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AFP=時事

ガザ避難先で四つ子出産、疲弊する両親

イマン・マスリさんが出産した四つ子のうちの3人。パレスチナ自治区ガザ地区中部デイルアルバラで避難所となっている学校の教室で(2023年12月27日撮影)。【翻訳編集】 AFPBB News

 

【AFP=時事】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)北部に住んでいたイマン・マスリさん(28)は、徒歩でたどり着いた南部の病院で四つ子を出産した後、疲れ切っていた。

 

  【写真8枚】イマン・マスリさんと子どもたち

 

 10月7日にガザを実効支配するイスラム組織ハマス(Hamas)がイスラエルに奇襲を仕掛け、イスラエルが報復攻撃を開始した数日後、マスリさんは身重の体で北部ベイトハヌン(Beit Hanun)の自宅から3人の子どもを連れ、徒歩で避難を始めた。

 

  まず同じ北部にあるジャバリア(Jabalia)難民キャンプまで5キロ歩き、さらに南に位置する中部デイルアルバラ(Deir al-Balah)へ行く移動手段を探した。

 

  妊娠6か月だったマスリさんは「あまりに遠すぎた」「妊娠・出産に影響した」とAFPに語った。  マスリさんは今月18日、中部ヌセイラット(Nuseirat)難民キャンプの病院で、帝王切開によって娘のティアちゃんとリンちゃん、息子のヤセル君とムハンマド君の四つ子を出産した。

 

  だがその直後、紛争による負傷者のベッドを確保するため、生まれたばかりの子どもたちを連れて病院を出るように言われた。 

 

 現在はムハンマド君以外の3人とともに、親族50人が身を寄せるデイルアルバラの学校の教室で生活している。

 

  ムハンマド君だけは「体重が1000グラムしかなく、(外では)生き延びることができない」ため、病院に残すしかなかったという。

 

  伝統に従い「(バラから抽出した)ローズウオーターを浴びさせて」、子どもの誕生を祝いたかったと話すマスリさん。だが、ガザでは清潔な水が入手しにくく、10日間沐浴(もくよく)させることさえできていないという。 

 

 ミルク、薬、おむつなどの衛生用品を含む必需品の不足も深刻だ。「本当ならば、2時間おきにおむつを替えるのに、状況は厳しく倹約するしかない」ため、真新しいおむつに交換できるのは1日に朝晩2回だけだという。

 

  夫のアンマル・マスリさん(33)は家族を養うことができず、打ちのめされている。悪臭のただよう教室で6人の子どもに囲まれながら、「無力さを感じている」と語った。 「子どものことが心配だ。どうやって子どもたちを守ればいいのか分からない」と途方に暮れる。1日の大半は食料を探しに出かけている。 「(黄疸〈おうだん〉のある)ティアには母乳を与えなければならないので、妻にはタンパク質を含む栄養価の高い食べ物が必要だ。子どもたちにはミルクとおむつが必要だ。でも、どれも手に入らない」 【翻訳編集】 AFPBB News