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EU、米アップルに制裁金 2900億円、市場競争を阻害
【ブリュッセル共同】欧州連合(EU)欧州委員会は4日、米アップルに制裁金約18億ユーロ(約2900億円)を科すと発表した。スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」のアプリ販売市場を巡り、支配的地位を乱用し音楽ストリーミング市場の競争を阻害したと判断した。
【写真】アップルのビジョン・プロ 価格は3499ドル(約51万円)
欧州委はスウェーデンの音楽配信大手スポティファイなどの苦情を受け調査していた。アップルが、ユーザーが自社のアプリ市場「アップストア」外で安価な音楽配信サービスに切り替えるのを妨害していたとして、EU競争法(日本の独占禁止法に相当)に違反すると判断した。
欧州メディアによると、同法に基づき欧州委が命じた中では過去3番目に高額な制裁金となった。
アップルは声明を出し、不服申し立ての手続きを行う考えを示した。
欧州委は、アップルがアプリ開発者に、切り替えに必要な情報の提供を禁じたことで、多くの利用者が著しく高い料金を支払うことになった可能性があるとして問題視した。
EU、アップルに約18億ユーロの制裁金 音楽配信アプリで他社制限
欧州連合(EU)の行政府にあたる欧州委員会は4日、米アップルに対し、18億4千万ユーロ(約3005億円)の制裁金を科すと発表した。アップルが、自社のアプリストア以外からは音楽配信アプリなどを取得できないようにして高い手数料を課すのは、EU競争法(独占禁止法)違反にあたると判断した。
音楽配信アプリ「スポティファイ」が2019年に起こした申し立てを受け、欧州委が20年から調査していた。
スポティファイは、iPhoneなどのアップル製品でアプリを取得する場合、「アップストア」以外を認めないのは「意図的に選択肢を制限し、他のアプリ業者に不利益をもたらしている」と主張。さらに、アプリ内課金をする際、アップルに支払わなくてはならない最大30%の手数料を価格に反映させると、アップルの音楽配信サービス「アップルミュージック」より「はるかに高く、人為的に価格をつり上げることを余儀なくされる」とし、アップルが自社を優遇しているとして欧州委に苦情を申し立てていた。
欧州委は調査の結果、アップルは手数料を得るために、スポティファイなどが自社サイトで提供する安価なプランに消費者を誘導できないよう制限していたと認定。欧州委でデジタル政策のトップを務めるベステアー上級副委員長は「アップルは10年間にわたって音楽配信アプリ市場で支配的な地位を乱用し、消費者が代替の安価なサービスに触れることを制限した」と評価した。
朝日新聞社