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毎日新聞

野党、茂木氏を追及 「無法状態」 後援会の使途不明な支出巡り

自民党の茂木敏充幹事長

 自民党の茂木敏充幹事長の資金管理団体から寄付を受ける政治団体「茂木敏充後援会総連合会」で使途の詳細がわからない支出が2020~22年に約9400万円あった問題を受け、野党は27日、衆院予算委員会の分科会で違法性の有無や規制の必要性などをただした。 

 

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 立憲民主党の井坂信彦氏は、使途の詳細がわからない支出が約98%に上ることを問題視し、「使い道のほぼ全てをわからないようにした場合はさすがに違法なのではないか。これが違法でないなら何でもありの無法状態だ」とし、規制が緩いとされる「その他の政治団体」への寄付、支出に対する規制が必要との考えを示した。

 

  これに対し、松本剛明総務相は「規制のあり方について議論をいただくとすれば、立法府において政党間で議論いただく。政党間の議論を総務省としては注視したい」と答弁。井坂氏が「茂木方式を放置すれば、みんながやりはじめて収支報告の制度が全く無意味になる」などと迫ったが、松本氏は「個別具体の政治活動の収支報告の評価についてコメントは控えたい」と述べた。【樋口淳也】

 

 

 

 

 

日刊ゲンダイ

自民“もう1つの裏金スキーム” 茂木幹事長、棚橋元国家公安委員長「1.3億円」使途不明金の悪辣

使途不明な支出がそれぞれ全体の97%(左から自民党の茂木敏充幹事長、棚橋泰文元国家公安委員長)/(C)日刊ゲンダイ

 

 パーティー裏金事件を巡って、与野党は衆院政治倫理審査会を28、29両日に開くことで合意しているが、自民党が審査会の「非公開」を要求。表で話せないほどヤバい中身だらけということに違いない。そんな中、安倍派がやっていた「キックバック不記載」とは別の“裏金スキーム”が浮かび上がった。こちらも、自民党内で平然と行われている可能性がある。 

 

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共同通信(25日配信)によると、茂木敏充幹事長の資金管理団体から寄付を受ける政治団体「茂木敏充後援会総連合会」と、棚橋泰文元国家公安委員長の政党支部や資金管理団体から寄付を受領する「棚橋泰文後援会連合会」で2020~22年、使途の詳細が不明な支出がそれぞれ全体の97%超、2団体で計1億3500万円以上あったという。

 

  政治資金規正法は、国会議員が代表を務める資金管理団体や政党支部について、人件費を除く1件1万円超の支出全てを収支報告書に記載するよう義務付けている。

 

  ところが、カネの受け皿となった2人の後援会は、使途の記載義務が甘い「その他の政治団体」に当たる。その他の政治団体は、1件5万円以上の支出のみが記載義務の対象だ。そのため、2人の後援会は使途の大半が不記載となっており、政治資金全体の流れがチェックできない状態になっているのだ。要するに、茂木氏と棚橋氏は記載義務が厳格な資金管理団体や政党支部から、記載義務が緩い後援会にカネを移し、支出を“隠蔽”したも同然なのである。 

 

 改めて日刊ゲンダイが調べたところ、茂木氏の後援会の3年分の収入は計9650万円。全て資金管理団体からの寄付だ。使途の98%が記載されていない。棚橋氏の後援会は、資金管理団体と政党支部から3年で計約4300万円を受領。97%が使途不明状態だ。

 

  茂木氏の後援会については、16~19年にも資金管理団体から約1億3120万円を受け取り、90%超が使途不明になっていることが分かっている。

 

 

宮越元沖縄北方相は6000万円

記載義務緩い後援会に金を移動、使途不明金は約6000万円以上(宮腰光寛元沖縄北方相)/(C)日刊ゲンダイ

 さらに、同じスキームに手を染めていたのが、自民党の宮腰光寛・元沖縄北方相(21年に政界引退)だ。やはり、宮腰氏が代表を務めていた資金管理団体と政党支部から、記載義務が緩い「宮腰光寛後援会」にカネを移動。11~16年で使途不明金が計約6000万円に上ることが判明している。

 

  こうした脱法的なやり口は、政治資金の収支の状況を国民に明らかにすることを目的とした政治資金規正法の趣旨に明確に反している。使途が不明な以上、裏金を疑われても仕方がない。 

 

 裏金事件の端緒を開いた神戸学院大教授の上脇博之氏はこう言う。 「茂木、棚橋両氏の後援会と資金管理団体は、事務所の住所と会計責任者、事務担当者がそれぞれ全て一致しています。そのため、後援会と資金管理団体は実質的に同一と見るのが妥当です。同一の団体ならば、資金管理団体から後援会にわざわざ寄付する必要はないはず。意図的に資金管理団体から後援会に資金を流し、使途を隠す目的があったとしか思えません。後援会にも資金管理団体や政党支部と同等な記載義務を課すべきでしょう」

 

  茂木氏は茂木派会長で棚橋氏は麻生派所属。宮腰氏は岸田派に所属していた。派閥に関係なく、多くの自民党議員が同様のスキームに手を染めていてもおかしくない。本当に、手を替え品を替えである。

 

 

 

 

2024年2月26日 13時08分東京新聞

岸田首相は「異常なパーティー好き?」 抜け穴作りの先頭に立つのか

自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件で、立憲民主党の野田佳彦元首相は26日の衆院予算委員会で、岸田文雄首相が政治資金パーティーを「2022年だけで7回、1カ月半に1回の異常なペースで開催していた」と指摘。

「ここまでパーティーが好きなのは異常」「政治改革大綱も守らない、大臣規範も守らない人が政治改革の先頭に立てますか」として首相の姿勢を批判した。(デジタル編集部)

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衆院予算委で質問する立憲民主党の野田佳彦氏=国会で

◆2022年だけで7回も

政務三役が対象の「大臣規範」では、大規模なパーティーの自粛を求めている。「政治資金の調達を目的とするパーティーで、国民の疑惑を招きかねないような大規模なものの開催は自粛する」と記載されている。

野田氏は、「2022年に7回もパーティーを開き、売り上げが1億5510万円、利益は1億3609万円。大規模パーティーに当てはまるじゃないですか。総理大臣自らが大綱を破り大臣規範を守らなかった。なぜか」と迫った。

岸田首相は「勉強会だ。国民の疑惑を招きかねないということには当たらない」と述べた。

「大臣規範は、国民の疑惑を招きかねないという点について国務大臣が判断をする、こうしたものであるというのが政府の従来の見解であったと認識している」と答え、なぜ繰り返し開催したかには正面から答えなかった。

◆「答弁する姿自体が嘘っぽい」

さらに野田氏は「ここまでお金を集めることに心を砕き、エネルギーをさくのか。ここまでパーティーが好きで、内閣総理大臣になってまでパーティーをやるのは異常だ。世襲でジュニアに移すための準備なのかなとすら思ってしまう」と指摘した。

2022年6月に広島であった岸田首相の首相就任を祝う祝賀会についても言及した。主催が任意団体だったものの、首相の事務所が受け付けをするなどしていたことから、「脱法パーティーではないか」とただした。

首相は「純粋な祝賀会。事務所にアドバイスがもらいたいと相談があったが事務所が主催ではない。当初、余剰金の取り扱いも決まっておらず、実質的にもこの政治資金パーティーではない」と答弁した。

それに対し、野田氏は「任意団体がやりました、といえば抜け穴になるから辞めた方がいいといっている。政治改革の先頭に立つ人がなぜ抜け穴作りの先頭に立つんですか。何の反省もなく答弁する姿自体が嘘っぽいと思いますね」と批判した。

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2/27(火) 14:10All Nippon NewsNetwork(ANN)
総理vs元総理 裏金めぐり追及 政倫審「公開」か「非公開」か…与野党が協議も平行線

 

 

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自民、「議員のみ傍聴」を再提示 政倫審、野党側は全面公開要求

衆院政治倫理審査会の幹事会が行われる予定の部屋の前に掲げられた看板=27日午前

 

 衆院政治倫理審査会の与野党筆頭幹事が27日、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた政倫審の開催を巡り国会内で協議した。自民は国会議員の傍聴に限って認める案を再提示。野党側は報道機関による取材を含む全面公開を求め、拒否した。これにより、午前に予定していた政倫審幹事会は延期された。公開の在り方を巡って与野党の対立が激化した。

 

 

  与党筆頭幹事を務める自民党の丹羽秀樹氏は、出席予定の5人の一部に全面公開を受け入れる意見があると明らかにした。  衆院で政倫審は過去9回開催。完全非公開は1例しかなく、報道公開されたのは公設秘書給与流用疑惑の田中真紀子元外相のケースなど5例ある。

 

 

 

 

 

2024年2月26日 17時12分東京新聞

裏金の真相「なぜ聞かない」二階氏、萩生田氏、下村氏を名指しされ、岸田首相が認めた不十分さ

 

自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた衆議院予算委員会の集中審議で26日、立憲民主党の奥野総一郎衆院議員は、二階俊博元幹事長ら議員3人の政治倫理審査会(政倫審)への出席か国会への参考人招致がなければ「予算を今国会で通過させることは困難だと言わざるをえません」と踏み込んだ。

 

衆院予算委で答弁のため挙手する岸田首相=26日、国会で

この日の審議では、岸田文雄首相からも「(裏金議員を対象に2月に行った)聞き取り調査で実態が十分把握できたものではない」との発言が飛び出した。(デジタル編集部)

◆「大事な論点」に「聞いてない」

28、29日に開催が予定されている衆院の政倫審において、野党は裏金議員51人の出席を求めたのに対し、自民党が応じたのは、松野博一前官房長官ら自民安倍派、二階派の5人だけ。

「ヒアリングは全くお手盛りで肝心なことは聞いていない」として、奥野氏が、追加で政倫審への出席を求めたのは、二階氏、萩生田光一前政調会長、下村博文元政調会長の3人だ。

二階氏は、在任中に党から約50億円の政策活動費を受け取ったとされている。

萩生田氏は、裏金事件を受けた政治団体の収支報告書の訂正で、政治活動に関する支出の金額や年月日など30カ所以上に「不明」と書いた。

下村氏は、安倍派の事務総長を務めた経験がある。安倍派所属議員へのパーティー券の販売ノルマ超過分の還流については、安倍晋三元首相が2022年4月に還流の中止を提案した際、協議に出席していたと語っている。

奥野氏はこの日、岸田首相にこの3人への聞き取り状況を尋ねた。下村氏の証言については、「誰が還付をやめるのをやめたのかということについて、共謀が行われていたか大事な論点だが、下村さんにヒアリングで聞かれたか」と質問した。

岸田首相は「ご指摘の点について実態を確認したとは、私自身も聞いていない」と答えた。

奥野氏は「萩生田さんのお金の使い道も、二階さんのお金の使い道も、最も肝心な(安倍派から所属議員への)還付を止める決定を誰がひっくり返したのかも、ヒアリングの中で聞いていない」と追及。岸田首相に、政治倫理審査会や予算委員会への出席を促すよう繰り返し求めた。

◆森元首相にも「なぜ聞かない」

奥野氏は、自民党の聞き取り調査で、安倍派の歴代会長の1人、森喜朗元首相の話を聞いていない点も問題視した。

裏金議員へのヒアリング結果をまとめた報告書では、安倍派について「遅くとも十数年前から行われていた可能性が高い(場合によっては20年以上前から行われていたことも窺われる)」と指摘している。

奥野氏は、森元首相を裏金づくりが始まった経緯を知る可能性がある「キーパーソン」だとして、「なぜヒアリングしなかったのか」と迫った。

岸田首相は「聞き取り調査だけで全てを把握できたわけではない」としつつも、「(議員らへの聞き取りの中で)森元総理の具体的な関与を指摘する発言はなかったことから、追加の調査は必要ない」と述べた。

 

 

 

奥野氏は、具体的な名前が出なくても、森元首相が派閥会長だった時期から裏金づくりがあったという証言はあったと指摘し、「(聞き取りの)人選からして中立性を欠いている」と断じた。

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