能登半島北側の断層活動 志賀原発 甘い想定(北陸電力)
 

  今回「長さ150キロ程度」(政府の事故調査委員会)
  北陸電力…昨年5月「4連動で96キロ」想定
  北陸電力…2012年「95キロ」「連動すると考えがたい」

 

1987年の申請時 海域図に二つの断層、活動性否定
  地震規模 北陸電力「想定内」というが…
  施設の強度は? 道路に影響は? 生じる狂い
  「自然現象は人知を超える」証明-従来の評価 再検証を
            「こちら特報部」より抜粋)


 能登半島地震では半島北側の沿岸部の断層が150キロ程度にわたって動いたとみられている。
 では、半島の西側に志賀原発を立地させた北陸電力は、あの地域で断層活動をどう想定してきたか。
 原発に致命傷を与えかねないのが断層活動に伴う揺れなどだ。
 見立てが甘いと安全面が揺らぐ。そんな懸念から立地時以来の経過をたどってみると、不信を募らせる経過が浮かんできた。
                    (山田祐一郎、木原育子)

 「早々に『異常なし』ということが強調されて、後からトラブルが出てきている。不信感ばかりが募る」
 能登半島地震で震度5強の揺れに襲われた志賀原発(石川県志賀町)。
 不安を口にするのは内灘町の元町議、水口裕子さん(75)。同町は原発から約40キロの距離にある。
 北陸電力の株主として長年、株主総会で脱原発などを求めて質問に立ってきた。地震発生以降、社民党県連が志賀原発の視察を求めているのに、実現していない点に触れ「なぜ公開できないのか」といぶかしむ。
   (中略)

 政府の事故調査委員会は今回の震源の断層について「半島の北西部から北東沖まで長さ150キロ程度と考えられる」と評価をまとめた
 かたや北陸電力は昨年5月にあった原子力規制委員会の会合で、半島北側にある四つの断層の計96キロ区間を連動する断層帯として評価し、マグニチュード(M)8.1の地震を見立てた。 (中略)
 北電は東日本大震災後の2012年3月、経済産業省原子力安全・保安院(当時)の「地震・津波に関する意見聴取会」第3回会合で、四つの断層をつなぐと約95キロになると説明した一方、「一括して連動するというということは考えがたい」と見解。 (中略)
 大阪大の平川秀幸教授(科学技術社会論)は「地震規模が想定未満ゆえ大丈夫、と言うのは疑問が残る。どういう影響が原発に及んだのか、
地震学や地震工学の面からも再検討しなければならない」と訴える
 重く捉えるのがやはり、「断層は想定を超えて活動しうる」という
点だ。
 「自然現象は人知を超える。改めてそういったことに立ち返って考えていくべきだ」
 今回は北電が昨年段階で想定したより1.5倍長く断層が動いたとされる。
 この教訓は、各地にある原発の直下や周辺の断層を議論する際、どう扱うべきか。(後略)
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/306028?rct=tokuhou