およそ100人しか収容できない会場で、1000人分のパーティー券を売っていた

 

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松本総務相に早くも政治資金めぐる疑惑が指摘 「100人の会場で1000人分パーティー券」の謎

閣議に臨む松本剛明総務相(C)共同通信社

 

 政界を揺るがしている自民党最大派閥「安倍派」(清和政策研究会)の政治資金パーティー収入をめぐる裏金疑惑。東京地検特捜部は現在、同派所属議員らの本格的な聴取を始めているとされており、この先、どれだけ規模が拡大するのか分からない。 

 

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 裏金疑惑については、パーティー券の販売ノルマ超過分を派閥からキックバックしてもらうほか、ノルマ分だけを派閥に収めて“中抜き”するといった複数の手口が指摘されていて、全容解明には時間がかかるとみられている。

 

  そんな中、岸田文雄首相(66)は同派所属の閣僚を交代させ、新たな布陣をスタートさせたが、早くも“怪しい”との声が出始めた大臣がいる。裏金疑惑について「政治の世界では文化」などと言い放った鈴木淳司前総務相(65)の後任に就いた松本剛明総務相(64=麻生派)。

 

  なぜなら、松本氏は今回の問題が表面化する前から、自身の政治資金パーティーをめぐる不可解さが国会で追及されていたからだ。

 

  2022年11月24日の参院総務委員会で、日本共産党の伊藤岳議員(63)は、松本氏の後援会が実施した政治資金パーティーで、パーティー券を購入した人数と会場の収容人数が大きく異なることを取り上げ、こうただした。 「松本たけあき後援会の収支報告書によると、2018年から20年、毎年9月に兵庫県姫路市内のホテルで開催されていた政治資金パーティーの収入は、18年が2160万円、19年が同じく2160万円、20年が1988万円でした。会費1枚2万円とすると、いずれの年も約1000人分のパーティー券の購入があったことになります」 「ところが、会場となった2つのホテルの宴会場の最大収容人数は、立席形式でそれぞれ600人と400人です。つまり、パーティー券販売数は会場収容人数をはるかに超えていたわけであります。(略)(これらの)政治資金パーティーは、パーティーに参加の予定がない者にパーティー券を購入させていたのではないですか。その場合は寄附に当たりますが、後援会の政治資金収支報告書には寄附としての記載がありません。その場合、政治資金規正法上違法となる、その認識はありますか」

 

 ■100人しか収容できない会場で、1000人分のパーティー券を販売 

 

 政治資金規正法では、「政治資金パーティーは対価を徴収して行われる催物」と規定し、パーティー券の購入は「債務の履行」であるとされている。パーティーに参加の予定のない者がパーティー券を購入した場合、対価とはならず、政治資金規正法上は「寄附」に当たるとされることから、松本氏の認識を問うたのだが、松本氏は真正面から答えず。 

 

 続く12月6日の参院総務委員会でも、松本氏は伊藤氏から再度、こう質問されている。 「21年のパーティー会場は着席形式の最大収容人数が315人なのに、販売したパーティー券はその3倍近い886枚、20年のパーティー会場は着席形式の最大収容人数110人なのに、販売したパーティー券はその9倍を超える994枚だった。(略)パーティー券を購入していただいた人数のパーティー参加者は想定、準備していなかったということがはっきりしたと思います」  あらためて認識を問われた松本氏はこう答弁。 「収容人数についてもお話がございましたが、セミナー代、また室料としてお払いをしているものから、どの部屋をどう使っているのかも是非お読み取りをいただいて、収容人数の計算もお願いをいたしたいというふうに思っております」  やはり、ノラリクラリはぐらかしていたわけだが、この疑惑は見逃せないだろう。  およそ100人しか収容できない会場で、1000人分のパーティー券を売っていたのだ。パーティーの実費を超える分の収支はどうなったのか。カネは何にどう使われたのか。説明するべきなのは言うまでもない。 《適材適所って言うけれど、この松本大臣もどうなのか》 《政治資金規正法を所管するのは総務省。その担当の前大臣は「文化」といい、新しく就いた大臣のパーティーにも疑惑。ダメだろ》  SNS上ではこんな声が出ている。