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元千代田区議、収賄疑いで再逮捕 職員に働きかけか、業者から金品

嶋崎秀彦被告

 東京都千代田区が発注した工事の入札を巡り、区職員に情報を漏らすよう働きかけた見返りに、業者側から賄賂を受け取ったとして、警視庁捜査2課は9日、あっせん収賄容疑で元区議嶋崎秀彦容疑者(64)=官製談合防止法違反罪で起訴=を再逮捕した。捜査関係者への取材で分かった

 

【写真】ほぼ最低制限価格で落札 千代田区談合、浜松の会社を捜索

 

 再逮捕容疑は2020年5月にあった区立お茶の水小・幼稚園の改築関連工事の入札で、情報を漏らすよう元区担当部長らに働きかけ、配管工事会社「日管」(浜松市)の元取締役と設備工事会社「五建工業」(千代田区)の担当者から見返りに10万円分の商品券を受け取ったり、飲食代を負担してもらったりした疑い。

 

 

 

 事件

東京 千代田区官製談合事件 あっせん収賄容疑 元区議を再逮捕

東京 千代田区が発注した工事の入札をめぐる官製談合事件で、元区議会議員が入札情報を漏らした見返りに業者から商品券などを受け取っていたとして、あっせん収賄の疑いで再逮捕されました。

再逮捕されたのは、千代田区の区議会議員だった嶋崎秀彦 容疑者(64)です。

 

嶋崎元議員は2020年5月に行われた区立小学校と幼稚園の改築工事の入札をめぐり、入札に参加する業者の数などを事前に2つの業者に伝えたとして官製談合防止法違反の疑いで逮捕・起訴されていました。

入札ではこの2つの業者を含むJV・共同企業体が落札していて警視庁が詳しい経緯を捜査していました。

その結果、区の職員を通じて入札情報を聞き出すよう依頼を受けて便宜を図った見返りに、2020年6月から9月にかけて業者から▽商品券10万円分を受け取ったり、▽料亭での飲食代およそ6万円や▽自宅の改修工事代金およそ17万円を負担させたりしていたとして、あっせん収賄の疑いで9日、再逮捕しました。

業者側の贈賄罪については時効が成立していますが、捜査関係者によりますと、千代田区では、一部の業者が「千代田区災害対策管工事協力会」という任意団体をつくり、当時、会長を務めていた浜松市に本社がある会社の元役員を通じて、落札したい工事を元議員に依頼していたとみられています。

元議員はほかの3件の工事でも入札情報を漏らしたとして起訴されていて、警視庁は不正が常態化していたとみて調べています。

事件の構図

これまでの捜査で明らかになった事件の構図です。

警視庁によりますと、区議会議員だった嶋崎秀彦 容疑者は、区の行政管理担当部長だった吉村以津己 被告を通じて入札の情報を得ていたとみられています。

それを嶋崎元議員に持ちかけていたとみられるのが、区内の任意団体、「千代田区災害対策管工事協力会」です。

この「協力会」は給排水の設備工事などを行う一部の業者、十数社で構成され、2010年には災害時に協力することを盛り込んだ協定を区と結んでいますが、警視庁は、実態としては“談合”を調整するための組織だったとみています。

「協力会」の会員の業者は、当時、会長を務めていた浜松市に本社がある会社の元役員を通じて、それぞれ落札したい工事を元議員に依頼していたとみられています。

そして、元議員は便宜を図った見返りを業者側に要求するなどして、商品券や飲食代の立て替えなど、さまざまな形で利益供与を受けていた疑いがあることがわかったということです。