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ジェットスター、スト拡大で利用客から悲鳴「この時期にそれはない」 欠航は次々と増え17便に

 

12月29日の成田空港内での掲示(読者提供)

 

格安航空会社(LCC)ジェットスター・ジャパンでは12月29日、同社の労働組合による指名ストライキの規模が拡大した影響などで欠航が相次いでいる。予約客からはSNSなどで悲鳴も上がっている。 【画像】空港で欠航を伝える様子

同社のホームページでは、29日の欠航便数は当初「計9便」とされていたが、12時45分時点では「計17便」にまで増えた。この事態を受け、提携する日本航空(JAL)は、「GK801/800 成田⇔旭川便」の欠航に対し、「JAL4517 羽田発15:25/旭川着17:05」および「JAL4518 旭川発18:10/羽田着19:55」の臨時便を設定した。 欠航便を予約した客への対応として、「ジェットスター・ジャパンが運航する同区間の運航便へ振替または払い戻し」または「お客様ご自身で他社便や地上交通機関(タクシーを除く)をお手配いただいた場合、その費用を負担する」としている。 

 

●SNSには利用客の声が続々と 29日朝に成田空港を訪れた人によると、ジェットスターの受付付近では、大きな混乱はないものの、欠航の掲示などがあったそうだ。

 SNSでは、ジェットスター便の予約客とみられる人から悲鳴があがっている。

 「まって、ジェットスター、ストライキで飛行機飛ばないって事?!」 

「この時期にそれはないで?次から違うところで予約しま~す」

 「家族がジェットスター成田空港ー旭川空港欠航。振り替え便は明日で千歳空港だと」

 中には「ジェットスター全額負担してくれるので本日の便をJALに変更しました」と他社便に振り替えたという人もいた。

 

 ●労組「大変申し訳なく思います」

 同社労働組合

ジェットスタークルーアソシエーション」(JCA)は29日、弁護士ドットコムニュースの取材に対し、「ご利用の皆さまには年末の帰省シーズンに多大なるご迷惑をおかけしていることを大変申し訳なく思います」と利用者に対し謝罪。 そのうえで、「ここまで弊組合はこの様な事態にならない様努力を続けて参りましたが、会社側の不誠実な対応のため結果としてお客様にご迷惑をお掛けしてしまうことになったのは、残念でなりません」と話した。

 

 ●スト拡大に至るまでの経緯 そもそもなぜストが起きたのか、労使紛争の動きを振り返りたい。JCAは2023年5月、以下の(1)~(3)を会社側に求める要求書を提出した。

 (1)変形労働時間制における所定労働時間外の労働に対する未払い賃金をすべて支払う 

(2)休業開始後に一方的に減額された通勤費をすべて支払う 

(3)組合活動のために必要とする会社所管の施設、設備等の便宜供与を認める JCAによると、会社側と事務折衝や団体交渉を続けてきたものの満足な回答が得られなかったとして、8月3日に争議権(ストライキ権)を確立。8月17日から予告していたストは、会社側が8月14日の団体交渉で在籍社員を対象として未払い賃金の計算し直し、一括して支払うと回答したことで、いったんは見合わせることとなった。 ところが、未払い賃金計算の前提となる所定労働時間の決定時期などの事項について、会社側が設定した交渉期限の10月31日までに労働協約が締結できなかった。その後の交渉でも前進がみられなかったとして、JCAは12月1日から休日の勤務依頼を拒む争議行為を実施。22日からは一部組合員による指名ストに入った。 27日は指名スト後初の団体交渉がおこなわれたが、会社側が国の中央労働委員会へ調停申請をするなどの提案が出るにとどまり、JCAは交渉は不調に終わったとして引き続きストを実施することを明らかにしていた。 22日初日のストは4人が勤務時間を指定する形でおこなわれたものの、ストの規模はその後徐々に拡大。29日のストは機長9人、副操縦士5人、客室乗務員22人の合計36人で実施されている。 (12月29日15時40分、日本航空の臨時便について追記しました)