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 鉄道

東北・上越・北陸新幹線 一部区間の運転 終日取りやめ

東北新幹線と北陸新幹線、それに上越新幹線は架線のトラブルの影響で、23日午前から運転の見合わせが続いていましたが、JR東日本は、一部の区間では23日は終日、運転を取りやめると発表しました。
24日の運行については「現時点で見通しは不明だが、始発から運転再開できるよう努めている」としています。

JR東日本によりますと、23日午前9時58分ごろ、東北新幹線、北陸新幹線、上越新幹線で停電が発生し、係員が確認したところ、上野駅と大宮駅の間の上りで架線が垂れ下がっているのが確認されました。

確認されたのは、さいたま市中央区の線路上で、現場を写した写真では、架線の一部がレールの近くまで垂れ下がっているのがわかります。

このほか、
▽現場付近では架線をつり下げる金具が数か所で損傷しているのが
▽およそ1キロ先で停電によってとまった上りの北陸新幹線、「かがやき504号」の車両では、パンタグラフの破損や窓ガラスのひび割れが確認されたということです。

 
 

この影響で
▽東北新幹線の東京駅と仙台駅の間
▽北陸新幹線の東京駅と高崎駅の間
▽上越新幹線の東京駅と高崎駅の間の
それぞれ上下線で運転の見合わせが続いていましたが、JR東日本は、この区間について、23日は終日、運転を取りやめると発表しました。

復旧方法を検討したものの電力設備が故障していて23日中の運転再開は難しいと判断したとしています。

駅と駅の間 4本の列車に当時1400人余が乗車

 

今回のトラブルの影響で「かがやき」など4本の列車が駅と駅の間に停車して一時、1400人余りが車内に閉じ込められ、このうち一部の乗客には近くの駅まで歩いて移動してもらったということです。

JR東日本は24日の運行について「現時点で見通しは不明だが、始発から運転再開できるよう努めている」としています。

また、トラブルの現場付近で復旧作業の準備を行っていた作業員2人が救急搬送されたということです。

1人は感電し、もう1人は感電した作業員についた火の粉を払ってやけどをしたとみられるということで、搬送時、2人は意識があったということです。

JR東日本の担当者は「感電防止の措置が十分にとられていたのか確認したい。大変多くのお客様にご迷惑とご心配をおかけしていることを深くおわびいたします」と話しています。

都内から運転見合わせの駅へ 23日の最終列車は

新幹線が運転を見合わせている駅へ、都内から鉄道を使っていく場合の最終となる列車を、NHKが鉄道各社の時刻表などで調べました。

【仙台駅へ向かう場合】
▽午後6時45分品川発、いわき行きの常磐線特急「ひたち25号」が、
いわきから先を臨時快速列車として、仙台まで運転することとなりました。
通常の列車を乗り継ぐ場合だと、
▽品川駅 午後5時45分発の特急ひたち23号を利用し、
終点のいわき駅で普通列車に乗り換えます。
原ノ町駅で、もう一度乗り換えると、仙台駅に午後11時8分に到着できます。

【郡山駅や福島駅へ向かう場合】
▽上野駅 午後7時17分発の快速列車を利用し、
終点の宇都宮で、普通列車に乗り換えます。
その後、黒磯、新白河で、それぞれ普通列車に乗り換えると、
郡山駅に午後11時、
福島駅に午後11時59分に到着できます。

【長野駅へ向かう場合】
▽新宿駅 午後8時発の特急あずさ53号を利用し、
終点の松本で普通列車に乗り換えると、午後11時59分に到着できます。

【金沢駅へ向かう場合】
▽東京駅 午後8時21分発の東海道新幹線のぞみ91号を利用し、
名古屋で、ひかり663号に乗り換えて、米原駅で降りてください。
そして、在来線の特急しらさぎ65号に乗り換えると、翌日の午前0時40分に到着できます。

一方で、
【新潟駅に向かう場合】
大雪が見込まれるため、午後9時ごろから上越線の一部区間で終日運転を見合わせる予定で、東京都心から新幹線を使うことなく、北上して新潟に向かうのは、困難です。

なお、高崎と新潟、それに、高崎と金沢の間は、新幹線の折り返し運転が行われているということですが、ダイヤは大幅に乱れ、運行本数も通常より減らされているということです。

このほか、高速バスが走っている地域もあります。

最新の運行や指定席の状況は、JRのホームページなどで確認してください。

JR東日本 “さいたま市の全乗客359人 地上への誘導完了”

JR東日本によりますと、さいたま市で停車した新幹線には359人の乗客がいたということです。

午後1時40分時点ですべての乗客の地上への誘導が終わったということです。

けが人や体調不良を訴える人はいなかったということです。

停車した新幹線の乗客「ガツンという音して止まった」

乗客の70代の男性は「午前10時すぎ大宮駅を過ぎてまもないころにいきなりガツンという音が新幹線からして、止まりました。しばらくすると車内の電気が消えトイレが使えなくなりました。車内アナウンスはあって乗客の皆さんも冷静でした。仕事はすべてキャンセルです」と話していました。

現場付近で大きな音と煙 作業員が感電し2人けが

さいたま市中央区の新幹線が停車している現場付近で、23日午後、大きな音とともに煙が上がり、2人がけがをしました。

JR東日本によりますと、架線が垂れ下がった現場で対応にあたっていた関連会社の作業員が感電したということで、警察と消防が当時の状況を詳しく調べています。

23日午後2時40分すぎ、さいたま市中央区の新幹線が停車している現場付近で、何かが破裂するような大きな音とともに煙が上がるのが確認されました。

警察と消防によりますと、55歳と48歳の男性2人が、やけどをするなどのけがをして救急車で搬送され、いずれも意識はあったということですが、けがの程度などはわかっていないということです。

JR東日本によりますと、2人は架線が垂れ下がった現場で対応にあたっていた関連会社の作業員だということです。

警察と消防が当時の状況を詳しく調べています。

停車した新幹線の乗客「ポールのようなもの 落ちてくるの見た」

34歳の女性はさいたま市で停車した新幹線の10号車に乗っていて進行方向に向かって左側の窓側の席、「14番A」に座っていました。

女性は「走行中に窓の外を見るとポールのようなものなどが落ちてくるのを見ました。そのあと、ガシャンという音がして気が付いたら窓がくもの巣状にひび割れていました」と話していました。

さらに音がしてから3秒ほどたって再び異変を感じたということで、女性は「新幹線のブレーキがかかり、速度が緩やかになった際、車体が右に傾いて、停車すると同時に停電しました。何時間も閉じ込められると思っていましたが、迅速に対応していただいて早く避難できて安心しました。けがもなく無事に出られたのでよかったです」と話していました。

停車した新幹線から降りた男性「降りて一安心」

さいたま市で停車していた新幹線から降りた33歳の会社員の男性は、「仕事で金沢から東京に行く途中でした。パソコンを操作していた午前10時ぐらいにガタンとなり新幹線が止まりました。車内が少し暑くなりましたが乗客は特に慌てることもなく皆さん落ち着いていました。このあとすぐに次の仕事に行くつもりです。降りることができて一安心しています」と話していました。

現場付近では爆発するような音と煙 2人けがか

 

23日午後2時40分すぎ、さいたま市中央区の新幹線が停車している現場付近で何かが破裂するような大きな音とともに煙が上がるのが確認されました。

また、消防には現場近くに住む住民から、「新幹線の線路上で何かが燃えていて、JRの人が消しているようだ」と通報がありました。

消防によりますと、2人がけがをしていて、駆けつけた消防隊員がこのうち1人を担架で運び出し救急車で搬送しました。

2人のけがの程度などはわかっていないということです。

消防が引き続き詳しい状況を調べています。

JR常磐線 23日と24日 臨時の快速列車を運転

東北新幹線の東京駅と仙台駅の間の運転取りやめを受けて、JR東日本は、24日の午前9時20分いわき発、品川行きの常磐線特急「ひたち8号」について、仙台を午前6時46分発として、いわきまでの区間を臨時快速列車として運転することにしています。

常磐線特急はすでに、23日午後6時45分品川発、いわき行きの常磐線特急「ひたち25号」について、いわきから先を臨時快速列車として、仙台まで運転することなどを決めています。

被災地支援に訪れた人たちにも影響

架線のトラブルの影響で、北陸新幹線が一部の区間で運転を見合わせたことを受けて、能登半島地震の被災地の支援に訪れた人たちにも影響が出ています。

このうち、JR金沢駅の改札口では、電光掲示板で運転の見合わせを伝えたり、駅の係員が乗客に対して再開の見込みが立っていないことを説明したりしていました。

能登半島地震による断水が続く石川県志賀町で給水活動に当たり、東京方面に帰る予定だという横浜市の職員の男性は「公共交通機関が止まってしまうと被災地の支援が途切れてしまわないか心配です。早く運転が再開してほしいです」と話していました。

また、富山県射水市に住む両親が被災したという50代の女性は「地震の影響で両親が県営住宅に引っ越すことになり、手伝いのために来ました。運転の見合わせで富山から直接東京方面に帰れないので、別のルートで帰ることにします」と話していました。

大宮駅で停車中 はやぶさ13号では

東京駅から北海道の新函館北斗駅に向かう、はやぶさ13号は、午前10時前、埼玉県の大宮駅に到着した直後に車内の照明が消えました。

車内の照明は、5分から10分程度で再びついたものの、午前11時現在、運転再開には至っていません。

大宮駅のホームでは、駅員が架線にトラブルがあって運転再開の見通しがたっていないことを説明するアナウンスをしていました。

また、運転再開の見通しを、直接、尋ねる乗客の姿もありました。

車内に混乱は起きていません。

はやぶさ13号は、当初、大宮駅を午前9時59分に出発する予定でした。

JR東京駅 新幹線ホームでは

JR東京駅の新幹線の22番線ホームでは、午前10時40分ごろ、運転再開を待つ会社員や旅行客などで混雑していて、スマートフォンで調べ物をしたり、会社などに連絡を取ったりしている様子がみられました。

ホームでは、運転再開の見込みは立っておらず、高崎駅や宇都宮駅に向かう人は上野東京ラインを利用するよう、繰り返しアナウンスされていました。

仙台駅の乗客からも困惑の声

 
 

JR仙台駅では、新幹線を利用しようとしていた人から困惑した声が聞かれました。

東北新幹線が、午前10時ごろから東京駅と仙台駅の間で運転を見合わせたことを受けてJR仙台駅の新幹線の改札口では電光掲示板やアナウンスで運転の見合わせや遅れを伝えていました。

また、駅の係員が乗客に対して運転再開の見込みがたっていないことなど状況を説明していました。

新幹線を利用しようとしていた人たちは、スマートフォンで電話をしたり、メッセージを送ったりしてスケジュールの調整などをしていました。

仕事で東京に向かおうとしていた40代の男性は、「午後1時までに東京に着きたかったですが困りました。いつ新幹線が動くかも分からないしスケジュールを再調整しないといけません」と話していました。

また、旅行のため家族で東京に向かおうとしていた35歳の母親は、「11時半過ぎの新幹線で家族旅行でテーマパークに行こうとしていました。早く新幹線が来るといいですがどうしていいか分かりませんね」と子どもを抱きながら困った様子で話していました。

新潟駅 払い戻しの列

 

JR新潟駅では新幹線の改札の前に運転見合わせを知らせるホワイトボードが置かれていたほか、係員が乗客からの問い合わせに対応していました。

窓口には購入した切符の払い戻しなどをしようと、15人ほどの列ができていました。

新幹線ホームの改札前では大きな荷物を持った人たちが列を作り、電光掲示板を見つめるなどしていました。

東京から新潟に帰省していたという男性は「新潟でおいしいものを食べ、東京に戻って仕事しようと持ったらこんなことになってびっくりしました。早く帰りたいがしかたないと思います」と話していました。

また別の男性は「きのう仕事で東京から新潟に入って商談をし、きょう午前中に帰ろうと思っていました。雪が心配だったので早めの新幹線を予約しましたがこういう状況で帰れません。東京でも商談があったが、すでに先方に連絡してキャンセルしました。もう1泊するか考えています」と話していました。

JR富山駅でも影響

北陸新幹線の東京駅と高崎駅の間の上下線では23日、終日、運転を取りやめることになり、JR富山駅では、切符の払い戻しを求める人たちで窓口に長い列ができていました。

午後1時半ごろ、JR富山駅では、新幹線の改札の前に運転見合わせを知らせるホワイトボードが置かれ、駅員が乗客からの問い合わせに対応していました。

また、窓口では、購入した切符の払い戻しなどをしようと、30人ほどの列ができていました。

東京から出張中だという会社員の男性は「駅に来たら新幹線が止まっていて驚きました。あすの予定もあるので帰れないと困ります。レンタカーも含めて帰る方法を調べます」と話していました。

また、目的地に向かう途中に新幹線が止まり、富山駅に戻ってきた人たちもいて、払い戻しなどの手続きを行っていました。

子どもと一緒に千葉県内の自宅に帰る予定だった40代の母親は「新幹線に乗ったところ途中で止まってしまい、富山に戻ってきました。きょうは親戚の家に泊めてもらおうと思います」と話していました。

国交省 “線路上に計4本の新幹線が停車と報告”

国土交通省によりますと、運転を見合わせている新幹線について、JR東日本から、駅と駅の間の線路上に上りで1本、下りで3本の合わせて4本が停車していると報告があったということです。

このうち
▽上りの北陸新幹線の「かがやき504号」の乗客は近くの駅まで移動してもらうほか
▽下りの3本については、
列車を上野駅まで移動させる予定だということです。