東京メトロ株式上場は憲法と国際人権規約(自由権規約・社会権規約)および国連憲章違反です。

 

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公開日: 日刊ゲンダイ 

 

 

残された道は…

東京メトロが株式上場へ 時価総額は1兆円規模の可能性も…実は成長戦略が見えてこない

 エクイティーストーリー(成長戦略)を果たしてどう描くのか──。東京地下鉄(東京メトロ)の2024年度中の上場が固まった。発行株の53.4%を持つ国と残る46.6%を握る東京都がそれぞれ半分ずつ保有株を売却し東京市場に株式を公開する。

 早ければ今夏にも実現する見通し。上場時の時価総額が1兆円規模になる可能性もある大型案件だが、機関
投資家からは「成長戦略が見通しづらい」との指摘も挙がる。

 メトロは1927年開業(上野~浅草間)の銀座線をはじめ9路線を運営し営業キロ数約195キロ。2023年3月期の輸送人員は22億人に迫り、首都圏の大手私鉄各社の2倍以上を誇る。株式公開については国土交通省の交通政策審議会などでその方向性が打ち出され、国の株式売却収入は東日本大震災の復興債償還など震災復興財源に充てることが決まっていたが、新型コロナ禍の影響もあって売却時期が不透明になっていた。

 

 

 今回、上場に向けて動き出すのは東京株式市場の好調が続き、メトロの業績も復調しつつあるためだ。21年3月期には529億円の赤字にまで落ち込んだ最終損益は23年3月期には277億円の黒字に転換した。

 

 

 もっとも中長期の利益成長シナリオが定まっているわけではない。定期券収入はコロナ禍前の8割までしか戻り切っておらず、テレワークの定着化でこうした傾向は今後も続く見通しだ。

 有楽町線の延伸や品川周辺の新駅・新線建設など輸送人員増につながる計画はあるものの、過去の試算では「黒字化するまでに20年近く、建設費など累損を解消にするまでには40年かかる」ともいわれている。

 地上の保有不動産物件は手薄で、東急や西武ホールディングスなど大手私鉄のように大型商業施設やホテル、オフィスビル開発など「非鉄道事業」で稼ぐ手段も限られる。ナイトアクティビティー需要を取り込む形で終夜運転を実施する手もあるが、運賃改定を伴わなければ保線コストがかさむだけだ。

 となると残された道は再編やM&Aか。東京都とすれば、23年3月末で2151億円の累積損失を抱え、長期債務が5860億円に膨らんでいる都営地下鉄でも引き取ってもらいたいところだろう。