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朝日新聞

イスラエル、ガザ南部の最大都市に侵攻 北部から避難の数万人集まる

 

パレスチナ自治区ガザ地区南部のハンユニスで2023年12月5日、イスラエル軍の攻撃によって負傷し、ナセル病院に運ばれる住民ら=ロイター

 パレスチナ自治区ガザ地区への侵攻を続けるイスラエル軍は、5日もガザ南部への激しい攻撃を続けた。イスラエル軍は同日、南部最大都市ハンユニスに地上部隊が入ったと発表した。国連によると、ガザでは全人口の8割が避難を余儀なくされており、さらなる人道危機の悪化に懸念が強まっている。 【写真】パレスチナ自治区ガザ地区南部ラファで2023年12月4日、イスラエルによる砲撃で破壊された跡を見つめる住民ら=AP  イスラエル軍部隊はハンユニス中心部に侵攻したという。AP通信は衛星写真の分析により、ハンユニス中心部から北に約6キロの地点で、イスラエル軍の戦車や車両150台が集まっていると伝えた。イスラエル軍はSNSで、ハンユニスから北に抜ける幹線道路上の民間人の移動は許されないとし、戦闘地域になっているとして「近づくのは危険だ」と投稿していた。

 

 ■避難所入れず、路上のテントで  ロイター通信は住民の話として、イスラエルの戦車がイスラエル境界から西進し、ハンユニスの東部に入ったと伝えた。1日に戦闘が再開して以来、「最大の地上作戦とみられる」と伝えている。同通信によると、イスラム組織ハマスと共闘する武装組織「イスラム聖戦」は、ハンユニス近郊でイスラエル軍と衝突したと発表した。 

 

 イスラエルはハマス幹部の掃討を掲げ、1日に戦闘が再開した後、ガザ南部への攻撃を強化。3日には南部への地上侵攻を始めたことを明らかにし、ハンユニスの一部住民に対し、さらに南のラファへ避難するよう求めてきた。 

 

 ハンユニスには、11月までイスラエル軍の作戦の中心だった北部から追いやられた数万人の避難民が集まっている。国連によると、これまでに避難を強いられたのは、ガザの人口の約8割にあたる約180万人に上る。

 

  国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、3~4日、ラファにはハンユニスから数万人の避難民が到着した。ラファの避難所はすでに定員に達しており、多くの避難民は路上にテントなどをたてて寝泊まりしているという。

朝日新聞社