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たまるゴミ、便は流せず… 「2次避難所」の準備、仮設整備も急ぐ

避難所の炊き出しで、豚汁などを受け取る人たち=2024年1月7日午前11時24分、石川県輪島市の大屋小学校、小宮路勝撮影

 

 能登半島の被災地では依然として水が止まり、ごみや排泄物(はいせつぶつ)を処理できていないところが多い。発災から8日で1週間。衛生環境の悪化と避難生活の長期化に備え、石川県は避難者の移送を進める。

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 石川県の馳浩知事は災害対策本部員会議で、ライフラインの寸断が続く集会所や公園などの「1次避難所」に代わる、より安全な「2次避難所」の必要性について度々言及。

6日午前の会議では「2次避難所として被災地以外の旅館、ホテルの活用の準備を進めている」と述べた。石川県であれば小松市など金沢市より南の自治体となるほか、隣接する富山県と場所の選定や調整を続けている。

 

  ただ、馳知事が「一刻も早く」とする2次避難所の開設の見通しは立っていない

県は2次避難所が整うまでの「1・5次避難所」として、金沢市の大型体育館「いしかわ総合スポーツセンター」を選定。約250の区画を設置し、1区画に2人程度、500人ほどに入ってもらえるようにする。

 

  7日に資機材の搬入を始め、8日から受け入れを始める。避難者の移送の手段も検討中という。避難者の健康管理は、2次避難所に移るまで医療・福祉スタッフが受け持つことになる。

 

  馳知事は「一気に全員とはいかない」とし、高齢者や持病のある人、妊婦や乳幼児とその家族などを優先的に集めたい意向だが、「仕事や家族のことなど、個人ごとに状況は違うので強制はしない」と説明。どの程度のニーズがあるかは見えておらず、規模については未定とした。

 

  応急仮設住宅の整備も急がれる。

馳知事は、被害の大きい輪島、珠洲両市で、第1弾応急仮設住宅12日着工を目指すと表明。戸数は計60戸となる見通しだ。

 

  6日の会議では、泉谷満寿裕・珠洲市長が「私としては非常に甚大な被害を受けた宝立地区・三崎地区で、学校グラウンドを活用して整備を進めていただきたい」と要望。馳知事は「自治体、住民の要望がやはり最優先。水道の復旧が大変厳しい状況であり、仮設住宅はできたけれど、水が来ないという状況が本当にいいのかどうかも検討すべきだ」と述べた。

 

  一方、隣接する福井県でも4日、杉本達治知事が広域防災などに取り組む関西広域連合の会合で、高齢な被災者の移送の可能性に言及。「船舶などを使ってこちらに避難していただく必要性も出てくるかもしれない」と述べた。(土井良典、小田健司)

朝日新聞社