ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー
読売
パーティー裏金疑惑の松野官房長官を更迭へ、首相「役割果たして」から一転・後任調整
岸田首相は自民党最大派閥の安倍派が政治資金パーティー収入の一部を還流させるなどして裏金化していた疑惑を巡り、還流を受けた疑いのある松野博一官房長官(61)を交代させる方針を固めた。事実上の更迭となる。首相は後任人事の調整を進める考えだ。
【図表】一目でわかる…安倍派のパーティー券収入不記載疑惑の構図
複数の政府・与党関係者が明らかにした。内閣の要である官房長官の交代で政権運営が不安定化するのは避けられず、内閣支持率が低迷する首相にとって大きな打撃となる。
松野氏は2019年9月~21年10月に安倍派の事務総長として派閥の実務を取り仕切っていたが、還流疑惑に関して定例記者会見などで説明を拒み続けている。8日の参院予算委員会でも自らへの還流疑惑について、「私の政治団体に関しては適切に処理してきた」と釈明したうえで、「精査して適切に対応していく」との答弁を繰り返した。
首相は同日の衆院予算委員会で、野党議員が松野氏の更迭を求めたのに対し、「政府のスポークスマンとしての役割をしっかり果たしていただきたい」と強調した。松野氏も「引き続き責任を果たしていく」と述べた。
だが、政府・与党内では、松野氏を巡り、「疑惑を払拭(ふっしょく)できない以上、官房長官の任を果たせず、速やかに身を引くべきだ」(閣僚経験者)との声が強まっており、首相も続投は困難との判断に傾いたとみられる。
官房長官が辞任するのは異例だ。第2次森内閣で中川秀直氏が女性問題などの疑惑が発覚し、00年10月に辞任した。第2次小泉内閣では、福田康夫氏が04年5月に国民年金保険料の未納問題で辞任を表明した。松野氏が辞任すれば、21年10月に発足した岸田内閣で、不祥事などでの閣僚辞任は5人目となる。
松野氏は衆院千葉3区選出で当選8回。文部科学相や自民党総務会長代行を経て、岸田内閣の発足当初から官房長官を務めた。
朝日新聞
安倍派幹部6人に裏金か 塩谷・松野・高木・世耕・萩生田・西村氏
自民党最大派閥の「清和政策研究会」(安倍派)が政治資金パーティー収入の一部を裏金化していたとみられる問題で、同派の中枢幹部6人のうち、松野博一官房長官のほかの5人も、直近5年間でそれぞれ1千万円超~約100万円の裏金のキックバック(還流)を派閥から受け、政治資金収支報告書に記載していない疑いがあることが、関係者への取材でわかった。
【一覧表】安倍派から裏金のキックバックを受けた疑いがある派閥幹部6人とそれぞれの金額
■1千万円超~100万円 全6人の安倍派の中枢幹部は、事実上トップの「座長」を務める塩谷立・元文部科学相と、派閥の有力者で「5人衆」とされる松野氏、高木毅・党国会対策委員長、世耕弘成・党参院幹事長、萩生田光一・党政調会長、西村康稔経済産業相。裏金問題は、松野氏に加えて、岸田文雄首相を支える党幹部や重要閣僚に幅広く波及した。
朝日新聞社
2023年12月8日 18時46分 (共同通信)
パー券還流、課税対象? 私的費消なら「雑所得」
8日の衆参予算委員会で立憲民主党の枝野幸男氏らは、自民党安倍派によるパーティー券収入還流疑惑に関し「脱税に当たる」と繰り返し指摘した。還流分を議員側が私的な用途に費消していれば個人の「雑所得」と見なされ課税対象となり得るが、「政治活動に使った」との主張が通れば課税の対象外となる。
「(政治資金収支報告書に記載しなかった)裏金は雑所得だ。申告がなければ脱税になる」。枝野氏は岸田文雄首相をこうただしたが、首相は東京地検特捜部による捜査が始まっていることを理由に具体的な説明を避けた。
一方、鈴木俊一財務相は立民の石橋通宏氏の質問に「必要経費を差し引いた残額が課税対象となる。全てが政治活動に使われていれば、課税対象にならない」と回答。石橋氏は「残額がなければ申告しなくていい。納税の義務がない」とあきれたように話した。
政治資金には原則、税金がかからない。このため、パーティー券収入の還流分を政治活動に使っていれば、課税の対象外となる可能性が高い。