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還流不記載の議員ら、核心語らず釈明に追われる…専門家「説明したとは言えない」

 自民党派閥の政治資金パーティーを巡る事件を受け、派閥からキックバック(還流)されたパーティー収入を政治資金収支報告書に記載していなかった議員らが釈明に追われている。内容はそれぞれだが、「不記載の理由」「自身の責任」といった核心を語る場面はほとんどない。専門家からは「これで『有権者に説明した』とは言えない」との批判も出ている。 

 

【図解】一目でわかる…二階派と安倍派では違う、パーティー券収入の管理方法

「政治不信」

記者会見の冒頭、頭を下げる高木毅・前党国会対策委員長(27日、福井県敦賀市で)

 

 「国民に多大な政治不信を招き、皆様に深くおわび申し上げる」。2018~22年の収支報告書に計1019万円の不記載があった高木毅・前党国会対策委員長(68)は27日、地元の福井県敦賀市内で記者会見し、そう陳謝した。

 高木氏は自民党安倍派の事務総長で、「5人衆」の一人。還流の仕組みについて「長年の慣行として知っていたが、不記載を認識していなかった」とした上で、「記載しなくてよいとの派閥からの指示を事務所の担当者が受けていた。秘書を信頼していたとはいえ、ひとえに私の至らなさ」と釈明した。

 還流資金は「全額使った」とした上で、使途を「同僚や後輩との会合、マスコミや評論家との意見交換のための飲食店への支出が主だった」と説明し、「重要な政治活動であり、私的な使い方はない」と強調した。離党や議員辞職については「国対委員長を辞めたのが責任だ」などとして否定した。

2000万円超

 読売新聞のまとめでは、東京地検特捜部が、安倍派などの会計責任者や現職議員ら計8人を立件した19日以降、収支報告書に不記載があったことを明らかにした自民党議員らは30人以上に上る。中には、2000万円を超える議員もいる。

 同派の堀井学衆院議員(51)(比例北海道)は27日、北海道登別市で記者会見した。18年からの5年間で、パーティー券の販売ノルマを超えて集めた計2196万円について、同派から還流を受けながらも収支報告書に記載していなかったことを明らかにした。秘書の人件費などに使ったとし、「議員辞職も離党も考えてない」と述べた。