調査を行い記者会見を開き、東京都にも検証する調査をするように求めましたが、やりませんでした。

・2023年7月には、「ベネッセ撤退」が大きく報じられ、かわりにブリティッシュカウンシルに代わることになりました。

  

 同 11月26日 新たな事業者で試験実施。再び「音漏れ」などのトラブルが発生しました。

   12月5日 「英語スピーキング議連」と市民団体主催で「実施状況調査(アンケート)回答結果について」

        記者会見

   12月6日 東京地裁で口頭弁論(傍聴席満員)

   12月27日 こちらの「実施調査」と「要望書」を都教委に提出し、調査を求めた。

        しかし、今に至るも何もやっていない。

 

ここで、大内さんのその後の話は少しおいて置き、

「都立高校入試へのスピーキングテスト導入の中止を求める会」方の

<ESAT-J Year1,2(中学1年、2年)の問題点>という報告を一部簡単に紹介します。

(新しく中1,2年生もやるようになったので、その報告です。)

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1,到達度テスト、スピーキングテストとして、機能していない

 ほとんどの生徒が周りの音が聞こえたと言っていたり、他のクラスの生徒から問題の解答にかかわる内容を聴いた生徒もいたりで、到達度テストとしてもスピーキングテストとして、機能していない。・・・

    

2,話す力がつかない

 ・・テスト自体(内容)の問題も大きいですが、タブレットに向かって一方的に話すという体験は意欲を削ぐことにつながります。実際にALTと直接話すチャンスは以前よりも減らされています。・・・

 

3,公教育の市場化が加速

 ・・民間業者が学校現場にどんどん入り込んできています。教育現場の

 労働条件や学習環境(教員の持ち時間や1クラスの生徒数など)は改善されないまま、民間企業にお金が流れる事業ばかりが進んでいます。

 

4,税金の無駄使い

 予算は今年度35億円、次年度43億円へと拡大しています。これだけの予算があれば全都の小中学校での35人学級が可能になります。1年生の試験時間は9分間、年間1回のわずか9分間のテストに莫大なお金をかけるよりも、

 生徒の日頃の学習環境のために、・・もっと有意義なことに、教育予算を

 使うべきです。

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まったく、試験の名に値しないほどお粗末で、問題だらけです。

 

大内さんは、次に「反対運動の特徴と成果」として次のように述べています。

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 英語の専門家、教育学の専門家、現場教員、保護者といった専門家と現場、市民による広範なつながりの運動が形成された。・・議連の結成はこの動きと連動しており、「市民・都民と『英語スピーキング議連』議員との共闘」が形成された。このことが「ベネッセ」撤退の要因の一つとなった。

 

<運動の成果>

(1)ESAT-J事業からベネッセを撤退させた

(2)東京都以外の他道府県へのスピーキングテスト「入試活用」拡大を阻止した。

(3)「日本で最初に英語スピーキングテスト入試活用を実現させた」と

   小池都知事が自らの成果としてPRしにくくなった。

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また次に、「明らかとなった東京都教育委員会と都議会・小池与党の問題性」として、次のように述べています。

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東京都教育委員会は、「不受験者の扱い」「音漏れ」「平均点疑惑」「採点ミス」などについての疑問に答えない。こちらが明らかにした事実を認めない。

また、市民・都民にまともな対応を行わない(・・・)など、

市民常識が欠如」した東京都教育行政の問題点が明らかになると同時に、

それが小池都政、都議会・小池与党のあり方とむすびついていることが、

ESAT-J都立高校入試活用反対運動の過程で明らかとなった。

 

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次に大内さんは、ESAT-J住民訴訟」について次のようにのべています。

 

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2022年実施のESAT-Jについて小池百合子・東京都知事に約5億円の賠償請求

テーマ(1)「公の支配」に属さない教育への公金投入

   (2)個人情報保護法制違反

   (3)入学試験の公平性・公正性に反する 最小経費最大原則違反

 南風原朝和氏、羽藤由美氏、中村高康氏3名の専門家による「意見書」が提出される予定。

 

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大内さんは最後に、

「ESAT-Jから見えてくる「公共の民営化」=「私物化」という問題点として、

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  ・ESAT-J ⇒ 公教育の私物化

  ・神宮外苑 ⇒ 公共空間の私物化

  ・プロジェックションマッピング

     ⇒ 都庁舎の私物化

  ・都議会での異論排除・質問回答拒否

     ⇒ 都議会の私物化

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を上げていました。

まさに、公教育を私物化するお粗末な業者スピーキングテストだったことが

明らかになりました。

 

小池都知事は「都民ファースト」、「情報公開」などと述べて都知事になりましたが、それらはことごとく嘘であったことが、ESAT-J反対運動のなかでも暴かれ、その化けの皮が剥がされてきたということでしょう。

 

今、このESAT-J反対運動は、7月の都知事選に向けても、その他の諸問題とともにも力強く発展しつつあります。

 

なお、大内さんは、5月19日(日)18:30~ 

「どうする!?東京 練馬区民集会」

(7月7日の都知事選へ向けての集会)

で、ESAT-Jにつて発言されるということです。

 

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