1/29岡真理さん「ナクバ 起源の暴力としての-『起源の暴力』の起源は何か」講座に参加して


 1948年イスラエルによるナクバ(大いなる破局、大災厄)が始まった
  ユダヤ人差別はヨーロッパ・キリスト教社会固有の歴史である

 

 斎藤なぎさ(たんぽぽ舎)

☆ 最初にガザの写真を何枚か見せてくださいました。
 近代的なビルが立ち並ぶ都市。インフラを破壊されて馬などの動物による移動手段。今回の爆撃によって破壊された街。ガザと日本の世界地図による位置関係。
 緯度がほとんど同じなので戦闘が始まった2023年10月7日はまだそれほど寒くはなかったけれども、今は日本と同じように厳しい寒さとなっているとのことです。
 以下、簡単にまとめます。

◎ 1948年イスラエルによるナクバ(大いなる破局、大災厄)が始まった。パレスチナは78%を占領され、パレスチナ人の4分の3である75万人以上が故郷を追われた。占領されたパレスチナは「ユダヤ国家」に。以後76年後の今日までパレスチナ人の民族的悲劇が続く。

◎ 中東・イスラーム世界のユダヤ教徒と異なり、ユダヤ人差別はヨーロッパ・キリスト教社会固有の歴史である。

 1894年にドレフュス事件が起こった。フランス軍の大尉であったドレフュスはユダヤ人であったがゆえにスパイ容疑で逮捕され終身刑となった。
 冤罪事件である。このことから反ユダヤ主義は同化では解決できないとの考えが広まりシオニズムが生まれた。

◎ シオニズムの起源は近代ヨーロッパにおける反ユダヤ主義と近代500年のグローバルな植民地主義にある。
 パレスチナにおける「ユダヤ国家」の建設とそれに伴うパレスチナ人の民族浄化はシオニズムによる植民地主義の侵略とレイシズムにほかならない。以上


☆ 従って岡真理さんはメディアによる「暴力の連鎖」というような加害者と被害者をあいまいにする表現を徹底的に批判されます。
今パレスチナで起きていることは植民地戦争であると。
 3月17日(日)14:45より「渋谷ユーロスペース」でパレスチナ映画『ファルハ』が上映されます。1948年パレスチナのある村に住む少女ファルハの目を通して民族浄化を描いています。
 上映後に岡真理さんによるトークセッションがあります。