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​​​毎日新聞

袴田さん再審公判 弁護団が検察批判「立証責任果たしてない」

 

検察の主張を振り返る小川弁護士と袴田さんの姉秀子さん、間弁護士(左から)=静岡市で2024年2月15日、丘絢太撮影

 

 1966年に静岡市で一家4人が殺害された事件で死刑が確定し、静岡地裁でやり直しの裁判(再審)を行っている袴田巌さん(87)の弁護団は、9回目の審理があった15日、記者会見を開き、「検察は立証責任を果たしていない」と訴えた。

 

  【図でわかる】そもそも袴田事件とは

 

 事務局長の小川秀世弁護士は会見で、犯行時の着衣とされる5点の衣類に関する検察の主張に言及。1年2カ月みそタンクに漬かっていた衣類に付着した血痕について「検察は『赤みが残る可能性がある』とした。矛盾しなければいいと逃げた」などと批判した。

 

  間光洋弁護士は、「(血痕の)赤みが残っているかという論点は、犯人かどうかに直結すると差し戻し審が言っている。だが検察は独自の判断基準を設定して、赤みの問題から逃げた」と同調。「検察の話がこの程度のものであれば、巌さんの無罪は揺るがない」と手応えを感じた様子だった。袴田さんの姉の秀子さん(91)は「(法廷に示された衣類の写真は)血痕の色をわざわざ赤く映しているように見えた」と感想を語った。【丘絢太、皆川真仁】