『原子力防災の虚構』上岡直見著 書籍紹介
 

 このまま不可能な防災計画で再稼働すれば「令和の敗戦」は避けられない!
  原子力防災の虚構を明らかにし、原発再稼働の無謀な政策を告発
 

 事故情報編集部

 「昭和の敗戦」は、太平洋戦争の敗戦であり、福島原発事故は「第二の敗戦」と呼ばれた。それから10年以上が経過し、原発再稼働の増加など原発回帰政策、汚染水放出など新たな動きがある。
 事故の教訓を生かすことなく「令和のインパール作戦」「令和の特攻」が始まっており、方向転換しなければ「令和の敗戦」は避けられない。
 本書は、原子力防災の全体の構図を捉え返し、およそ不可能な計画の元に組み立てられた原子力防災の虚構を明らかにし、原発再稼働の無謀な政策を告発する。 (「帯」より引用)

 『原子力防災の虚構』上岡直見著
 緑風出版 四六判上製 253頁 定価2600円+税 2024年2月発行

目次紹介
はじめに
1.迫る「令和の敗戦」
2.武力攻撃と被害
3.原子力防災のしくみ
4.被ばくのシミュレーション
5.緊急時対応の困難性
6.原発をめぐる訴訟と論点
7.地域のトピックス
8.「令和のインパール作戦」に向かう原子力
あとがき


 以下、「あとがき」より抜粋

 福島第一原発事故の前、原子力推進者は原発の大規模事故の可能性を確率的に評価して百万年に一回以下の確率と推定し、地震や津波に関心が乏しい米国での検討を受け売りして「隕石が落ちるのを心配するようなものだ」
 そして「一般の市民は科学的思考ができないから原子力を過剰に恐れるのだ」と主張していた。
 結局、隕石は落ちなかったが大津波は来た。しかもそれは地震・津波研究者が科学的活合理的な判断として警告していたものだった。
                     (第6章参照)
 こうしてついに「平成の敗戦」に喩えられる福島第一原発事故を生起した。 (後略)