高校担任の教科は「生物」
恩師の
〈天竜川における水生昆虫群集の構造および季節変動〉
を掲載しました。
あまりに汚い
NHKも、予算委員会を報道せず
コソコソかくれさせ、
あまりに汚い
民主野田・安住たちのドロボードロドロ金権千葉濱田・カルト岸田との取引
年度内に 新年度予算を成立する必要はない!
みてるぞ!
あらゆる手立てを尽くし
牛歩で闘え!
~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~
https://www.jstage.jst.go.jp/article/rikusui1931/35/4/35_4_173/_pdf
Jap.J.Limnol.,35.4,173-182,1974.
天竜川における生昆虫群集の構造,biotic indexおよび季節変動
小 松 典
Aquatic Insect Communities of the Tenryu River, their Composition, Biotic Index and Seasonal Change Tsukasa KOMATSU
Abstract Ecological studies were made of the aquatic insect communities in the Tenryu River, Central Japan, in the summer of 1967, with special reference to their composition, the biotic index calculated according to BECK-TSUDA's method. During the years from 1968 to 1969, the seasonal change of aquatic insect communities and the biotic index were studied in the area of polluted water by wastes from the KP pulp plant located in the upper reach. The results are as follows 1. In July, 1967, the aquatic insect fauna was poor in the Tenryu because of various reasons. The net-spinning caddis-worm Hydropscyche ulmeri was dominant at most stations there. 2. The aquatic insect communities were composed of 20 to 29 in the number of species, of which the maximum numbers attained in May, the minimum in July, at the station Tatsuno-A (relatively clean water) in the samples by using a quadrat (50•~50cm). The number of species at Tatsuno-B (150 meters down from the KP pulp plant) was 2 to 4, and that at Shinmachi (2 kilometers down from the same plant) was 8 to 14. 3. The individual numbers and standing crops of many species of aquatic insects became minimum in summer in quadrat samples at Tatsuno-A, and increased from autumn till winter. 4. The seasonal change of the biotic index was 37 to 53 at Tatsuno-A, 3 to 7 at Tatsuno-B, and 12 to 25 at Shinmachi.
ま え が き
天竜川は長野県の諏訪湖に端を発し,伊那谷を流下して愛知,静岡両県下を流れて太平洋にそそぐ流程約216kmの川である.
天竜川の水生昆虫群集については川合(1964)による平岡,佐久間ダム付近の調査報告,および,町田ら(1964)が河川の漁業被害度の評価のための生物学的指標法を求めることを目的として,辰野より伊那までの水域について調査した報文がある.
筆者は1967年7月,岡谷より天竜峡に至る天竜川の上,中流域の水生昆虫群集の調査,およびBECKTsuDA法(BEcK1955,津田ほか1960,津田1964, 小松1968)による生物学的水質:判定を行なった.
また, 1968年,1969年にはKP廃水の流入による水質汚濁の著しい辰野付近において,水生昆虫群集およびbiotic indexの季節変動について調査したので報告する.
本文に入るに先だち,ご指導とこ校閲をいただいた奈良女子大学津田松苗教授に対し,厚くお礼を申しあげる. 調査地点および調査方法天竜川の上中流域における水生昆虫群集の調査,およびBEcK-TsuDA法による生物学的水質判定は,1967年7月上旬諏訪湖より約4km下流の川岸より天竜峡(諏 訪湖より約85km下流)までの10地点(Fig.1) について行なった.水生昆虫群集およびbioticindex の季節変動についての調査は,KP廃水の流入地点より20m上流のSt.2辰野A,KP廃水の流入地点より150m下 流のSt.3辰 野B,KP廃水の流入地点
天竜川の水生昆虫群集より2km下流のSt.5新町の3地点について,1968 年3月より1969年1月まで隔月に行なった. 水生昆虫の採集は各調査:地点の早瀬において,50cm ×50cmのコドラートおよびちりとり型金網を用いて2回定量採集した.現存量はトーシ ョンバランスを用いて種別に湿重量を測定した.
調査結果および考察
1.上,中流域における水生昆虫群集およびbiatic index 1.環 境 要 因 調 査 地点 の環 境 要 因 はTable1,Fig.2に示した. 採集時の水温は21'》30。Cである.St.2辰 野A,
St.3辰野Bが約21℃で上流地点より低いのは,支流横川川(水 温19℃)が流入しているためと考えられ,St.9市田が上流のSt.8飯島より低下しているのは,支流の小渋川が合流しているためと考えられる. pHは6.9~8.6である.St.1川岸の高いのは諏訪湖で大繁殖した植物プランク トン(優占種は.Microcystis)を多量に含んでおり,それらが光合成を盛んに行なっているためである.
St.2辰野Aでは7.1に低下しているが,St.3辰野Bで急に8.2に高まっているのは,KP廃水(pH8~10)が 流入しているのが原因である.St.4辰野Cから下流は,支流の流入等により次第に低下し,St.10天竜峡 で再び8.5に高まっているのは,上流での付着藻類の光合成の結果が集積されたためと考えられる. 流速は0.6'》2.3m/sec.,底質は各地点とも石礫底である.
水色はSt.1川岸では諏訪湖の湖水と同様iに緑色, St.2辰野A付近では横川川の流入により透明となるが,St.3辰 野B~St.7伊 那まではyKP廃水の流入により暗褐色ないしは淡褐色になり水面に水泡が多い. St.8飯島よりSt.10天竜峡まではわずかに濁る程度となる.
2,水 生 昆虫群集
(1)水 生昆虫群集 の構成種数:
Fig.3は 各調査地点 にお ける,1コ ドラA一一トあたりの水生昆虫群集の構成種数を示したものである.10 地点の構成種数は1~11種 で}わが国の河川の早瀬における水生昆虫群集の構成種数としては少ない.その原因は各地点により異なっていると考えられるが,共通の原因の1つはFig.7に示したように,調査前の7月上旬に降雨により流入量が増加し,水生昆虫群集が打撃を受けたためと考えられる. 辰野Bは2つのコドラートとも1種採集されたのみで,きわめて少ないのは,KP廃水の流入による水質汚濁が原因していると考えられる(小松1964).またSt.9市田の場合も4~5種と比較的少ないのは, この地点の8km上流に支流小渋川が合流し,この川では当時ダム建設工事 が行なわれ,それによる水質汚濁が影響 しているものと考えられる(小松1971). 水生昆虫群集の構成種数を目別にみると,多くの地点はカゲRウ目,トビケラ目,双翅目よりなり,それ に若干昆虫以外の種が加った群集である.
(2)水 生昆虫の個体数 および現存量 Table2に水生昆虫の個体数および現存量を示した. St.1川岸ではHydropsycheulmeyi,Erpobdella lineataの個体数:,現存量が多く,Baetisthermieus, Hydyopsychodesbrevilineata,Spaniotomasp.の個体数も次いで 多い.St.2辰野Aでは助 〃oρsッo加 ulmeri,Spaniatomasp.の個体数が最も多く,次いで カゲロウ目が6種採集され,各種の個体数が比較的多い.カゲロウ類の多いのは清洌で,カゲロウ類が多く息生してい る横川川が流入しているためであ る.現存量では 五砂4mρ5夕 酌enJme万が圧倒的に多いa St.3辰 野BではTendipessp.しか採集できなかったが,これ はKP廃水が流入し水質が著しく汚濁しているためである.
St.4辰野CはKP廃水流入地点より1km下流であ るが,1コドラ.一,トあたり8種採集されSpaniotomasp.の個体数が多い.
St.5新町ではSpaniotomasp.よびHydropsyche ulmeriの個体数が多く,現存量では功 〃oρsッ罐e ulmeyiが 最も多い.
St.6沢およびSt.7伊那では Hydyopsycheulmeyiの個体数,現存量が最も多く, Spaniotomasp.の個体 数も次いで多い.
St .8飯島ではカゲロウ目が比較的多く採集されているが,各種の個体数は比較的少ない.
St.9市田では種数,個体数ともに少ない.これは前述のように小渋川のダム工事の影響を受けているものと考えられる.
St.10天竜峡ではHydyopsycheulmeyiが個体数,現存量ともに最も多い.
以上のことから天竜川の底生動物群集は多くの地点ではトビケラ目のHydyopsycheulmeriの個体数 現存量が多く,次いでSpaniotomasp.およびHydyo・ psychodesbyevilineataの個体数が比較的多い.
さらにそれらにカゲロウ目,Eypobdellalineata,Asellushilgendorfiが加っている群集であって,カワゲラ 目がみられないのが特徴的である(1968年にはカワゲラ目の.Pseudomegarcysjaponicusが 採集 され た).
Fig.4は1コドラートあたりの水生昆虫の目別現存量を示したものである.
10地点における水生昆虫全体の現存量の最も多いのはSt.5新町であり,1,422 mg,1,974mgである.こ の量は河川の水生昆虫の現存量としては比較的少ない方である(津 田1962).
最も少ない地点はSt.9市田およびSt.3辰野Bで, 70mg以下である.この原因はSt.9市田では支流小渋川のダム建設工事による水質汚濁の影響を受けているためであり,St.3辰野BではKP廃水の流入によ る水質汚濁によるものと考えられる.St.8飯島では153mg,172mgと少ないのは,この地点の18km上 流に,洪水で名高い三峯川が流入しており,この年の7月上旬にも降雨により増水し,底生動物群集が破壊されてまだ回復していないためと考えられる. 以上のように天竜川の夏の底生動物の現存量は各地 点とも比較的少ないのは,この年の7月上旬の増水による:影響,諏訪湖の湖水の汚濁,パルプ工場の廃水の流入による水質汚濁,ダム工事による水質汚濁などによる影響を受けているためと考えられる, 3.Bioticindex BECK-TSUDA法 によってbioticindexを求めた結果をFig.5に示 した.St.1川岸からSt.2辰野Aまではbioticindexは11~18で「やや汚濁」の階級に属する.これは天竜川の水源になっている諏訪湖の汚濁のためである.St.3辰野Bでは1に低下し,「きわめて汚濁」の階級に属するのはKP廃水の流入による.その後St.4辰野Cでは13に回復しているのは, 小支流の流入による汚水の稀釈と川の自然浄化のためと考えられ(小松1964),その後St.8飯島までは 11'》16でやや低く,St.9市田では8に低下し「かなり汚濁」の階級に属する.これは小渋川 よりダム建設工事による汚水が流入しているためと考えられ(小松 1971),その後St.10天 竜峡では16に回復している.
以上,天 竜川のbioticindexに基づいて水質判定を行なった が,調査前7月上旬に降雨により増水し, 各地点とも水生昆虫群集が打撃を受けていることを考慮:すると,若干bioticindexが低目になっているものと推定される.
II.辰野付近における水生昆虫群集および bioticindexの 季節変動
1.環境要因の季節変動
Fig.6は辰野A(KP廃 水流入地点より20m上流),辰野B(KP廃水流入地点より150m下流),新町(KP廃水流入地点より2km下流)の3地点における水温,pHの季節変動を示したものである. 水温は辰野Aの場合7月に20.5。C,1月に3。Cで年間を通して下流の辰野Bよ り2~6。C低く,7月,9 月は両地点の差が比較的少ない.辰野Bが辰野Aよりわずか170m下流であるのに,このような水温の差がみられるのは,KP廃水(26.C,1968年11月)が流入するためである.新町の水温は年間を通じて辰野Bと大差がない. pHは辰野Aは年間を通じて7.2'》7.8であるが,辰野Bは8.4~9.8で著しく高い値を示す.この原因はKP廃水(pH8~10)の流入によるものである.新町のpHは辰野Aに近い値かまたは辰野Aと辰野Bの申間の値を示している. Fig.7は天竜川の流水量を建設省天竜川上流工事事務所が伊那富(新 町付近)で観測されたものである. 水生昆虫群集の季節変動の調査を行なった1968年には,年間の流水量のピークが4月と8月にみられ,8月は年間の最大値を示している.これは6号台風による降雨のためである.10~2月の流水量は比較的少なく8月の20%以下である.
2.水 生昆虫群集の季節変動
(1)構成種数の季節変動 Fig.8は3地点における1コドラートあたりの水生
昆虫群集の構成種数の季節変動を示したものである. 辰野Aにおける隔月毎の種数は20~29種で5月に年間の最高となり,7月には最低の種数を示す.辰野Bでは年間を通じて2~4種ときわめて少ない.この原因はKP廃水の流入による水質汚濁のためである.新町では8~14種で5月および7月 の種数が比較的多い. 新町は年間を通じて辰野Bより種数が多いのは,小支流の合流による汚水の稀釈と川の自然浄化によるものと考えられる. Fig.9はKP廃 水の影響を受けていない辰野Aにおける,水 生昆虫群集の目別構成種数を示したものである.年間を通じてカゲロウ目,トビケラ目の種数が多く,それに双翅目,カワゲラ目およびその他ご)種が若干加わった群集であり,季節により著しい差がみられない.
(2)水生昆虫の個体数および現存量の季節変動 Fig.10は3地点における,1コドラートあた りの水生昆虫の現存量の季節変動を示したものである. 辰野Aの現存量は7月および9月には少なく,4.9~ 5.89であるが,他の時期には11.4'》15.39である. この値は,わが国の河川の瀬における水生昆虫の現存量としては最も多い階級に属する.各月の現存量を目劉にみると,9月を除いてはいずれもトビケラ目が全体の70'一86%を占めている.トビケラ目の現存量の大部分は造網型の種で占められていることから造網型係数が高く,瀬における水生昆虫群集の極相にあるものと考えられる(津田・御勢1964).辰野Aにおいて7 月,9月 に現存量が減少している理由は,この地点における優占種である功〃oρsッ6勿ulmeriと 次いで現存量の多いHydropsychodesbrevilineataが 羽化したためである.9月には広翅目のPyotoheymes grandisが現存量の38ー0を占めているのが目立つ. 辰野Bでは年間を通 じて現存量が150mg以下できわめて少なく,貧腐水性水域の辰野Aの現存量の0.6 -v2ーoである.各月の現存量を種別にみる と,Hydropsycheulmeri,Asellushilgendorfi,Erpobdella lineata,Tubificidaesp.
で全体 の63^一9400を占めている.これらの種はいずれも有機汚濁に耐忍性の比較的強 い種である.KP廃水による水質汚濁が続く場合,これらの種による貧弱な群集しか形成され ないことを示している. 新町においては年間の現存量は0.6'》2.8gで辰野Bより多いが,貧 腐水性水域の辰野Aの現存量に比し7月は49%であるが他の月は10'》27%である.各月 の現存量を種別にみると,辰野Bと同様にHydyopsytheulmeri,Asellushilgendorfi,Erpobdellalineataで全体の66'》97%を占め ている. Fig.11は貧腐水性水域である辰野Aにおいてほぼ年間を通じて採集され個体数の 比較的多い種について,個体数および現存量の季節変動を示したものである.年間を通じて個体数および現存量の多い種はトビケラ目のHydropsycheulmeriである.本種の主要羽化 期は春で5月に多くの蠣がみられたが,個体数, 現存量の最大は11月,最小は9月であった.
Hydro・psychodesbyevilineata,Spaniotomasp.,Mystyophoramops,Ephemerellarufa,Baetisthermicus は3月または5月に個体数,現存量が年間の最高を示している. Hydyopsychodesbrevilineataお よび Mystrophorainopsの 主要羽化期は春で,3~5月 に多くの蠕がみられた.
Stenopsychegyiseipennisは年間を通じて個体数は少な いが,現存量は冬に増加してい る.Antochasp.,.Ephemeyellanig'raは5月および11月または1月に個体数および現存量 が増加している.前述の多くの種は,7月または9月に個体数および現存量が年間の最小値 を示しているが,Baetiella japonicaは7月に個体数および現存量が最大値を示しているの が注目される. 以上貧腐水性水域における水生昆虫群集の主なる種の個体数および現存量 の季節変動について述べたが, 種により個体数,現存量の季節変動の型に差異がみられる.しかし,多くの種は夏に採集される個体数,現存量が年間の最少を示し,秋から春にかけて増加している傾向がみられる.従って,水生昆虫群集全体の現存量も環境要因の激変がない場合にはわが国の河川に関する多くの調査資料が示すよ うに(小泉 ・西脇1957, 西村1960,斉X1964,小松1964,田申1966,水野他 1966),その群集を構成している優占種の生活史に基づく現存量の増減によって支配され,夏には少なく秋から春にかけて年間の最大値を示すことになる.
3.Bioticindezの季節変動 Fig.12は3地点におけるbioticindexの季節変動を示したものである.辰野Aにおける年間のbiotic indexは37一 一一53で,何れの月も水質は「清洌」な階 級に属し,5月には年間の最高値を示し7月,1月には最小値を示している. 辰野Bにおいては年間を通じて3一'7で,5月を除く他の月はいずれも5以下で水質は「きわめて汚濁」の階級に属する.パ ルプ工場の操業は年間を通じて行なわれており,各月の採集時における工場からの廃水の放出量には大差がみられなかったが,天竜川の流水量はFig.7に示したように月毎に変動し,4月と8月にピ._._クがみられ,8月には年間の最大値を示している.こ れらのことから水質汚濁の程度はある範囲内で年間を通じて変動していることになるが,biotic indexの 季節変動が比較的少ないことは,調査時における水生昆虫群集には現在の水質のみな らず過去の水質の影響も反映しており,水質汚濁が多少回復しても短時日の うちにその水質に対応した水生昆虫群集が形成されないことを物語っている.
新町における年間のbioticindexは12~25で, 5月,7月 はいずれも20以上の値を示し,水 質は「清 洌」な階級に属するが,他の月の水質は「やや汚濁」の階級に属する。5月にbiopicindexの 高まるのは 3地点とも共通にみられる現象である。
摘要
1)天竜川におけ る水生昆虫群集およびBECKTSUDA法によるbiotic童ndexにつ いて1967年に調査した.また,KP廃水の流入による水質汚濁の著し い辰野付近における水生昆虫群集およびbioticindex の季節変動について1968年'一1969年に調査した.
2)10地 点 の夏の水生昆虫群集 の0.25m2あたりの構i成種数は1~11種で少ない.多くの地点では トビ ケラ目の 」の4mρ ε効e"m7fの 個体数,現存量が最:も多い.
3)夏 の水生昆 虫群集の現存量は各地点とも比較的少ない.その原因は地点により異なるが,降雨による増水,水源である諏訪湖の水質汚濁,KP廃水の流入による水質汚濁,ダム工事による水質汚濁などがあげられる.
4)10地点の夏 のbioticindexは1~18で 比較的低く,特にKP廃水の流入している辰野Bで は1で水質はきわめて汚濁している.
5)水生昆虫群集の構成種数の季節変動をみると, 貧腐水性水域の辰野Aにおいては0.25m2あたり20 ~29種で5月に年間の最大となり7月に最:小となる. KP廃水の流入点 より150m下流の辰野Bでは2~4種,KP廃水の流入点より2km下流の新町では8 ~14種である.
6)辰野Aにおいては,種により個体数,現存量の季節変動の型に差異がみられるが,多くの種は夏に個体数,現存量が年間の最小となり,秋から春にかけて増加する型に属する.
7)Bioticindexの 季節変動をみると辰野Aは37 ^y35 s辰野Bは3~7,新町では12~25と なる.
文献
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