28日に起きた東京湾の地震は「ミニ首都圏直下型」
ほんの少し大きければ大被害
大阪北部地震の教訓
「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」その527
島村英紀(地球物理学者)
地震は先月28日午前8時59分に起きた。
震度4の揺れを東京の中央区、港区、品川区、渋谷区、練馬区、葛
東京と神奈川県のほか、埼玉県、群馬県、栃木県、茨城県の各地で
歩いていても感じる震度が4だから、かなりの人がびっくりしただろう。
2005年7月23日に起きた首都圏に広く震度4を記録した地震
いわば、“ミニ首都圏直下型地震”である。フィリピン海プレート
気象庁が発表する震源は0.1度刻みだから気をつけないといけな
東京湾と港区はすぐ近くなのだ。
ところで18年6月に起きた大阪北部地震(マグニチュード=M=6.9)から、次の関東地震が学ぶべきことは多い。大阪北部地震
ブロック塀が倒れて死者が出たほか、駅間で緊急停車した列車が1
大手私鉄の阪急、南海、阪神、京阪が全線で止まったほかJRも各
断水やガスなどライフラインの寸断が続いた。ガスの開栓作業には
この地震はそれほどの大地震ではなかったが、震度7には達してい
エレベーターも都会の大問題だ。震度4など、一定程度の揺れが観
エレベーターに閉じ込められた件数は大阪北部地震で339件で東
技術者が限られているうえ、復旧の順番は明確に決まっている。
最優先するのはエレベーター内に閉じ込められた人の救出、次いで
一般のマンションは最後になる。
だが、たとえ低層階でもエレベーターを使うことが当たり前になり
通勤難民、交通渋滞、エレベーターなど、大都会が地震に弱いこと
首都圏は関東大震災の再来、フィリピン海プレートが起こす海溝型
日本の中では群を抜いて「地震が起きる理由」が多いところだ。
(島村英紀さんのHP
「島村英紀が書いた『夕刊フジ』のコラム」より 2月2日の記事)