「裏金」 

 

 

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自民派閥の政治資金問題 刑事告発した教授がみた「裏金」

上脇博之・神戸学院大学法学部教授

 

 自民党安倍派の政治資金パーティーに出席する萩生田光一政調会長(左から3人目)、松野博一官房長官(右端)、西村康稔経済産業相(右から2人目)、世耕弘成参院幹事長(左から2人目)、高木毅国対委員長(左端)=東京都港区で2023年5月16日、宮武祐希撮影

 自民党5派閥のパーティー収入明細過少記載問題で、東京地検特捜部の捜査が進み、岸田文雄政権を揺るがしています。

 この問題を刑事告発した、神戸学院大法学部教授の上脇博之さんに聞きました。【聞き手・須藤孝】

正月返上で

 ――昨年11月の「しんぶん赤旗」日曜版の報道がきっかけでした。

 

 ◆赤旗の記者からコメント取材を受け、聞いた時にすぐ、大変なことだと思いました。事務的なミスではありえないと直観しました。

 同時によく調べたと驚きました。パーティー券を買っている政治団体は膨大な数に上ります。その支出記載と、派閥の政治団体の収入明細記載を突き合わせていくのは大変です。

 ――刑事告発をするために上脇さんも調べ、報道で指摘された以上の2018~21年分で計約4000万円に上る不記載を見つけ、東京地検に告発しました。

 

 ◆あまりにも悪質で組織的にやっているとしか思えなかったので、告発しないわけにはいかないと感じました。

 しかし、正直、しんどかったです。今年の正月はありませんでした。当時作成した告発状をみていると1月1日とか、6日、9日の日付が出てきます。

誰が売りに来たか書いてある

 ――一つ一つチェックしたことで見えたこともあると思います。

 

 ◆派閥のパーティー券を買っている政治団体の収支報告書を見ていると、「44万円」などと、まとめて記載している団体がある一方で、同じ派閥のパーティー券なのに、何回にも分けて支出を記載している団体もあるのです。

 最初はなぜこんなことをしているのかわかりませんでした。

 ところが、見ていくうちに、…