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中国新聞
安倍政権幹部からの「裏金」晴れぬ疑惑 河井克行元法相「あり得ない」と否定、甘利氏は100万円提供認めているが…
2019年の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件を起こして服役後、昨年11月に仮釈放された河井克行元法相(60)は中国新聞の取材に答え、当時の安倍政権幹部4人から計6700万円の裏金を受け取ったとうかがわせる手書きメモについて「書いた記憶はない」と否定した。一方で元法相は検察の取り調べについての説明を避けており、疑念が深まる。
メモはA4判で、安倍晋三首相=22年7月に死去=が2800万円、菅義偉官房長官が500万円、二階俊博自民党幹事長が3300万円、甘利明党選挙対策委員長(いずれも肩書は当時)が100万円を現金で提供したと疑わせる内容が記されていた。検察当局が20年1月に元法相方から押収。公判には提出されなかったが、中国新聞が昨年9月に報道した。
元法相はメモの存在について「作ったことなんかない。うそ八百」などと否定。
100万円の提供を認めている甘利氏からの資金提供も「あり得ません」と述べた。
検察当局の取り調べでメモの内容を追及されたことには「捜査の内容についてお話しする必要はない」と繰り返した。
元法相は地方議員や後援会員ら100人に計2871万円を渡して買収。
懲役3年の判決が確定して収監され、昨年11月29日に仮釈放された。
この日、広島県山県郡内で元後援会員らへの「おわび行脚」をしていた際に、中国新聞が取材を求めた。(「決別 金権政治」取材班)
◇
元法相との主なやりとりは以下の通り。
―4日から元後援会員宅を回っているのですか。 いつからですかねえ。 ―おわびに回るという趣旨ですか。
そうですね。
―皆さんの反応は。
大変温かい声をかけていただいた。
―検察当局が「総理2800 すがっち500 幹事長3300 甘利100」と手書きされたメモを自宅から押収していますが、心当たりは。
全くあり得ない。作ったことなんかないですよ。そんなうそ八百。
―検察からメモを提示されて、取り調べを受けたことはありませんか。
捜査の内容はお話しする必要はない。外部の方々に言う必要はない。
―もう捜査は終わりました。
外部の方々に言う必要はないと思います。
―事件で大きな影響が出ていますが。
捜査の内容に関することをなんであなた方に言う必要があるんですか。
―説明責任は。
説明責任の話じゃないでしょ、これは。
―メモには「甘利100」とも書かれていた。
あり得ない。そんなメモを書いた記憶ない。
―甘利明さんは100万円を渡したと認めていますが。
あり得ません。
中国新聞社