庭の柿の木が地面ごと2mほど低くなっていた
  「地面がすごい下がっている」
  能登半島地震のすさまじさ-原発のこわさ
 

 柳田 真(たんぽぽ舎共同代表)

◎新聞に載っていた記事に改めて「地震のこわさ」を思う。
 能登半島地震(マグニチュード7.6の大地震)で、石川県珠洲市のAさんの家の庭の柿の木が2mも低くなっていたという記事だ。
 地面がすごく下がっていたわけだ。
 もし、この能登半島地震が原発をおそったらどうなるだろうか?

◎原発の配管はズタズタになり、原発は崩壊し、放射能(死の灰)がわんさと出てくる。
 たとえば、茨城県にある原発=日本原電の東海第二原発(110万kw、沸とう水型)は、老朽で46年になるオンボロだが、13年前の東日本大震災でも傷ついた原発だ。
 その東海第二原発が、マグニチュード7.6級、能登半島地震クラスの大地震におそわれたら、原発は崩壊し、大量の放射能が、東京圏へ押しよせる。
 茨城と東京圏の間には、途中に大きな山がない、平野が多いから5から6時間ほどで東京駅へ、たんぽぽ舎のあるJR水道橋へ放射能が押しよせる。
 私たちと子どもたちの生きる未来のために、2024年9月の日本原電東海第二原発の再稼働をなんとしても止めよう。

その一つが、3月11日(月)の日本原電本店抗議行動(17時より18時15分)と、東京電力本店合同抗議行動(19時より20時15分)だ
 ぜひ、2つの行動に来てほしい。東京電力は日本原電へ2200億円を貸しているケシカラン会社だ。

 

 

東海第二原発 広域避難計画 複合災害 山田修村長「想定せず」
  能登半島地震受け初言及
  「国の原子力防災 致命的な欠陥」
  規制委、政府、自治体が一体となって住民の命を守るための防災のあり方を抜本的に見直すべき…小野沢健太

 └──── (2月29日「東京新聞」朝刊1面より)

 首都圏唯一の原発である日本原子力発電東海第二原発の重大事故に備え、立地自治体の茨城県東海村が昨年12月策定した広域避難計画について、山田修村長は28日の定例会見で、地震や津波と原発事故が同時に起きる「複合災害」の想定が現在はされていないとの認識を示した。
 村側は1月、避難計画に関する立憲民主党の聞き取りに、現時点では複合災害の想定が不十分との認識を示していたが、村長が直接言及するのは初めて。(出来田敬司)

 能登半島地震では、北陸電力志賀原発(石川県志賀町)周辺の避難ルートが寸断されたことを受け、記者の質問に答えた。
 山田村長は「複合災害の場合を含めれば、(避難計画を)ゼロから検討するしかない」と述べた。「道路の損壊などは村だけでなく、周辺の自治体や国、県が入ったところで議論される」とし、村単独での対応の難しさにも言及。具体的な見直しには触れなかった。

 東海村が昨年末に公表した避難計画では、全村民約3万7000人が約130カ所の避難先に原則、自家用車で避難する。
 高齢者など支援が必要な人や自家用車がない人のためのバス、福祉車両などの手配の見通しは立っていない。

 東海第二原発を巡っては、茨城県内や東京都内など9都県の住民が運転差し止め訴訟を係争中で、(中略)
 今月20日にあった東京高裁での控訴審弁論で、住民側は能登半島地震の被災状況から、原子力規制委員会が事故時の防災指針で住民の被ばく対策としている屋内退避は「複合災害では不可能」などと、避難計画の不備を改めて主張した。

<解説>

 地震や津波で建物や交通網に被害が出た場合、原発事故時の避難計画はまったく役に立たない。茨城県東海村の山田修村長の発言は、原子力防災の致命的な欠陥を端的に示している。
 原発30キロ圏内の自治体に義務付けられている避難計画は、原子力規制委員会が策定した指針を基に作る。指針が定める住民の被ばく防止や避難の方策は、あくまでも自然災害への対処ができていることが前提だ。

 能登半島地震では多くの家屋が倒壊し、道路も寸断。原発事故が起きていれば、被ばくを避けるために建物内にとどまることも、避難することも困難だった。
 東海第二原発の事故時に避難が必要な30キロ圏内には、90万人を超える人が住む。
 原発事故は、大きな自然災害とともに起きる。
 13年前に起きた東京電力福島第一原発事故が突き付けた。
 運転中の原発も含めて一度立ち止まり、規制委、政府、自治体が一体となって、住民の命を守るための防災のあり方を抜本的に見直すべきだ。
                         (小野沢健太)
                       (2月29日「東京新聞」朝刊1面より)

https://www.tokyo-np.co.jp/article/312045

≪発信担当者の『ひとりごと』≫
 <解説>を書いた小野沢健太氏の最後の文章…
 「運転中の原発も含めて一度立ち止まり、規制委、政府、自治体が一体となって、住民の命を守るための防災のあり方を抜本的に見直すべきだ。」
 この指摘を、「規制委、政府、自治体」がきちんと聞いてくれるとどんなによいだろうと思う。
 逆に言うと、「規制委、政府、自治体」が、いままで住民の声を聞いていない、取り上げていないということを改めて実感する。


たんぽぽ舎です。【TMM:No4984】地震と原発事故情報 より