西田昭二 総務大臣政務官に

「旧統一教会との接点」が浮上

国会では“うそ”の答弁を

繰り返していた!

 

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

 

【証拠写真】岸田政権の総務大臣政務官に「旧統一教会との接点」が浮上…国会では“うそ”の答弁を繰り返していた!

写真が示す「旧統一教会との接点」

西田議員のFacebookより

 真夏の西日に照らされた、30人ほどの老若男女が写った集合写真。Tシャツ姿の若者たちと、ダークスーツを着込んだ高齢の男性たちが同じ1枚に収まる構図が、なんとも言えないコントラストを生みだしている。 

 

【写真】総務大臣政務官と旧統一教会…両者の接点を示すスナップはこちら…!

 

 彼らは何者なのか。写真をよく見ると、掲げている横断幕にはこうある。

 

 ---------- 

 

〈PEACE ROAD 2015 in Nanao 2015/8/7〉

 

 ---------- 

 

 これは、15年8月7日、石川県七尾市にある道の駅「能登食祭市場」で行われたピースロードと呼ばれるイベントで撮られた1枚なのだ。ピースロードとは、日本と韓国の若者たちが、自転車で両国各地をリレー走行し、世界平和を訴えていくというイベント。主催はUPF(天宙平和連合)で、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体である。  実際にイベントのホームページには、次のような記述がある。

 

 ----------

 

 〈ピースロードは、世界平和を推進するUPFの世界的な友好親善プロジェクトです。1981年、UPFの故文鮮明総裁が世界中のすべての人々を物理的に結ぶという国際平和高速道路を提案しました。ピースロードイニシアチブは、特に日韓を結ぶ海底トンネル構想とアラスカとシベリアを結ぶベーリング海峡計画の2つの事業を推進しています〉 

 

---------- 

 

 そして、この1枚は、写真の中央やや右側に写る、黒スーツに白シャツのひときわ大きな体格の男性のfacebookにいまもアップされているものだ(2月27日現在)。彼は当時、石川県議会議員だった西田昭二氏(54歳)。西田氏はその後、国会議員への転出を果たし、現在は、岸田政権で総務大臣政務官を務めている。

 

  つまり、この写真は、現政権を支える政務三役の1人が、過去に旧統一教会との接点があったことを示している。ただ、西田議員は、そのことを国会審議などの場で明かさず、これまでに“うそ”の答弁を繰り返しているのだ。 

 

 「西田さんは世渡り上手で目立ちたがり。とにかくパフォーマンスの男で、どこにでもホイホイ行って顔をだす軽い男だから、旧統一教会のイベントに参加していてもおかしくはないね」  自民党石川県連の関係者はそう指摘する。

 

前任者の不祥事を受けての抜擢だったが…

 

西田議員のFacebookより

 

 七尾市議、石川県議を経験した西田議員は、2017年の衆院選で石川3区から出馬して初当選。22年8月から約1年間、国土交通大臣政務官などを務めた。

 

その後、自民党派閥の裏金問題が明るみになると、岸田政権を中核で支えた安倍派の政務三役が次々と交代。西田議員も、前任者の辞任を受けて、急遽2度目の大臣政務官を務めることになった。 

 

 「前任者の不祥事を受けての抜擢ですから、岸田文雄首相としては、絶対に失敗できない人事です。だからこそ政務官の経験があり、同じ派閥でもあった西田さんを信頼して登用したんです」(宏池会関係者) 

 

 ところがその西田議員に、旧統一教会と接点があったことが浮上したのである。西田議員のfacebookには、前出の集合写真のほかにも複数の写真が投稿されていて、なかにはピースロードを周知するための巨大地図に、ほかの参加者とともに激励メッセージを寄せ書きしている姿を写した写真もある。 

 

 「22年7月にあった安倍晋三元首相の銃撃事件後、旧統一教会が、自民党の政策や政権運営に及ぼしてきた影響に注目が集まりました。自民党や朝日新聞などのメディアは、各議員に対して、教団との過去の接点を確認するアンケート調査を行いましたが、西田さんはいずれの調査に対しても教団との関係を否定しています」(全国紙政治部記者) 

 

 そのうえで西田議員は国会でも“うそ”の答弁を行っているのだ。国土交通大臣政務官に就任後の臨時国会で、立憲民主党の小宮山泰子衆院議員が、旧統一教会との関わりについて「会合への出席」「選挙応援」「政策協定書(推薦書)へのサイン」という3つの観点から問うたところ、西田議員は次のように答弁している。

 

 ---------- 

〈一番の、旧統一教会またその関係団体の会合に出席したことはございません。

二番目の、旧統一教会またその関係団体から組織的な選挙協力を受けたことはございません。

三番目の、旧統一教会またその関係団体の推薦確認書にサインしたこともございません〉

(22年10月28日付国土交通委員会会議録)

 ---------- 

 

 このような国会答弁とfacebookの写真との矛盾について、西田議員に直接尋ねた。

 

 

「ちょっと確認してみないとわからない」

 ――15年8月7日に、旧統一教会の関連団体が主催したピースロードというイベントに参加していませんか。 

 

 「ちょっと、確認してみないとわからない」 

 

 ――自民党の調査や、国会での答弁では、教団との関係はなかったと言っています。 

 

 「もちろん関係ないですし、要請があったときもお断りをしていました」

 

  ――要請? 

 

  「選挙の要請、(旧統一教会側が西田議員の選挙活動を)お手伝いするとかっていうことが、(17年10月の)国会議員の初挑戦のときもありましたけど、すべてお断りはしておりますけれど」

 

  ――自民党などの調査では、県議時代までさかのぼって教団との接点を調べて、そのうえで関係はなかったと回答したのでしょうか。 

 

 「過去のことまではわからないですから、わからないですから。衆院議員の立場になってからの、あの、過去を全部調べました」

 

  ――西田さんの記憶では、県議時代に教団との接点があったかどうか、覚えていないのですか。  

「あの、もう(予定表などの記録が)手元になにもないものですから、ちょっとわからないんですけれども」

 

  教団との関係はなかったという説明は、あくまで国会議員になって以降の活動に限られ、県議時代は含まれないという。また、安倍元首相の銃撃事件によって、旧統一教会に対する社会的な関心が高まる以前から、西田議員は、教団の活動に問題意識があったことも強調するのである。

 

  一方、西田議員側には、衆院議員2期目をめざす総選挙に臨んでいた21年10月にも教団からのアプローチがあった。前出とは別の自民党石川県連関係者が明かす。

「旧統一教会みたいな話をされた」

 「選挙区内にある内灘町のA町議から、旧統一教会のイベントに参加するよう誘われています。西田さんは当時、情勢調査の支持率が伸びず、野党候補に追い上げられて焦っていた。当初は『自分ひとりの力で勝つ』と意気込んでいましたが、このままでは危ないとわかると、ビラやハガキなどあらゆる配布物に岸田首相とのツーショット写真を載せて、岸田さん頼みに方針転換しています。 

 

 そのうえで旧統一教会の力にもすがりたかったのでしょうが、結果的には、日程が合わずに参加を断念したようです」 

 

 この点に関して、西田議員は次のように説明する。

 

  ――A町議から、旧統一教会関連のイベントの案内がありましたか。 

 

 「うん。お断りしましたけど」

 

  ――それは、どのようなイベント? 

 

  「あの、わかんないから、旧統一教会関連みたいな話をされたので、『私は行きません』って」 

 

 ――A町議から、旧統一教会という言葉が出たのか。

 

  「あの、そこまでははっきり、出たかは記憶はわかりませんが。そういう(旧統一教会の)流れをくんでいる可能性があるみたいな話は、ちらっと。その話をいただいたときに『私は、それでは行けませんから』ってお答えはしています」 

 

 ――すると、当時から、旧統一教会関連の団体とは接点をもたない方がいいという問題意識があった。 

 

 「旧統一教会っていうことについては、はい、あの、私はすべてお断りしておりますけど」

 

  一方のA町議にも電話で話を聞いた。

 

 

次ページは:浮き彫りになった「認識の違い」

 

浮き彫りになった「認識の違い」

 ――21年の総選挙中、西田さんを旧統一教会の関連イベントに参加するよう呼びかけましたか。  「私がですか? それは全然ないですけど」

 

  ――西田さんの選挙を応援する目的で、教団関係者と引き合わせたこともなかったか。

 

  「だって、私、旧統一教会(の信者)ではないもの。浄土真宗ですから。そういう宗派の違うところは、頭から否定しますけど」 

 

 旧統一教会の関連イベントへの参加をめぐって、認識の違いが浮きぼりになった西田議員とA町議。一方、前述のように、参加を見送ったのは、日程が合わないという偶然の産物だった可能性が高いのだが、西田議員は鼻高々だったという。

 

  「総選挙後から1年後に教団の問題に焦点があたるようになると、西田さんは、同僚の議員に『問題のある団体だから、あのとき僕は出席を断ったんだ』と胸を張っていました。当選回数では西田さんより上のその議員から『すごいな。やっぱり地方議員が長かったからしっかりしているな』と言われると、ますますうれしそうでした」(同前) 

 

 教団との関係について、西田事務所にあらためて書面で質問したところ、おおむね次のような回答があった。

 

 ---------- 〈県議時代に、道の駅のイベントに顔を出してあいさつしたことはありますが、旧統一教会のイベントとの認識はありませんでした。国会議員になってからも、旧統一教会の会合に参加したことはないと認識しているため、党本部からの問い合わせにも、そのように回答しています〉 ---------- 

 

 現在、旧統一問題との関係がとりざたされている盛山正仁文部科学大臣は、ごまかしや言い訳する姿勢にも批判が集まっている。西田氏の説明はどのように受け止められるだろうか。

 

  取材・文/宮下直之(『週刊現代』記者)