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毎日新聞2024/3/3 大阪朝刊589文字

MBS発 映像’24 記者たち~多数になびく社会のなかで~ きょう深夜0時50分

メディアの変節にも ジャーナリズムは普遍 書くことで闘う姿を追う

 記者が辞めてゆく。そんな時代を迎えるとは、思いもよらなかった。

 

MBSに私が入社した1987年、新聞社出身の役員や幹部が多くいた。いずこも新聞は欠かせなかった。今、新聞を読まない人が増えている。日本新聞協会によれば、新聞発行部数は、この1年で225万部余りも減った。過去最大の減少率。減少幅が大きいのは大阪だという。

 

 私も記者だった。「10年は記者をやらないとドキュメンタリー制作はできない」、20代に先輩からそう言われた。入社時の社報に「打たれ強くなる」と目標を掲げるほど当時は自信に欠け、10年も記者を?と心配したが、光陰矢のごとし。その後、ドキュメンタリー制作に転じ、報道に携わる職場で35年目を迎える。メディアの変節を内側から痛いほど肌身に感じてきた。ジャーナリズムは普遍で、その軸は変わらないと思うのだが。